Paradise

2016年05月04日

Paradise : Coldplay




When she was just a girl, she expected the world *1
まだほんの子供だった頃、世界は自分の期待に応えてくれると思ってた
But it flew away from her reach, so she ran away in her sleep *2
だけど、世界は手の届く所から飛び去った。だから、眠りの中に逃げ込んだ
And dreamed of para-para-paradise, para-para-paradise *3
そして、彼女は "楽園" の夢を見た
para-para-paradise, every time she closed her eyes
目を閉じるたびに、"楽園" を夢見た

When she was just a girl, she expected the world
まだほんの子供だった頃、世界は自分の期待に応えてくれると思ってた
But it flew away from her reach, and the bullets catch in her teeth *4
だけど、世界は手の届く所から飛び去った。辛い事にずっと耐えてきた
Life goes on, it gets so heavy
それでも生きなければならない。ただ生きる事、それがどんどん重たくのしかかって来る
The wheel breaks the butterfly, every tear, a waterfall *5
大きな車輪がか弱い蝶を引き裂く。その涙の一粒は一つの滝に価する
In the night, the stormy night she closed her eyes
嵐の夜、彼女はいつものように目を閉じる
In the night, the stormy night away she'd fly
この嵐が去れば、飛べるかもしれない
And dreamed of para-para-paradise, para-para-paradise
そんな夢を見る
para-para-paradise
"楽園" の夢を見る

And so lying underneath those stormy skies
嵐の空の下で体を横たえていた
She'd say, Oh, ohohohoh, I know the sun must set to rise
彼女は言うだろう。ああ、そうか。日が沈むのは昇るためなんだ
This could be para-para-paradise, para-para-paradise
ここが "楽園" になれるかもしれない
para-para-paradise
"楽園" に



備考
  1. expect : 予期する、予想する、期待する。要求する、~して欲しいと思う、当然~だと思う。
  2. reach : 手を伸ばすこと。手の届く範囲・距離。(種々の力の及ぶ)範囲
  3. ※キリスト教での "Paradise 楽園" は、死後の世界いわゆる "天国" を指す言葉ではなく、地上に現れるべき理想の場所、平和・繁栄・安寧・幸福などのみが存在する世界を指す。黙示録(2-7)では神が地上に作った理想郷 "エデンの園" とそれが復活した新世界(22-1~5)を指す。また、ルカ伝(23-43)では十字架上のイエスが罪人に対し自分たちがいるここが楽園であると言っており、コリント第二(12-4)ではパウロが "楽園=第三の天" に引き上げられた神秘体験を語っている。イエスの言葉は楽園が地上にあることを示唆し、パウロの言葉は楽園が天上世界を指すような言い方になっているが、通常はこのパウロの言葉は天上世界を「楽園のような」と比喩的に語っていると解釈される。
    ※コールドプレイのこのアルバムは、全体主義社会の支配勢力、反抗勢力を描いたコンセプトアルバムなので、"paradise" という言葉には「地上の楽園、ユートピア、理想郷」「革命、変革」等の意味合いが強く込められているのではないだろうか。
  4. bite the bullet : 歯を食いしばって耐える、苦しい(困難な)仕事を我慢してやる。(開拓時代、麻酔無しの手術で患者に弾丸を噛ませて痛みをこらえさせた事が由来)
    catch in : 引っ掛かる、絡まる
    ※「弾丸が歯に引っ掛かっている→痛みや苦しみにずっと耐え続ける」という意味ではないだろうか?
  5. break a butterfly on a wheel : ささいな事におおげさな手段を取る、鶏を裂くに牛刀を持ってする。"break a person on the wheel(人を車裂きの刑に処す)" をもじったもの。


 2011年のアルバム "Mylo Xyloto" より。いい歌だと思います。ただ、物凄くという程ではありません。冒頭の動画の象が健気で可愛いので翻訳することにしました。

Violet Hill

2012年07月08日

Violet Hill : Coldplay



Was a long and dark December
長く暗い十二月
From the rooftops I remember *1
覚えている。屋根という屋根に
There was snow
雪があった
White snow
白い雪が

Clearly I remember
はっきりと覚えている
From the windows they were watching
窓という窓から奴らは見ていた
While we froze down below
俺たちが下で凍えている時に

When the future's architectured by a carnival of idiots on show *2
テレビの馬鹿騒ぎによって未来が構築される時は
You'd better lie low
低く伏せていた方がいい

If you love me
もし君が俺を愛するのなら
Won't you let me know?
俺にそうと告げてくれないか

Was a long and dark December
長く暗い十二月
When the banks became cathedrals and a fox became God *2
銀行が大聖堂となり狐が神となる時

Priests clutched onto bibles
司祭たちは聖書をつかもうと手を伸ばした
Hollowed out to fit their rifles
それは彼らの銃に合うように中がくり抜かれていた
And the cross was held aloft
十字架は空高くそびえていた

Bury me in armour
武装したままで埋めてくれ
When I'm dead and hit the ground
俺が死んで地に倒れた時には
My nerves are poles that unfroze *3
俺の神経が溶け出した電極になる時には

And If you love me
君が俺を愛しているのなら
Won't you let me know?
俺にそうと告げてくれないか

I don't want to be a soldier
俺はなりたくない
Who the captain of some sinking ship would stow, far below
沈み行く船の船長によって船底に詰め込まれるような兵士には

So if you love me
俺を愛しているのなら
Why'd you let me go?
なぜ俺を行かせようとする?

I took my love down to Violet Hill
俺は愛する人をスミレの丘に連れて行った
There we sat in snow
雪の中、二人で座っていた
All that time she was silent still
彼女はずっと無言だった

Said if you love me
俺を愛しているのなら
Won't you let me know?
そうだと告げてくれないか


備考
  1. shout … from the rooftops :(複数の屋上から叫ぶ→) …を世間に吹聴する
  2. show, fox : ローリングストーン誌のインタビューで「fox と carnival of idiots on show は Fox News に関係するのか」という質問に対して、クリス・マーティンは「仕事の上司とトラブルを抱えている友人がおり、多くの人が自分の気に入らない人から行動を強いられて生きているということを考えていた。その頃ビル・オライリーを見ていてそういう言葉を思いついた」と語っている。Fox News はアメリカの保守的・共和党寄りの放送局でビル・オライリーはニュース番組の人気キャスターである。ウィキペディアによれば、ゲストの発言をさえぎり自己の保守的な主張を押し通す歯に衣着せぬ発言が人気を呼んでいるらしい。クリス・マーティンはおそらくビル・オライリーに批判的なのであろう。
     http://www.myspace.com/scottysbrewhouse/blog/408410345
  3. pole は柱、棒、地球の極、物理学的極などの意味がある。unfroze が過去形なのが不明なのも含めよく分からないが、神経、電極、溶ける、の連想で訳した。


 2008年のアルバム Viva la Vida or Death and All His Friends より。おそらく、政治的経済的支配者や宗教的権威への批判、戦争への反対表明を意図して作られた歌詞だろうと思います。songmeanings.net では、革命の歌だとか、you は神で神との対話の歌だとか、南北戦争が関係しているとか、恋愛の歌だとか様々な解釈が投稿されており、そのいずれの意見でも深遠な歌詞だと高く評価されていました。
 しかし、私にはこの歌詞の良さがよく分かりません。簡単に言うと政治批判をするならもっとはっきりと言うべきではないかと思うからです。馬鹿が未来を構築する時代は低く伏せていろ、とはどういう意味なのでしょうか。我慢しろと言いたいのか、時期を待てと言いたいのかさっぱり分かりません。狐は狡猾な政治家を指すのか、低俗なマスコミを指すのか。沈み行く船とはイギリス国家なのか、ブッシュのアメリカなのか、といろいろなことを考えていると、結局この歌詞は何が言いたいのか分からなくなってきます。私の好きなブルース・スプリングスティーンやボブ・マーリー、シネイド・オコナーの歌詞にもよく分からない歌詞はたくさんありますが、彼らの書く歌からは切実さや止むに止まれぬ衝動といったようなものが伝わってきます。この歌詞からはそのようなものを感じることができません。私に芸術的なセンスが欠けているからでしょうか。いろいろな人の感想や意見を聞いてみたいものです。


Lovers in Japan / Reign of Love

2009年11月19日

Lovers in Japan / Reign of Love : Coldplay




Lovers, keep on the road you're on
恋人たちよ。自らの道を進め
Runners, until the race is run *1
走者たちよ。命尽きるまで走れ
Soldiers, you've got to soldier on *2
兵士たちよ。本分を尽くせ
Sometimes even right is wrong
時には正義が誤りであることもあるだろうが

They are turning my head out *3
奴らは俺の頭をひっくり返し
To see what I'm all about *4
俺が何者であるかを知ろうとする
Keeping my head down *5
俺の頭を抑圧し
To see what it feels like now
俺の思いを知ろうとする
But I have no doubt
だが、間違いなく
One day, we are gonna get out
いつか、俺たちは脱け出すことができる

Tonight maybe we're gonna run
今夜、走り出すことになるかもしれない
Dreaming of the Osaka sun
大阪の太陽を夢見ながら
Ohh ohh...
Dreaming of when the morning comes
朝が来るのを夢見ながら

They are turning my head out
奴らは俺の頭を引っかき回す
To see what I'm all about
俺が何者であるかを知るために
Keeping my head down
俺の頭を抑えつける
To see what it feels like now
俺が今感じているものを知るために
But I have no doubt
だが、俺は疑わない
One day the sun will come out
いつの日か、太陽が現れることを

   ......

Reign of love *6
愛の支配
I can't let go *7
俺は解き放つことができない
To the sea I offer this heavy load *8
この重荷を海に捨ててしまいたいのに

Locusts will lift me up *9
神の裁きが俺を捕らえるだろう
I'm just a prisoner in a reign of love
俺は、愛の王国の虜囚だ

Locusts will let us stop
神の裁きは、俺たちを動けなくするだろう
I wish I'd spoken to the reign of love *10
愛の力について語っておくべきだった

Reign of love
愛の支配
By the church we're waiting
教会の傍らで俺たちは待っている
Reign of love
愛の支配
My knees go praying
俺は跪き、祈り始める

How I wish I'd spoken up *11
はっきりと言っておくべきだった
Or we'd be carried on the reign of love *12
愛の王国に、行くべきだった


備考
  1. race : 競走、競争、時の経過、人生行路
    His race is nearly run. : 彼の寿命はほとんど尽きた
  2. soldier on : 兵隊として勤務を続ける。断固として働き続ける、頑張る
  3. turn a person's head : 成功等が人をうぬぼれさせる、人を混乱させる、美貌等が人を恋のとりこにする
    turn out : 消す、外に出す、空にする、追い出す、ひっくり返す
  4. What is it all about? : いったい何事だ?
  5. keep one's head : 冷静でいる、落ち着いている
    keep down : 鎮める、抑える、抑圧する
  6. reign : 御代、治世、統治、支配、力、王国
  7. let go : 解放する
  8. offer : 提供する、差し出す、捧げる
  9. locust : バッタ、イナゴ、むさぼり食う人、破壊的な人物
  10. speak to : ~に言及する
  11. speak up = speak out : 自由に遠慮なく言う、はっきりと言う、大声で言う
  12. carry : 運ぶ、行かせる、携える


 アルバム Viva La Vida or Death And All His Friends(2008年)所収。
 曲名が二重なのは、別々の歌だったものを1トラックとして録音したからだそうです。前後半二つの歌に共通するイメージは、私見では「虜囚」です。前半では抑圧された者の不断の希望、後半では愛に囚われた者のある種の後悔を表わしているように感じました。
 なお、後半に登場する locust(イナゴ)は、黙示録第9章に描かれるイナゴと関係あるような気がします。黙示録は神の裁きによる世界の終末と再生を啓示するものだそうです。第9章に出てくるイナゴは、地の淵から呼び起こされたサタンの使いであり、神の刻印を受けていない人間たちに苦痛を与える存在として描かれています。馬のような姿で、人間の顔、女の髪、獅子の歯、サソリの尻尾を持つとされています。
 もしそうだとすると歌詞中の「俺」は、神の刻印を受けていない罪深い人間であるという自覚を持っていることになります。



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