工場日記

気に入った洋楽の歌詞を和訳しています。

Englishman In New York : Sting



I don't drink coffee I take tea my dear *1
コーヒーは飲まない。お茶を嗜むんだ
I like my toast done on one side
トーストは片面焼きの方がいい
And you can hear it in my accent when I talk
このしゃべり方で分かると思うけれど
I'm an Englishman in New York *2
私はイングランド人さ。ここニューヨークに居ても

See me walking down Fifth Avenue
五番街を歩く私を見てくれ
A walking cane here at my side
ステッキは欠かせない
I take it everywhere I walk
どこへ行く時も使うんだ
I'm an Englishman in New York
ニューヨークに居ても私はイングランド人だ

※ I'm an alien, I'm a legal alien *3
私は外国人。合法的な在留外国人
I'm an Englishman in New York
私は、ニューヨークに居るイングランド人さ
I'm an alien, I'm a legal alien
I'm an Englishman in New York ※


☆ If "Manners maketh man" as someone said *4
「人は出自ではなく礼節や振る舞いにより価値が決まる」のだとしたら
Then he's the hero of the day
彼は、今の時代では "英雄" にも等しいほどの存在
It takes a man to suffer ignorance and smile *5
"男" たる者は、無知蒙昧にも耐え、微笑で返すもの
Be yourself no matter what they say ☆
誰に何を言われようが "自分自身" であるべきだ

※~※

Modesty, propriety can lead to notoriety
謙遜や礼儀正しさが、逆に悪評を招くこともあるのかもしれない
You could end up as the only one *6
仮にそうであっても、唯一無二の者として死んで行ける
Gentleness, sobriety are rare in this society
穏やかさや真面目さは今の社会では稀なもの
At night a candle's brighter than the sun *7
暗い世の中だからこそ、ろうそくの火は太陽よりも明るく輝く

Takes more than combat gear to make a man
男らしい男になるためには、戦闘服だけでは足りない
Takes more than a license for a gun
銃の免許証だけでは足りない
Confront your enemies, avoid them when you can *8
敵には正面から立ち向かうが、出来得れば対決を避ける
A gentleman will walk but never run
紳士は意志を持って歩く。決してあたふたと走らない *9

☆~☆

※~※


備考
  1. ※英語では "drink/have tea/coffee" が一般的で、"take tea/coffee" はイギリスの古風な言い方で現代ではあまり使われないらしい。あるいは、"take tea" はイギリスの "軽食を伴ったお茶" の習慣を指すともとれるらしい。 ただし、ネット検索で得た情報なので誤っているかもしれない。
  2. ※「ブリテン島住人であるイギリス人」ならば British と使いそうなので、englishman はウェールズ人やスコットランド人ではなくイングランド人であることを明示した言い方のように見える。
  3. legal alien : 合法的に入国した外国人
    illegal alien : 不法在留外国人、不法入国外国人、不法入国者
    ※ここで何故あえて「合法的に入国した」と強調しているのだろうか。
    ※イギリスでは16世紀より肛門性交は重罪とされ1861年まで有罪者には死刑が科されていた。成人男性間の性交渉は、イングランドとウェールズで1967年に、スコットランドでは1980年に、北アイルランドでは1982年に合法化された。このような法制度の影響もあり、イギリスでは同性愛者に対する偏見や差別がかなり強かっただろうと想像できる。クェンティン・クリスプが渡米したのは1980年であるから、その十数年前までは同性愛は違法であったことになる。スティングが「合法入国」を意味する文脈での legal に他の意味を付与したかったのかどうかは分からないが、「合法であろうと違法であろうと、自分はどこにいても "alien よそ者" である」という "孤高の誇り" のような意志を込めたかったのではないだろうか。
  4. maketh : 古英語で make の三人称単数現在形。現代英語の makes に当たる
    Manners maketh man : 礼儀作法が人を作る、人はその振る舞いによって判断される
  5. man : 男らしい男、一人前の男。(形容詞的に)男らしい性質
    It takes ~ to do : …するには~を必要とする(It takes courage to do that それをするには勇気がいる)※この一文は英語のできない私の感覚だと "It takes suffering and smiling to be a man." と書きたくなるが、これだとあまりにぎこちない英文である感じは分かる。従って、"~" と "…" が逆になっても、意味は変わらないと考えたが、もしかしたら間違っているかもしれない。
  6. ※ could は仮定法であり、"現実" ではなく "想像" であることを示している。
  7. ※おそらく night は前行の society の隠喩なのだろう。「あなたのような男らしい紳士は、世の中を明るく照らす、小さいけれども稀で貴重な存在である」と言っているようだ。
  8. confront : 直面する、立ち向かう、敵対・対決する
  9. ※この1行は、前行からのつながりで、例えば「対決を避ける場合にも慌てて走って逃げたりするのではなく落ち着いてゆっくりと立ち去る」、あるいは「緊急事態にも、動揺して闇雲に走り出したりせず、冷静沈着に対処する」などのイメージではないだろうか。



 1987年のアルバム "...Nothing Like the Sun" より。公式動画に登場している老人は、クェンティン・クリスプ(1908-99)というイングランド出身の作家・俳優・モデルで、同性愛に対する偏見と風当たりの強かった時代から自らゲイであることを公言して生きていました。そして、1980年、72歳の時にイギリスからアメリカ・ニューヨークに移住し、その後の終生をアメリカで過ごします。
 複数のインタビューでスティングは、この歌は部分的にはクェンティン・クリスプを歌ったものであり部分的には自分の事を歌ったものであるという趣旨の発言をしています。その中で、印象に残ったスティングの言葉をいくつか引用します。
「クェンティンは心から敬服する友人なんだ。彼はこれまで出会った人の中で最も勇気ある人たちの一人だと思う」
「ゲイであることが物理的・肉体的にも危険だった時代から、彼は華々しくゲイであり通した。…(中略)…この歌は、そういう彼の独自性を正しく評価し称賛するものなんだ。ただ、一方で自分についての歌だとも言える。異国で亡命者のような生活を送ることは、物を書く人間にとってとても大切なことだ。一つには、外国人はそこの住人よりもその国を少しだけ曇りのない目で見ることができる。二つには、同時に自分の故国も以前より少しだけ曇りのない目で見ることができる。…(中略)…アメリカには僕がぞっとするようなものもある…外交政策とか宗教とか…、そして、たくさんの好きなものもあるんだ。ただ、僕は "同化" されることはない。僕はどこかに帰属したいとは思わない。そこの出身であると誇りを持てる場所から僕は来た。それだけで充分なんだ。一所に落ち着くというのは、僕にとっては、ある意味 "腐敗" という感覚と同じように思えるんだ」
「クェンティンは僕にとっての英雄なんだ。…(中略)…僕はクェンティンのような自分が崇拝する人物について書きたかった。これは "ゲイであること" についての歌じゃない。"決して順応せず、自分自身であり続けること" についての歌なんだ」
(以上、http://www.crisperanto.org/recordings/sting.html より)

 ここからは想像を交えた私的な解釈なのであまり客観性はありません。
 この歌の一番のモチーフはクェンティン・クリスプへの敬愛の念を表すことであり、スティング自身の経験や心情、思想は二義的であるように見えます。歌詞だけではこの人物がクリスプであるとは特定できませんが、公式動画に登場させたり、いくつものインタビューで彼のことを歌ったものだと発言しているのは、これはクリスプのための歌であると広く知らせたいという気持ちがスティングにあったのでしょう。ただ、それが実現すると、上のインタビューでもスティングが危惧しているように、ゲイを擁護する歌であると誤解を招く恐れがあります。スティングはクリスプがゲイであるから尊敬しているわけではなく、どんな非難や攻撃にも屈せず自分を貫き通す彼の生き方に憧れているのです。だから、自らが味わった異国でのホームシックや違和感、疎外感などを、クリスプの心情に重ねて表現することによって、クリスプ礼賛の思いをカモフラージュして、結果的に多少曖昧な内容の歌詞となっています。もちろん、自分の事を歌詞に込めた動機には、クリスプへの憧れ、少しでも彼の境地に近づきたいという気持ちもあったのでしょうが…。
 この歌詞にイギリスあるいはイングランドを誇りアメリカを軽侮する意思が含まれていると解釈する人がいるかもしれないので、念のために書いておきますが、たぶんスティングにはそういう意図はありません。コーヒーとかアクセントとかステッキとかは、いわばどうでもいい事であり、クリスプを描写するための単なる小道具です。また、歌詞の黒字部分はスティング自身の思想をクリスプの生き方に託して表したものですが、アメリカ人は礼節がなく無知蒙昧であると言っているのではありません。おそらくクリスプは生き難かったイギリスを捨てたのであり、礼節がなく無知蒙昧なのはイギリス人だったのだと思います。
 捨てた国ではあるけれども、生まれ育ったイギリスあるいはイングランドへの愛着や誇りなどは当然捨てられるものではなく、そのようなクリスプの複雑な心情とそれを想像するスティングの心情、その二つが表現された歌詞なのではないでしょうか。

Ready or Not : Lauryn Hill

Boadicea : Enya



 Boadicea はエンヤの1986年のデビューアルバム "ENYA"(BBCのドキュメンタリー "The Celts" のサントラ)に収録されています。ブーディカは紀元1世紀頃のケルト人の女王の名です。この曲が作られた頃には "Boadicea ボウディシア" という表記が一般的でしたがその後の研究により現在は "Boudica ブーディカ" という表記が広まりつつあるようです。
 イングランド東部のノーフォークに住んでいたイケニ族の女王であるブーディカ。「背が高く、腰下まで伸ばした赤い髪を靡かせ、荒々しい声と鋭い眼光を持っていた」彼女は、ローマ帝国による侵攻と支配への反乱軍の指導者となり、自ら兵を率いて戦いに臨みます。紀元60年か61年頃の出来事です。ローマ帝国はイングランド侵攻後のイケニ族の独立を約束していたのに、それを破り、イケニ族の貴族たちは奴隷扱いされ、ブーディカの二人の娘は陵辱され、彼女自身も鞭打たれたと言います。
 反乱軍のローマ人への敵意は凄まじく、立て続けに3つの都市を壊滅させ、数万人の人々を惨殺します。後のローマの歴史家カッシウス・ディオの記述によれば「ある貴婦人は乳房を切り取られ、それを無理やり口に押し込まれた上で吐き出さないよう唇を縫い合わされ、鋭い杭の上に突き刺された」ということです。ローマ側の人間の言う事ですから多少割り引いて読んだ方がいいかもしれませんが、ケルト人のローマへの憎しみはかくあるものであったろうかという記述です。
 しかし、反乱は最終的には敗北に終わり、服毒による自死あるいは病死と死因は明確ではありませんがブーディカも死に、ローマによるブリタニア支配はこの後紀元410年まで続きます。(以上ウィキペディアより)


Ready or Not : Lauryn Hill



Ready or Not : The Fugees



[Lauryn Hill:]
※ Ready or not, here I come, you can't hide *1
もういいかい? さあ行くよ。隠れても無駄よ
Gonna find you and take it slowly
これから見つけるよ。ゆっくりと慎重にね
Ready or not, here I come, you can't hide
もういいかい? さあ行くよ。隠れても無駄よ
Gonna find you and make you want me ※
これから見つけるよ。そして、私が必要だって思わせるよ

[Wyclef Jean:]
Now that I escape, sleepwalker awake *2
やっと脱け出した。夢遊病者は目覚めた
Those who could relate know the world ain't cake *3
世の中とうまく折り合いがつけられる奴らは、それが甘いケーキじゃないと知ってる
Jail bars ain't golden gates *4
刑務所の鉄格子は "天国の門" じゃないってことも
Those who fake, they break
だが、見せ掛けだけの奴らは、脱獄しても
When they meet their 400 pound mate
同房の大男にまた会うことになる
If I could rule the world
もし俺が世界を統治できるのなら
Everyone would have a gun in the ghetto of course
みんなに銃を持たせてやるよ。もちろんゲットーの連中にも
When giddy-upin' on their horse
それで、馬に乗って "ハイ、ドー" ってな
I Kick a rhyme drinkin' moonshine *5
密造酒を飲みながら言葉を音に乗せる
I pour a sip on the concrete, for the deceased
コンクリートに酒を注ぐ。死んだ者たちのために
But no don't weep, Wyclef's in a state of sleep
だが、泣いてるわけじゃない。ワイクリフは、眠っている時も
Thinkin' 'bout the robbery that I did last week
考えている。先週やった強盗のことを
Money in the bag, banker looked like a drag *6
鞄の中の金のことを。女装したおっさんみたいだった銀行家のことを
I wanna play with pellet guns from here to Baghdad *7
空気銃で遊びたい。ここだろうとバグダッドだろうとどこだろうと
Gun blast, think fast, I think I'm hit *8
銃がぶっ放される。とっさに逃げる。が、撃たれたかも…
My girl pinched my hips to see if I still exist
まだ生きてるか確かめようと女が俺の尻をつねる
I think not, I'll send a letter to my friends
たぶんもう生きてないんだろう。友達に手紙を送ろう
A born again hooligan only to be king again
「ならず者はよみがえる。ただ再び王となるために」って

[Lauryn Hill:]
※~※

[Lauryn Hill:]
I play my enemies like a game of chess, where I rest
敵たちをもてあそぶ。チェスのゲームみたいに。そこは、私の安息の場所
No stress
重圧も緊張もない
If you don't smoke sess, lest *9
あなたが大麻を吸うラスタじゃなければ(そうかもしれないからね)
I must confess, my destiny's manifest
言わなくちゃならない。私の運命は明らかだと
In some Goretex and sweats I make treks like I'm homeless
ジャージの上下にウインドブレーカーで、浮浪者のように歩き回る
Rap orgies with Porgy and Bess *10
『ポーギーとベス』のように、乱痴気騒ぎを歌う
Capture your bounty like Elliot Ness, yes *11
エリオット・ネスのように、あなたたちの首の懸賞金を獲る
Bless you if you represent the Fu *12
フージーズと主張を同じくする者に祝福を
But I'll hex you with some witch's brew if you're Doo Doo Voodoo
ブードゥーみたいな邪教徒には魔女の秘薬で逆に呪いをかけてあげる
I can do what you do, easy, believe me
あなたたちができる事は私にも簡単にできるのよ。本当よ
Frontin' niggas give me hee-bee-gee-bees *13
見栄を張って格好をつける黒んぼなんて身の毛がよだつわ
So while you're imitating Al Capone
あなたたちがアル・カポネの物まねをするんだったら
I'll be Nina Simone
私は、ニーナ・シモンになってやる
And defecating on your microphone *14
私の中の汚物をあなたたちのマイクにぶちまけることで私は浄化される

[Lauryn Hill:]
Ready or not, here I come, you can't hide
用意はいい? 行くわよ。隠れても無駄よ
Gonna find you and take it slowly
あなたを見つけ出す。ゆっくりと慎重にね

You can't run away
逃げることはできないよ
From these styles I got, oh baby, hey baby
私のこのやり方からは。ねえ、そうなのよ
'Cause I got a lot, oh yeah
だって、いろんな流儀をたくさん持ってるからね
And anywhere you go
それに、あなたたちがどこに行こうが
My whole crew gonna know
私の仲間の誰かが知る事になるでしょう
Oh baby, hey baby
ねえ、そうなのよ
You can't hide from the block, oh no *15
この断頭台から隠れることはできないの

[Pras and Lauryn Hill:]
Ready or not, refugees takin' over *16
あなたたちの用意ができていようといまいと、難民はこの国を奪い取る
The Buffalo soldier, dread-lock rasta *17
バッファロー・ソルジャー、ドレッドロックのラスタ
On the twelfth hour, fly by in my bomber *18
刻限は過ぎたわ。もう手遅れ。私の爆撃機は飛んでいる
Crews run for cover, now they're under pushin' up flowers *19
仲間たちは避難所へ逃げるけれど、今やそこは彼らの埋葬場所よ
Superfly, true lies, do or die
最高よ。真実の嘘。命を懸けてやるわ
Toss me high only puff la *20
私を高く放り上げて。息をフッと吹きかけるだけでいいから
With my crew from lakay *21
故郷ハイチ出身の仲間たちと一緒に
I refugee from Guantanamo Bay *22
私はグァンタナモ収容所から逃げてきた
Dance around the border like I'm Cassius Clay *23
そして、国境で舞い踊る。カシアス・クレイのように
Yes, sir
はい。上官殿

[Lauryn Hill:]
[※~※]×4


備考
  1. Ready or not, here I come. : "隠れんぼ" で "鬼" が言う決まり文句。日本語の「もういいかい」に当たる。ただし、日本と違い "鬼" は例えば百数えたらこの台詞を言って相手の返事を待たずに探し出す。"ready or not" は「準備ができていてもいなくても」、"here I come" は「さあ行くよ」の意。
  2. Now that …, ~. : 今や…だから、~だ。…となったので、~だ。
    sleepwalker : この歌でサンプリングされているエンヤの Boadicea は、スティーブン・キング脚本、ミック・ギャリス監督の1992年の映画 Sleepwalkers で挿入曲として使われている。
  3. ain't : am not, is not, are not または have not, has not, do not, does not, did not
    ※文脈から cake は動詞ではなく名詞で、この ain't は "is not" だろうと思う。
  4. ※サンフランシスコの金門橋は投身自殺者が多いことで有名。また、エルサレムにある黄金の門はアブラハムの宗教において救世主が入って来る所だとされる。この歌詞の "golden gates" の意味は正確には分からないが、"現世を超越した世界への入り口" ではないかと想像して訳した。誤訳になっているかもしれない。
  5. moonshine : 密造酒。たわごと、荒唐無稽な話、くだらないこと
  6. drag : 本来は動詞で「引きずる」の意。名詞になると「退屈な人・物、邪魔な物・者、煙草の一服」等の意味もある。ここでは "drag queen 女装したホモ" の意味だろうと推測して訳してあるが、間違っているかもしれない。
  7. pellet gun : 殺傷能力のある空気銃
    ※ "Baghdad" は1991年の国連多国籍軍のイラク空爆により始まった湾岸戦争を想起させるため「平和なこのアメリカだろうと戦地のイラクだろうと世界中どこであろうと」というニュアンスだろうと解して訳したが、間違っているかもしれない。
  8. ※ "think fast" は「速く考える、咄嗟に考える」だが、急に何かを放って渡す時などに「受け取って」「ほら、いくよ」等の意味で発される場合もある。「すばやく考えて即座に行動する、考えると同時に行動を開始する」等のニュアンスを込められる言い方なのだろうと思う。
  9. sess : 大麻、マリファナ。または "sinsemilla, sensimilia 種なし大麻=有効成分の濃厚な高級大麻" のこと。
    ※「大麻を吸う」はラスタファリアニズムの信奉者であることの隠喩だろうと思ったが、間違っているかもしれない。
    lest ~ : ~するといけないから、~しないように
  10. Porgy and Bess : エドワード・ヘイワードの小説『ポーギー』を元にジョージ・ガーシュインが作曲し1935年に初演されたオペラ。1920年代、米南部のとある町に住む貧しい黒人たちの生活が描かれ、ポーギーとベスの恋愛模様が物語の核となっている。登場人物は1人を除き他はすべて黒人に限定し、黒人音楽を取り入れるなど、従来のヨーロッパ伝統のオペラとは異質なものである。
  11. Eliot Ness : 1903-57。米財務省の酒類取締局捜査官。アル・カポネ逮捕に貢献したと言われる。
  12. represent : 原義…質・量では異なるが~と同じ働きをする。→表す、象徴する、表現する。代理をする、代表する。想像する、思い描く。主張・断言・代弁する。~に相当する、同等である
  13. front : 見栄を張る、格好をつける
    it gives me hee-bee-gee-bees : (it のせいで)怖気づく、身の毛がよだつ、(不安で)びくびくする、
  14. defecate : 排便する。かす・不純物がなくなる(除去される)、(不純物が除去されて)澄む
  15. block : 角材、ブロック、積み木。薪割り台、まな板、断頭台。街区、四角い大きな建物
  16. take over : 力ずくで奪う→義務・責任を引き継ぐ、仕事を引き受ける、会社を乗っ取る・買収する、土地を併合・占領する
  17. ※この1行はボブ・マーリーの歌からの引用。詳しくは当ブログの記事 "Buffalo Soldier" を参照。
  18. 11th hour : 最後の機会、瀬戸際
    at the 11th hour : ぎりぎりの所で、土壇場になって(ぎりぎりで何とか間に合ったという意味)
  19. push up daisies : 埋葬される。(地下で肥料となり "daisy ヒナギク" を地上に押し上げる)
  20. la : 強調や驚き等を表す感嘆詞(この la がこれに該当するかどうかは分からない)
  21. lakay : ハイチ語で英語の home に当たる。ちなみにハイチ語はフランス語と西アフリカの諸言語が混交したクレオール言語である。
  22. Guantanamo Bay : キューバ南東部にある湾。湾の南部はアメリカが租借しており、海軍の基地が置かれている。グァンタナモ基地は、アメリカにもキューバにも属さない治外法権区域で、キューバやハイチからの不法入国者・難民収容所としても機能していた。近年は、イスラム過激派テロ容疑者も収容されており、その秘密性のために収容者への拷問や虐待などが問題とされている。オバマ大統領は収容所の閉鎖を発表したが任期中に達成されることはなく、現大統領トランプは収容所の継続を表明している。
  23. Cassius Clay : ボクサー、ムハマド・アリの本名。アリはベトナム戦争の従軍拒否でチャンピオン資格を剥奪され、イスラム教に改宗するなど、反体制思想の持ち主の間では英雄的な人物である。その華麗なボクシングテクニックは "蝶のように舞い蜂のように刺す" と称された。


 "Ready or Not" はフージーズの1996年のアルバム "The Score" に収録されています。
 歌詞は、個人的な想像ですが、既存のヒップホップに対する批判なのではないでしょうか。冒頭の "Ready or not, ~" の部分や他の一部は、"The Delfonics" というグループの1968年のラブソングからの引用なので、本来は恋愛の文脈で語られている言葉ですが、フージーズはこの言葉を全く違う意味で使っています。私の英語力では意味の分からない所がいくつもあるので間違っているかもしれませんが、全体的な印象としては、ワイクリフ・ジョンのパートがギャングスタ・ラップのような男性優位主義で社会に対する意識の低い従来のヒップホップを象徴し、ローリン・ヒルのパートがそれを批判し、自分たちマイノリティがもっと声を上げてアメリカ社会を変えていかなければならないと主張しているように思えます。
 二つの動画の上の方はおそらく2016年のものだと思いますが、"Ready or Not" の歌詞にある「私はニーナ・シモンになってやる」という言葉をまさしく体現するような力強い歌で、私はオリジナルのアルバムバージョンよりもこちらの方が好きです。

Let Me Show You Love : Avicii ft. Yolanda Selini



Feel like I've been waiting so long for tonight;
とても長かった。ずっと待ってたんだ。今夜、この時を
Cause I just can't get you out of my mind.
だって、いつも頭から君が離れないんだよ
Can you feel my heart beating so fast?
分かる? 心臓がこんなにドキドキしてる
Now you're here — no, there's no turning back.
今、やっと君がここにいる。もう後戻りはできない

※ Oh, I think I'm falling — can't hold on no more.
ああ、君が好きなんだ。もうこれ以上耐えられない
Enough is enough, enough is enough — just gotta let go.
もう充分だ。もう我慢はたくさんだ。もう自分を抑えられない
And as my grip unwinds, I feel your hand in mine.
握っていた手をほどいて、君の手を僕の手の中に感じる
No, I never felt, never felt like this before.
初めてだよ。こんな感じ今までに一度もない
Come on babe, don't give up on us.
おいで、愛しい人よ。僕たち二人のことを見限らないで
Choose me and I'll show you love,
どうか僕を選んでくれ。そしたら、君にこの愛を見せよう
Let me show you love,
僕の君への愛を見せるよ
Let me show you love,
Let me show you love. ※

If you cry, I'll be there at your side;
もし君が泣くようなことがあれば、いつでもそばにいるよ
If you lost, I'll be there shining my light.
もし君が道に迷ったら、僕の光で照らしてあげるよ
Cause every touch lifts me up to the stars,
だって、君に触れるだけで、天の星まで昇りそうな気がするんだ
Cause nothing could ever keep us apart.
だって、僕たちを分かつものなど何もないじゃないか

※~※


 2011年に発表されたこの歌は正式には発売されていないため曲名にもばらつきがあります。歌っているのはノルウェーの首都オスロ出身のヨランダ・セリーニという歌手です。この歌はアヴィーチーが当時つき合っていた恋人のために書いたものだそうです。発売しなかったのはそのためかもしれません。
 このブログを始めて十年近くなりますが、その間、好きなアーティストの訃報を何度も聞きました。まったくの他人なのになぜこうも悲しくなるのだろうと思うこともあります。とくに若くして亡くなる方にはいろいろと考えさせられることもあります。並はずれた才能のある人はより濃密に生命を消耗させ、そのために凡人よりも早く燃え尽きてしまうのでしょうか。私はアヴィーチーの熱心なファンではありませんが、彼の作る歌にはとても心惹かれます。
 アヴィーチー。安らかにお眠り下さい。あなたの精神はあなたの作った歌と共に多くの人の心に永遠に生き続けるでしょう。