World On Fire

2014年09月03日

World On Fire : Sarah McLachlan




Hearts are worn in these dark ages *1
この暗い時代に多くの心が擦り切れ疲れ果てている
You're not alone in these stories pages *2
この物語の中にいるのはあなただけじゃない
The light has fallen amongst the living and the dying *3
生きる者たちにも死にゆく者たちにも、等しく日は落ちてしまった
And I'll try to hold it in, yeah, I'll try to hold it in *4
私はこれを心に留めていたいと思う。心の内にしまっていようと思う

※ The world is on fire
世界は火に焼かれており
It's more than I can handle *5
それは私には扱いきれないほど大きい
I'll tap into the water *6
それでも私は水栓を開けよう
Try and bring my share *7
自分の役目を果たしたい
Try to bring more
もっと何かをもたらしたい
More than I can handle
自分が扱える以上のものを
Bring it to the table *8
何か役立つことを
Bring what I am able ※ *9
できる限りのことを

I watch the heavens but I find no calling
空を見上げる。けれども、天命は見つからない
Something I can do to change what's coming
私に何ができるだろうか。今起きようとしている事を変えるために
Stay close to me while the sky is falling
私の近くにいて。だって、天が落ちようとしているのだから
I don't wanna be left alone, don't want to be alone
私は一人にはなりたくない。一人にはされたくない

※~※

Hearts break, hearts mend, love still hurts *10
心が砕け、心が癒え、そして、愛がまた傷つける
Visions clash, planes crash
幻想が衝突する。飛行機が衝突する
Still there's talk of saving souls *11
今もなお、魂は救われるなどと言う声がある
Still the cold is closing in on us *12
今もなお、孤立は私たちに迫ろうとしているのに

We part the veil on our killer sun *13
私たちは、有害な太陽光を遮る帳を切り裂く
Stray from the straight line on this short run *14
短距離走のような短い真っ直ぐな道からも外れてしまう
The more we take the less we become
奪えば奪うほどに私たちは小さくなる
The fortune of one man means less for some
一人の富は誰かの欠乏を意味するのだから

※~※


備考
  1. wear : 身につける、着用してすり切らす・すり減らす、侵食する、疲労させる・やつれさせる
  2. not alone in ~ : ~において[主語は]独りではない、~しているのは[主語]だけではない、[主語]だけが~しているのではない
  3. amongst = among : 3つ以上のものの間で(「2つのものの間で」は between)
    ※ここで between ではなく amongst が使われているのは単に音節上の都合なのかもしれないが、仮にそうであっても living と dying は複数の生と死を意味するのだろうと思いこのように意訳したが、間違っているかもしれない。
  4. hold in : 感情などを抑制する、隠す、閉じ込める、記憶に留める、支える・保持する、拘束する
    ※ hold it in は「この悲しみを忘れてはならない」または「この怒りを外に出してはならない」だろうと思い、ここでは両義を込めて曖昧に訳したが、いずれも間違っているかもしれない。
  5. handle : 手を触れる、手で扱う・いじる、事を処理する、人・問題を扱う、あしらう、統御・操縦する、操る
  6. tap : 飲み口を開けて液体を出す、栓を抜く、刻み目をつけて樹液を出す、せきを切る
    tap into : 入り込む、活用する、開発する、人に取り入る・近づく
    ※ここでは上の fire からの連想で「火を消すための水を出す」というニュアンスだろうと思ったが、"tap off" ではなく "tap into" なので間違っているかもしれない。
  7. bring : 持って来る、連れて来る、もたらす、来させる
  8. bring to the table : 食卓に持ち込む→有益なものを提供する
  9. ※ここは Bring what I am able to do で、bring を指す to do が省略されているのではないだろうか。
  10. ※ここは動詞を自動詞ととるか他動詞ととるかで意味合いが微妙に変わるが、ここでは、自分の感覚に合うように意訳している。
  11. talk : 世評、噂
    There's talk of ~ : ~という話だ、~の噂がある
  12. cold : 寒さ、寒気、冷気、風邪、孤立、無視
    close in : 接近する、押し寄せる、包囲する、迫る
  13. part : ばらばらにする、壊す、割る、裂く、切る、分割する、分ける
    ※この一行は、紫外線を吸収して生態系を保護するオゾン層をフロン等の化学物質の放出により人間が破壊していることを指し、そしてそれは、人間を殺すのは私たち人間であるという隠喩ではないだろうか。
  14. stray : 道からそれる、道に迷う、群れからはぐれる
    ※ run は「走ること、逃走、競争、走る行程、走行」だが、ここでは「短い一生」も示唆するように見える。


 2003年のアルバム Afterglow より。サラ・マクラクランはこの歌を2001年の米同時多発テロに対する "response(応答・反応・返答・感応)" として作ったと各所で語っているそうです(http://www.songfacts.com/detail.php?id=4010)。
 また、通常プロモーションビデオを一本制作するのに15万ドルかかる(本当かなと思えるほど高額ですが)そうなのですが、冒頭の動画は15ドルで制作し、残りの予算約15万ドルを複数の基金などに寄付したそうです。動画の中では、例えばロサンゼルスで制作アシスタントを一人雇うのに一日200ドルかかるがエチオピアでは同じ金額で100人の子供が一学期学校に通える、一日分の化粧と整髪の料金5000ドルでアフガニスタンでは145人の少女が一年間学校に通える、といったことを説明しています。
 私は欧米でよく見られる慈善行為をあまり好きではありません。最近流行っているバケツの氷水をかぶる映像などは見ていて吐き気を催します。ただ、この動画に関しては私たちが知っておくべき事柄を分かりやすく伝えるのに有効な役割を果たしていると思います。そして、"World On Fire" も、深く考えて作られた美しい歌詞だと思います。

Silence

2014年08月28日

Silence : Delerium ft. Sarah McLachlan




Give me release, witness me *1
解放して。見守って
I am outside, give me peace *2
私は外にいる。私に平安を与えて

Heaven holds a sense of wonder, and I wanted to believe
天国は不可思議な感覚に満ちている。私は信じたかった
That I'd get caught up when the rage in me subsides *3
無我夢中になれれば私の中の怒りも静まるだろうにと

Passion chokes the flower, till she cries no more *4
強い愛着は花を枯らす。そして、花は二度と泣かなくなる
Possessing all the beauty, hungry still for more
すべての美を手に入れて、なおも空腹はおさまらない

Heaven holds a sense of wonder, and I wanted to believe
天国は不可思議な感覚に満ちている。私は信じたかった
That I'd get caught up when the rage in me subsides
無我夢中になれれば私の中の怒りも静まるだろうにと

I can't help this longing comfort me *5
抑えられない。私を慰めるこの切望を
I can't hold it all in, if you won't let me *6
すべてを閉じ込めてはおけない。あなたがそうさせたいとしても

Heaven holds a sense of wonder, and I wanted to believe
天国は不可思議な感覚に満ちている。私は信じたかった
That I'd get caught up when the rage in me subsides
無我夢中になれれば私の中の怒りも静まるだろうにと

In this white wave I am sinking, in this silence
この白い波の中、私は沈んでいく。この沈黙の中
In this white wave, In this silence, I believe
この白い波の中、この沈黙の中、私は信じる

I have seen you in this white wave you are silent
この白い波の中、かつて私はあなたと会った。今、あなたは沈黙している
You are breathing, in this white wave I am free
あなたは息をしている。この白い波の中、私は自由だ

I am free
私は自由だ


備考
  1. release : 解放、釈放、免除、救出、退院、解除、公開、公表
  2. outside : [ここでは副詞] 外側へ、屋外で ※この outside で何を暗喩させたいのかよく分からない。
  3. get caught up in : 捕らわれる、巻き込まれる、夢中になる、忙殺される
    get caught up in anger : 怒りに駆られる
    subside : 静まる、おさまる、腫れ・熱が引く
    ※前行からの "I wanted to believe that I'd …" の構文が分からない(特に最後の subsides が何故現在形なのか不明)ので、この2行は推測で訳した。
  4. passion : 強い情念、激情、熱情、愛情、恋慕、愛着、熱中、感情の爆発、キリストの受難(語源として、受難→十字架の苦しみ→強い感情)
    choke : 人・動物を窒息させる、窒息させて殺す、ふさぐ、詰まらす、植物を枯らす・成長を妨げる
  5. can't help : やめ(させる)ことができない、しかたがない、持ちこたえることができない、~せざるを得ない、どうしようもない
    comfort : 慰める、なだめる、元気づける、励ます、ほっとさせる
  6. hold in : 馬等を押さえる・御する、感情を抑える・我慢する・自制する


 Delerium の1997年のアルバム Karma より。冒頭の音源はオランダのDJ Tiësto による2000年のリミックスです。
 歌詞のほとんどが詩的な比喩表現なので英語の解読自体に自信が持てません。その結果、歌詞の趣旨もはっきりとは私には分かりません。songmeanings.com では、薬物やセックスの陶酔を連想するという感想がとても多く、他には、大切な人の喪失・死に対する痛みを連想するという感想がいくつか見られました。聞く人の自由な解釈を許すよう曖昧な表現に抑えているのでしょうが、アルバム収録のオリジナルバージョンではグレゴリオ聖歌を採り入れた静かで荘厳な感じのする音楽となっているので、作詞者の本来の意図は後者の方が近いのではないかと思います。

  

Fallen

2014年07月29日

Fallen : Sarah Mclachlan




Heaven bend to take my hand *1
神よ。屈んで私の手を取って
And lead me through the fire
導いて下さい。この火を抜けられるように
Be the long awaited answer *2
待ちに待った答えとなって下さい
To a long and painful fight
長く痛ましい戦いに対する答えに

Truth be told I've tried my best *3
真実よ。教えて。私は全力を尽くした
But somewhere along the way
でも、道の途中で
I got caught up in all there was to offer *4
申し出のすべてにのめり込んだあげく
And the cost was so much more than I could bear
その代償は私が耐えられる負担を遥かに越えていた

Though I've tried, I've fallen...
努力したけれど、私は落ちてしまった
I have sunk so low
とても深く沈んだ
I've messed up *5
しくじってばかり
Better I should know
分かっていなくちゃいけないのに
So don't come round here
だから、もうここには来ないで
And tell me I told you so... *6
そして、言わないで。「そら見たことか」と

We all begin with good intent
初めはみな善意をもってる
Love was raw and young *7
愛は未熟で若かった
We believed that we could change ourselves
私たちは信じていた。自分を変えられると
The past could be undone *8
過去を取り消して元に戻せると

But we carry on our backs the burden
でも私たちは重荷を背負っている
Time always reveals
時がいつも明かしてくれる
In the lonely light of morning
朝の孤独な光の中にあるのは
In the wound that would not heal
癒されることのない傷の中にあるのは
It's the bitter taste of losing everything
すべてを失くしたことの苦い味
That I've held so dear *9
ずっと大切にしてきた愛しいものすべてを

I've fallen...
私は落ちた
I have sunk so low
深く沈んだ
I've messed up
滅茶苦茶になった
Better I should know
分かっているべきなのに
So don't come round here
だから、ここには来ないで
And tell me I told you so...
そして、言わないで。「そら見たことか」と

Heaven bend to take my hand
神よ。屈んで私の手を取って
Nowhere left to turn
折り返す場所はもう残されていない
I'm lost to those I thought were friends *10
私はもう失われた存在。私が友と思っていた人たちにとって
To everyone I know
私の知るすべての人たちにとって
Oh they turn their heads embarrassed *11
ああ、みんな困った顔をして向こうを向く
Pretend that they don't see
見えないふりをする
But it's one missed step
ただ一歩を間違えただけ
One slip before you know it *12
気が付かぬ間にただ一歩踏み外しただけ
And there doesn't seem a way to be redeemed *13
なのに、それを埋め合わせる道はなさそうに見える

Though I've tried, I've fallen...
努力したけれど、私は落ちてしまった
I have sunk so low
とても深く沈んだ
I've messed up
混乱して落ち込んだ
Better I should know
分かっているはずなのに
So don't come round here
だから、もうここには来ないで
And tell me I told you so...
そして、言わないで。「そら見たことか」と


備考
  1. heaven : 天国、楽園、神、神意、天
    bend : 曲がる、たわむ、屈服する、方向が変わる
  2. await : 待つ、待ち受ける、待望する、待ち構える
  3. ※ここは Truth. Be told. と受動態の命令形で直訳すると「真実よ。(私に)伝えられよ」ではないかと思うが正確には不明。
  4. be caught up in : 巻き込まれる、熱中する、没頭する、~ばかりに気を取られている
    That's all there is to it. : ただそれだけのことだ。ごく簡単だ。どうってことない。
    know all there is to know about ~ : ~について何でも知っている、知るべきことはすべて知っている
    offer : 申し出る、売る(買う)と申し出る、提供する、差し出す、提案する
  5. mess : 乱雑にする、汚らしくする、台無しにする、滅茶々々にする
    mess up : しくじる、失敗する、台無しにする、めちゃくちゃにする
    be messed up : がっくり落ち込んでいる
  6. I told you so. : だから言ったのに。言った通りだろう。それ見たことか
    ※ここは and tell me,"I told you so." という直接話法だろうと判断した。また、同じく文脈から、前行の don't がここの tell me にもかかっていると解して訳したが、これが正解かどうかは自信がない。逆に「『ほら、言った通りだろ』と言って」と自虐的に解していいのかもしれない。
  7. raw : 料理していない、生の、未加工の、未熟な、むき出しの、洗練されていない
  8. undo : ボタンをはずす、服を脱ぐ、戸を開ける、結び目をほどく、元に戻す、元通りにする、取り除く、取り消す、抹消する、コンピュータで直前の操作を取り消して元に戻す
  9. hold dear : 好き、惜しむ、可愛がる、大切にする
  10. be lost to … : もはや…のものではない、…から取り去られている、拒否されている、…にはもはやあり得ない(得られない)、…に無感覚である・感じられない
  11. turn one's head は away 等が付いていなければ「向こうを・あっちを」という意味はないが、従来と態度・心情・行為の方向を変えるという含意はあるので、「自分は彼らから顔を背けられる」というように意訳した。
    embarrass : 狼狽させる、困惑・当惑させる、まごつかせる
  12. before you know it : いつの間にか、気が付かないうちに、そのうちに、あっという間に
  13. there seems (to be) : (存在するように)思われる、見える
    redeem : 過失・欠点を償う、埋め合わせる、救う。名誉・権利・地位などを努力して回復・挽回する


 サラ・マクラクランは1968年、カナダ出身のシンガーソングライター。この歌は2003年のアルバム Afterglow に収録されています。
 fall は日本語に訳しにくい言葉だと思います。辞書には「落ちる、転ぶ、倒れる、下がる、堕落する、ある状態に陥る」などの訳語が当てられています。日本語としては「堕ちる」という書き方が英語に近い感覚かもしれません。



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