My Walden

2016年11月14日

My Walden : Nightwish




Sain y niwl, *1
霧の音
Gaunt y goydwig fwsog,
苔むした木の香り
Gwenithfaen, cen y coed, a'r lleuad,
花崗岩、地衣類、そして月
Un gway f'adenydd i dapestri bywyd
自らの世界を織り、生命のタペストリーを作る

Light shines bright beyond all the cities of gold *2
光は、すべての黄金の街の彼方に明るく輝く
On a road of birdsong and chocolate shops *3
鳥のさえずる道、チョコレート屋
Of buskers, jugglers, innkeeper's welcoming call *4
旅芸人、曲芸師、宿屋の呼び声
The sound of mist, smell of moss-grown woods
霧の音、苔むした木の香り

※ Weaving my wings from many-colored yarns *5
色とりどりの糸で自らの翼を織る
Flying higher, higher, higher
高く飛ぶ。もっと高く、高く
Into the wild
未開の地へと
Weaving my world into tapestry of life *6
自らの世界を織り、生命のタペストリーを作る
Its fire golden
それは火のような黄金色
In my Walden ※ *7
我がウォルデンにて

I will taste the manna in every tree *8
あらゆる木のマナを味わおう
Liquid honey and wine from the distant hills
蜂蜜とぶどう酒は遙か遠くの丘から
An early morning greenwood concerto *9
早朝の緑林の協奏曲が
Greets my Walden with its eternal voice *10
果てしない声で我がウォルデンを歓迎する

[※~※]×2

Weaving my wings from many-colored yarns
色とりどりの糸で自らの翼を織る
Flying higher, higher, higher
高く飛ぶ。もっと高く、高く

I do not wish to evade the world *11
俗世から逃れたいのではない
Yet I will forever build my own
ただ永遠に自分自身を作ろうと思う

Forever build my own
永遠に自分自身を作りたい

Forever my home
永遠の我が家


備考
  1. ※冒頭の4行は、ケルト語系統のウェールズ語らしい。いくつかの翻訳機とフォーラムの投稿を元に英訳・和訳した上で訳文を作った。なお、1,2,4行目は英語部分の歌詞と対応しているようなので、英語部分の歌詞と同じ訳文にした。
  2. beyond : ~の向こうへ、~を過ぎて、~を越えて、~の及ばない。彼方、果て。あの世、来世。超経験的なもの。
  3. birdsong : 鳥の鳴き声、鳥のさえずり
  4. busker : 大道芸人、旅芸人、香具師
    juggler : 投げ物曲芸師、ジャグラー。手品師、奇術師。詐欺師
    innkeeper : 宿屋・居酒屋の主人、経営者
  5. weave : 機を織る、織機で布を作る。(籠などを)編む、作る。(くもの巣などを)かける、張る。
    yarn : (織物・編物用の)糸。作り話、作り話を加えて面白くした冒険譚
  6. tapestry : つづれ織り、ゴブラン織り。壁掛け等の室内装飾に使われる工芸品。
  7. Walden : "Walden,or, Life in the Woods". アメリカの思想家ソロー(1817-62)の著作名。Walden はマサチューセッツ州コンコードにある池の名で、ソローはこの湖畔の林に小屋を作り1845年の夏から2年ほど自然に親しむ生活をした。
  8. manna : 1.『出エジプト記』で、モーゼの祈りに応じ神が天から降らせた食物。2. 予期せぬ恩恵、天からの贈り物。3. タマリスクの甘い樹液。4. 岩の表面に生えるマナという地衣類で食料になる。
  9. greenwood : (夏・春の)緑の森林。緑林。英国では無法者が集まる場として連想される。
    go to the greenwood : 追放者(無法者)となる
  10. greet : 歓迎する、挨拶する、敬意を表する。応じる、対応する、接する。
    eternal : 永遠の、永久の、初めも終わりもない、無限の、不滅の、不変の。不断の、絶え間のない、果てしない、うんざりする
  11. evade : (ずるく、巧みに)逃れる、免れる、避ける、よける。うまく切り抜ける、うまく逃れる。法の網を潜る。質問をはぐらかす


 2015年のアルバム "Endless Forms Most Beautiful" より。内容はあまりよく分かりませんが、自然とともにある生活への嗜好を表しているのだろうとは思います。

Sleeping Sun

2016年07月03日

Sleeping Sun : Nightwish




The sun is sleeping quietly *1
今太陽は静かに眠りについた
Once upon a century *2
昔々のとある世紀から
Wistful oceans calm and *3
切なげな海は穏やかで
red ardent caresses laid to rest *4
赤く熱烈な愛撫により眠らされていた

For my dreams I hold my life
夢を求めて私はこの命を永らえる
For wishes I behold my night *5
希望を求めて私の夜を見守る
The truth at the end of time *6
真実は未来永劫の果てにしかなく
Losing faith makes a crime
今は失われた信義が罪を犯している

※ I wish for this night-time
私は願う。この夜が
to last for a lifetime *7
私の命尽きる時まで続くことを
The darkness around me
私を包む暗闇が
Shores of a solar sea *8
太陽に照らされた海から陸へと引き上げてくれる
Oh how I wish to go down with the sun
ああ、太陽と一緒に私も沈めたらいいのに
Sleeping
眠りながら
Weeping
泣きながら
With you ※
あなたと一緒に

Sorrow has a human heart *9
悲しみは人の心こそが持つものだから
From my god it will depart *10
悲しみは私の神性から私を引き離すだろう
I'd sail before a thousand moons
千の月が出る前に船を出そう
Never finding where to go
行くべき場所も見つからないままに

Two hundred twenty-two days of light *11
二百二十二の昼は
Will be desired by a night *12
一つの夜に求められるだろう
A moment for the poet's play
詩人が歌う時
Until there's nothing left to say
語るべき言葉がなくなるまで

[※~※]×2


備考
  1. sleeping : 眠っている、活動していない、休止している、麻痺した
  2. ※ "once upon a time" は「昔々」と訳されるが原義は「何時か分からないある時に一度(起きた出来事)」という意味らしい。これから類推すると、ここの言い回しは「何時か分からないが昔々のある世紀に(一度起きた出来事)」という感じの意味を持つのだろうと思う。
  3. wistful : 切ない気持ちの、諦めきれない、懐かしげな、深い思いを込めた。痛切な、物言いたげな
  4. ardent : 熱烈な、熱狂的な、熱心な。激烈な、猛烈な、激しい
    caress : 愛撫、抱擁、キス、やさしくたたくこと
    lay-laid-laid : {他動詞] 置く、横たえる、寝かす。打ち倒す。置く、並べる。[自動詞] 卵を産む、賭ける、全力を尽くす、専念する、~しようと目論む
    ※ここの "red" は白夜の太陽の夕焼けのような赤さを表しているのだろうか?
    rest : 休む、休息する、横になる、眠る。仕事をやめて休憩する。くつろぐ、安心する。静かにじっとしている
    lay to rest : 埋葬する、葬る、終わりにする、忘れ去る
  5. behold : 注視する、見守る、眺める、見る、理解する
  6. ※ "the end of time" は「時の終わり」、"to the end of time" は「永遠に」だから、ここは「時の終わりにある→今は存在しない」という意味だろうと思う。
  7. lifetime : 人の一生涯、生存期間。存続期間、耐用年限、寿命。
  8. shore : (人・荷・船等を)陸に上げる、陸揚げする
    solar : 太陽の、太陽に関する。(熱・光等が)太陽から生じる、太陽光を利用した。太陽の影響を受ける
  9. ※この構文は意味が分からないが、精神に人間的なものと神的なものがあるとすれば悲しみは人間固有のものであり神的なものではないと言いたいのだろうと思う。
  10. depart : 出発する、去る、立ち去る。それる、はずれる、逸脱する
  11. ※222という数は、1年のうち極夜が143日で残りの222日は太陽が現れることを表しているのだろうか?
  12. desire : 望む、願う、請う、(~することを)欲する。(~して欲しいと)頼む、願う。


 1999年のシングルCD(4曲入) "Sleeping Sun (Four Ballads of the Eclipse)" として発表。ウィキペディアによると同CDは同年8月にヨーロッパで広く観測された日蝕に捧げるものとして制作されたそうです。また、"Sleeping Sun" は、現在はその直前に発表されたアルバム "Oceanborn" にもボーナストラックとして収録されています。
 歌詞の喚起するイメージは上に書いたような「日蝕」、そして、高緯度に位置するフィンランドにふさわしい白夜と極夜が描かれており、太陽を忌避し夜を愛する心情が綴られています。具象的な映像表現としてはここまでは理解できるのですが、歌詞中の抽象的な言葉(dream, wish, truth, faith, sorrow)の指す内容はよく分かりません。また、太陽や日蝕、千の月、詩人の芝居などの暗喩が何を指しているのかもよく分かりません。これらはおそらく聞く人の感性に委ねられるような意図で作詞されているのだろうと思います。

Turn Loose The Mermaids

2015年07月18日

Turn Loose The Mermaids : Nightwish




A kite above a graveyard grey *1
薄明かりの墓地の上、凧が揚がっている
At the end of the line far far away
この世の終点のような遙か遠くの地で
A child holding on to the magic of birth and awe *2
私は誕生と畏怖の魔術にしがみついている

Oh, how beatiful it used to be
昔の美しい日々が偲ばれる
Just you and me far beyond the sea
あなたと私でこの海を越えて来た
The waters, scarce in motion
近海の水は大きく動くことなく
Quivering still
静かに揺れている

At the end of the river the sundown beams *3
川の終わりの場所で、日暮れ時の光がさしている
All the relics of a life long lived *4
すべての遺物に。長く生きた生命の残骸に
Here, weary traveller rest your wand *5
さあ、疲れた旅人よ。もう杖を置きなさい
Sleep the journey from your eyes *6
眠りなさい。これからの旅はあなたの目から始まる

Good journey, love, time to go
良い旅。愛。過ぎ行く時
I checked your teeth and warmed your toes *7
私はあなたの歯を調べ、あなたのつま先を温めた
In the horizon I see them coming for you *8
地平線に見える。あなたを迎えに来る彼らが

The mermaid grace, the forever call
人魚の優美。永遠の呼び声
Beauty in spyglass on an old man's porch *9
古びた玄関先の望遠鏡に映る美しい姿
The mermaids you turned loose brought back your tears *10
あなたが自由にした人魚たちが、あなたの涙を取り戻してくれた

At the end of the river the sundown beams
川の終わりの場所で、日暮れ時の光がさしている
All the relics of a life long lived
すべての遺物に。長く生きた生命の残骸に
Here, weary traveller rest your wand
さあ、疲れた旅人よ。もう杖を置きなさい
Sleep the journey from your eyes
眠りなさい。これからの旅はあなたの目から始まる


備考
  1. grey = gray : 灰色、薄墨色、薄明かり、薄暮
  2. hold on to : つかんで離さない、持ち続ける、しがみつく
    ※ "a child" が「神の子=人間」なのか単純に「子供」なのか分からない。また、具体的に誰を指すのかも分からなかったので、ここは想像で「自分」として意訳している。
  3. sundown : 日暮れ時、日没(時)
    beam : 光・電波等を発する、ニコニコ笑う、顔を輝かせる
  4. relic : 歴史的遺物、遺跡、遺構。過去の習慣などの遺風、なごり。残存物、残骸、遺骨、遺体。遺品、形見、記念物
  5. rest : 休ませる、休ませて元気を回復させる。置く・載せる・もたせかける
    wand :(柳のような)しなやかな細い枝。魔法使いなどの杖・棒、魔法の杖
  6. sleep : [他] (場所が人を)泊められる、~人宿泊できる。(~の時を)眠って過ごす、眠ってある状態にする
    ※ "from your eyes" がどこに掛かっているのか分からないので、ここの訳は間違っているかもしれない。
  7. ※この歌は祖父が亡くなった時の体験が元になっていると作詞者 Tuomas Holopainen が述べている。祖父が逝去する直前、祖母は最後に祖父の歯を確かめつま先を温め「良い旅を。愛する人よ。またすぐに会いましょう」と言った。(http://www.songfacts.com/detail.php?id=24774)
  8. come for : ~の目的で来る、取りに来る・迎えに来る、迫って来る・向かって来る
  9. porch : 張り出し玄関。玄関前で突き出た庇のある空間。
  10. turn loose : 抑制・を解く、自由にさせる
    bring back : 取り戻す、(持ち主に)返す、(人に)持って帰る。思い出させる


 2011年のアルバム Imaginaerum より。備考欄 *7 から推測すると、この歌は人生の終わりとそれに伴う惜別あるいは愛による結びつきなどを主題にしているように見えます。ただ題名にも使われている mermaid が何を示しているのかが分かりにくいと思います。ヨーロッパの伝説では「人魚」は航海や漁において嵐、不漁、難破などをもたらす不吉なものであると同時に、人間を惹きつけ惑わす魅力を持つ存在のようです。ここから、この歌詞では、人生における過去の失敗や後悔、挫折、苦難あるいは恋愛における裏切りや憎悪などを隠喩しているのではないかと感じました。そして、それらをすべて解放することによって安らかな旅を続けられると歌っているように思います。



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