Misfit : High Dive Heart

2017年10月18日




I see you crying, crying like you can't take no more *1
泣いてるんだね。もう我慢の限界なんだね
I know you're hiding
隠れようとしてるのも知ってるよ
but I don't know what you're hiding for
でも分からない。どうして隠れようとしてるの?
You're like a diamond shining underneath a billion rocks
君はダイヤモンドみたいに輝いてるんだよ。たくさんの石に埋もれてるけど

One of a kind, that don't mean that you're all alone *2
唯一無比であること。それは、君が孤独だという意味じゃないんだ
Not even trying, but damn I think it's beautiful *3
試すまでも無い。絶対だよ。僕は "唯一無比" は美しいと思う
been looking for another like ya
君はずっと "別の違う自分" を探し求めてきたんだろ
but they're out of stock *4
でもね。そんな在庫はないんだよ。手に入らないのさ

※ Don't quit doing what you're doing
今やってることをやめちゃだめだよ
cause you're different
人と違う、変わってるからという理由でね
I know people say that you're a misfit *5
知ってるよ。みんなが君を "はみだし者" と言ってるのは
but that's the thing I like about you ※
でも、君のそんな所こそを僕は好きなんだよ
Don't listen to all the crazy shit that they've been spittin' *6
聞く必要はないんだ。みんなが唾を吐くように言ってきたたわごとなんて
You know better than to try to fit in *7
君だって分かってるだろ。みんなに合わせるなんて馬鹿馬鹿しいことだって
That's the thing I like about you
今のままの君が僕は好きなんだよ
Don't listen to the lie lie
嘘偽りに耳を貸すなよ
lie lie lie lie lie lie lie lie lie lie
lie lie lie lie lie lie lie lie lie lie
みんなが言うのは、嘘、偽りだよ
That's the thing I like about you ※
だって、僕は君のそういう所が好きなんだから

You're from the future, a futuristic fantasy
君は未来から来たんだ。未来の空想の世界から
That style you're rockin' is from another galaxy *8
そのスタイル、きまってるよ。銀河系の外から来たみたいだ
Everybody's secretly wishing that they could be like you
隠してるけどみんなだって本当は君みたいになりたいんだ
You're like an alien, pick you out of a crowd inside a stadium *9
君は異星人みたい。スタジアムの群衆の中でもすぐ見つけられるよ
Ain't nobody else walkin' to the beat you drum *10
他の誰もが君のドラムに合わせて歩かないとしても
except for me I'm following you
僕は違うよ。僕は君について行くよ

※~※

Stones and sticks and bullets from lips *11
石や棒、銃弾がたくさんの唇から放たれる
no they ain’t ever taking us out *12
無駄だ。誰も僕たちを除け者になんかできない
Stones and sticks and bullets from lips
no they ain’t ever taking us out

※~※
That's the thing I like about you
今のままの君を僕は好きなんだよ


備考
  1. can't take it anymore : 我慢できない、もう限界だ
  2. one of a kind : ユニークなもの、独自のもの、比類の無いもの
  3. not even trying : やってみようともしない、試しもしない
  4. out of stock : 在庫が無い、手持ちが無い、品切れ
  5. misfit : (衣装等が)うまく合わない、ぴったりしない。はみだし者、環境に合わない者、不適格者、不適合者。
  6. shit = thing
  7. know better than to do : ~しない方が良いと分かっている、~するほど馬鹿ではない、~しないだけの分別がある
  8. rock : 衣服を自分に合うように着こなす、きめる。~のこなし方が上手い
  9. pick out : 選び出す、拾い上げる、選抜する、掘り出す、見つけ出す、見分ける
  10. ain't = is not, am not, are not
    ※ "Ain't nobody" の二重否定は、文脈から「肯定」ではなく「否定の強調」だろうと思う。
  11. Sticks and stones may break my bones but words will never hurt me. : [諺] 棒や石は私の骨を折るかもしれないが、言葉では私は傷つかない。→言いたい奴には言わせておけばいい。この歌と同じくいじめや差別と闘う歌、Sia の "Titanium" でも使わている。
  12. take out : 不要な物を取り除く、排除する。抜き取る、取り外す。人をやっつける、抹殺する。取り出す、持ち出す、テイクアウトする(持ち帰る)


 High Dive Heart はアメリカのシンガーソングライター Jason Reeves(1984年テキサス州生まれ)とカントリー歌手 Nelly Joy(本名 Danelle Leverett, 1983年テキサス州生まれ)のデュオによるユニット名です。
 この歌は "いじめ" をなくそうとする活動 "The Bully Project" と提携し "いじめ反対ソング" として2016年に発表したものです。こういういわゆる "健全な" 歌は個人的にあまり好みではないのですが、曲が格好いいので記事として掲載したくなってしまいました。訳し終えてふと歌詞の内容がシンディ・ローパーの "トゥルー・カラーズ" という歌と似ていることに気づきました。
 この歌は下の動画で知りました。動画の詳細については、次の括弧内のサイトに詳しい日本語の解説があります。彼女の掲げる言葉も全文和訳されているので、興味のある方は是非ご覧下さい。(http://secretbox.life/archives/1374

 

Sedated : Hozier

2017年05月14日




Just a little rush, babe *1
快感なんてほんの少しなんだよ
To feel dizzy, to derail the mind of me *2
その後には眩暈のような混乱と理性の逸脱
Just a little hush, babe *3
静寂なんてほんの少しなんだよ
Our veins are busy but my heart's in atrophy *4
血管はせわしなく働き、心臓は消耗し衰える
Any way to distract and sedate *5
気を紛らわし気を静めるどんな方法も
Adding shadows to the walls of the cave *6
洞窟の壁に新たな影を加えるだけなんだ

※ You and I nursing on a poison that never stung *7
君と僕は毒の乳を飲んできた。それは苦痛をもたらすものではないが
Our teeth and lungs are lined with the scum of it *8
僕たちの歯と肺の内側は、毒の浮きかすで被われている
Somewhere for this, death and guns
この行き着く先は、銃による死
We are deaf, we are numb *9
僕たちは耳が聴こえず、感覚は麻痺している
Free and young and we can feel none of it ※
自由と若さ。そのいずれも感じることができない

Something isn't right, babe
何かが間違ってるんだよ
I keep catching little words but the meaning's thin *10
僕はわずかな言葉をつかまえている。けれども、その意味は乏しい
I'm somewhere outside my life, babe
どこか本当の自分の生命の外側にいるみたいだ
I keep scratching but somehow I can't get in
この境界を爪で引っかいているのに、どうしても中に入れない
So we're slaves to any semblance of touch *11
僕たちは "うわべだけの触れ合い", "見せかけの感触" の奴隷なんだ
Lord we should quit but we love it too much *12
ああ、もうやめたいのに。僕たちはそれが好きでたまらない

☆ Sedated we're nursing on a poison that never stung
鎮静剤を打たれてる。僕たちが飲んでいる乳は苦痛をもたらさないが
Our teeth and lungs are lined with the scum of it
歯と肺の内側は毒の浮きかすで被われている
Somewhere for this, death and guns
この行き着く先は、銃による死
We are deaf, we are numb
僕たちは耳が聴こえず、感覚は麻痺している
Free and young and we can feel none of it ☆
自由と若さ。そのいずれも感じることができない

Darlin', don't you, stand there watching, won't you *13
お願いだ。ここにいてくれないか。見守っていてくれないか
Come and save me from it
ここに来て助けてくれ
Darlin', don't you, join in, you're supposed to *14
お願いだ。協力してくれないか。いや、してくれるだろう?
Drag me away from it *15
僕を "それ" から引き離してくれ

Any way to distract and sedate
気を紛らわし気を静めるどんな方法も
Adding shadows to the walls of the cave
洞窟の壁に新たな影を加えるだけなんだ

※~※

☆~☆


備考
  1. rush : (人や群衆の)突進、殺到。(感情の)ほとばしり、奔出。忙しいこと、急ぐこと。襲撃、猛攻。(麻薬等による突然の)快感、恍惚感。
  2. dizzy : 目が回る。頭がくらくらする、混乱した、当惑した。目が眩むような、目まぐるしい。そわそわした、すぐに気が散る。愚かな、馬鹿げた
    derail : 脱線する、脱線させる、狂わせる、頓挫させる
    ※ "to dizzy, to derail" の to は、不定詞の「~すること、~すべき、~するために」等の「目的」よりは、前置詞的な「結果」や「方向 →」すなわち「rush の後に dizzy, derail が来る」という意味合いが強いように思う。そもそも、不定詞の副詞的用法「~するために…する」は「…する結果~となる」、名詞的用法「~するための…」は「…は結果として~をもたらす」と訳しても意味は変わらないのだろうと思う。ただ、これは感覚的な読解なので、文法的に間違っているかもしれない。
  3. hush : (騒動の後の)静けさ、静寂。歯擦音
  4. atrophy : (栄養不良等による)消耗症、萎縮。(機能の)退化、衰え。(道義心等の)衰退、衰微
  5. distract : 気を散らす、心をかき乱す(紛らす・迷わす)、気持ちを動転させる、取り乱させる。楽しませる、気晴らしをさせる
    sedate : (薬で)鎮静させる
  6. ※この一文はプラトンの『国家』にある「洞窟の寓話」を連想させる。そこでは、私たち人間が認識している事物は、あたかも洞窟の中の火に照らされた物体の「影」に過ぎず、そして私たちの世界ではその「影」こそが実体であるとの常識がまかり通っている。人間が真実に近づくためには、その「常識」を覆す困難を押して、火に照らされた物自体を見ること、ひいては洞窟を出て太陽の光に照らされた世界を見ることが必要だとされる。
  7. nurse : [自動詞] (赤ん坊が)乳を飲む。授乳する。看護師として働く、看病・看護する
    sting-stang-stung : 刺す、痛みを感じさせる、痛ませる。苦しませる、とがめる、心を傷つける、責めさいなむ、刺激して~させる
  8. line with : (衣服・鞄等に)裏を付ける、裏打ちする、内側を~でおおう。(財布・ポケット・胃等に)詰め込む、~で満たす
    scum : (沸騰・発酵で液体表面にできる)浮きかす、あく、あぶく。くず、かす。つまらない奴、人間のくず。精液
  9. deaf : 聴覚障害の、耳が聞こえない、耳が遠い。聞こうとしない、耳を傾けない、無頓着な
    numb : 麻痺している、しびれた、感覚を失った。感情が無感覚になった、茫然とした
  10. thin : 薄い、厚みのない。細い、細長い、やせこけた。まばらな、散在した。(液体・気体が)希薄な、こくのない。実質・内容のない、空疎な、浅薄な、貧弱な。
  11. semblance of ~ : ~の外見、うわべ、見せ掛け、装い。~に似たもの、~のようなもの、~の類似
    touch : 触れること、接触、医師の触診。手触り、肌触り、触感。
  12. quit : やめる、よす、辞職する。立ち退く。断念する、敗北を認める
  13. ※ "Don't you stand there." という命令形であれば「そこに立つな」という禁止を表すが、ここでは歌い方が "don't you?" という疑問形であり後の "won't you?" と併せると「依頼や懇願」を表しているのだろうと思う。
  14. join : 接合する、留める、取り付ける。手などをつなぐ、協力する。合流する、一緒になる、合体する。(with ~, in ~ で)力等を~と合わす。参加する、加入する、加わる
    be supposed to do : ~することになっている、~するはずだ、~しなければならない、本来なら~するはずだ。※規則・法律等によるもの、約束等で行動が期待されているもの、一般に信じられているものなどの幅広いニュアンスが込められる。この歌詞の場合はおそらく歌い手の you に対する「期待」なのだろう。
  15. drag : 引きずる、引っ張る。重い足を引きずって歩く。(人を意志に反する状況・行動に)引きずり込む、(人を会合などに)引っ張り出す


 2014年のデビューアルバム Hozier より。主題は薬物依存からの脱却なのでしょうが、よく分からない部分がいくつかあります。
 一つは、*13 から4行で「助けてくれ」と頼んでいる相手の you が、*7 の「君と僕」の you とは別人のように思えることです。この「君」は「僕」と同様に薬物に依存しているのですから、その「君」に「助けてくれ」と頼むのは不自然だからです。しかし、もし別人だと *13 の you が何者なのかが不明です。いわゆる "神" に値するような存在なのかとも思ったのですが、神に対して "Darling" という呼びかけはさすがにしないと思われ、今の所これに関しては結論が出ません。
 もう一つは、*6 の「洞窟」の隠喩です。ただ単に歌詞を高尚に見せたい為にプラトンの寓話を持ち出したのであればつまらない歌詞だとも言えますが、もしかしたら、彼は薬物の使用を精神や感覚を高め高次の意識を手に入れる一手段と考えているのかもしれません。もしそうだとすると、この歌詞はマドンナの "Devil Pray" という歌と共通する趣旨があるのかもしれません。


 <関連記事>
  ☆ Devil Pray : Madonna

Foreigner's God

2016年10月06日

Foreigner's God : Hozier




She moved with shameless wonder *1
彼女は感嘆に価するほどの恥知らずなふるまいをした
The perfect creature rarely seen *2
こんな完璧な被造物はごく稀にしか見られない
Since some liar brought the thunder *3
とある嘘つきが雷のような怒号をもたらして以来
When the land was godless and free *4
この地は神のいない自由な地となった

Her eyes look sharp and steady *5
彼女の鋭く確固とした視線が
Into the empty parts of me
私の中の虚ろな部分に注がれる
But still my heart is heavy *6
だが、私の心は今もなお重苦しく陰鬱だ
With the hate of some other man's beliefs *7
ある者たちの信仰がはらむ憎悪のために

Always a well dressed fraud *8
いつだって詐欺師は良い身なりをしている
Who wouldn't spare the rod *9
そして、常に鞭を惜しむことがない
Never for me
私に対しては

Screaming the name of a foreigner's God *10
異国の神の名を叫ぶその声は
The purest expression of grief *11
悲痛な心の純粋な表れ

Wondering who I'll copy *12
私は、誰に倣おうか惑いながら
Mustering some tender charm *13
わずかばかりの優しい魅力をかき集める
She feels no control of her body
彼女は自分の体を抑えられないと感じている
She feels no safety in my arms
彼女は私の腕の中では安らげないと感じている

I've no language left to say it *14
私には、それについて言うべき言葉はもうない
But all I do is quake to her *15
だが、私の行為はすべて彼女をおののかせる
Breaking if I try convey it *16
私がそれを伝えようとすれば壊れてしまいそうだ
The broken love I make to her *17
私は彼女に壊れた愛をもたらす

All that I've been taught
私が教えられてきたものはすべて
And every word I've got
私の持つ言葉はどれも
Is foreign to me *18
異国のもののように馴染めない

Screaming the name of a foreigner's God
異国の神の名を叫ぶその声は
The purest expression of grief
悲痛な心の純粋な表れ


備考
  1. shameless : 恥知らずな、慎みのない、厚かましい、破廉恥な
    wonder : 不思議な(驚くべき)物・事・人、驚嘆・感嘆を引き起こすもの、奇跡。驚き、感嘆の念。
  2. creature : (人間以外の)動物、生物、人間、創造された物、神の創造物、不快な(恐ろしい)生き物
    ※ "creature" は意味の幅が広く使用者によって異なった意味を持たせられる。
  3. liar : 常習的な嘘つき
    thunder : 雷、雷鳴、落雷。雷のような(鳴り響く)音・声。威嚇、激しい非難、弾劾、怒号、熱弁。
  4. when : 非制限用法の関係副詞。そしてそれから、~するとその時、~したとたんに。"and" の意味が多いが、"but" や "for" などの意味でも用いられる。
  5. sharp : 鋭い、よく切れる、とがった。(勾配やカーブが)急な、険しい。(鼻・顔立ち・像などが)線の鋭い・輪郭のはっきりした。(感情・言葉等が)厳しい・烈しい。頭が切れる、すきのない
    steady : 固定された、安定した、ぐらつかない。むらのない、規則的な、不変の、絶え間ない、いつもの。(精神が)動揺しない、落ち着いた、確固とした、びくともしない
  6. heavy : 元気のない、沈んだ、悲しげな、陰鬱な。耐え難い、辛い、苛酷な。
  7. hate : 激しい嫌悪、憎しみ、憎悪
  8. well-dressed : 立派な服を着た、身なりの良い、身なりのきちんとした
    fraud : 詐欺、欺瞞、ぺてん、裏切り。まやかし物、詐欺師、ぺてん師。詐欺行為、不正手段。仮装。不正直、ずるさ、不実
  9. spare : ~を無しで済ます、予備としてとっておく。使い惜しみする、倹約する、控える。
    rod : 棒、棹。鞭。
    Spare the rod and spoil the child. : [諺] 鞭を惜しめば子供が駄目になる。可愛い子には旅をさせよ。元は旧約聖書『箴言』13章24節「むちを控える者はその子を憎む者である。子を愛する者はつとめてこれを懲らしめる」
  10. foreigner : よそ者、外国人。異質なもの、見慣れないもの、なじめないものという意味合いがある。
  11. pure : 不純物のない、純粋な。混ぜ物のない、単一の、同質の。傷のない、きれいな、清潔な、しみのない。潔白な、純真な、罪のない。肉体的に汚れのない、純潔な
    expression : 表現、表出、表示。発現、言葉、言い回し。表れ、表情、声の調子
    grief : 深い苦悩、深い悲しみ、嘆き、悲痛、悲嘆
  12. copy : (言葉等を)写す、書き写す。(絵・章句等を)複写・模写する。(人・長所等を)まねる
  13. muster : (勇気・精力等を)奮い起こす、(熱意・支持等を)寄せ集める。(軍隊・乗組員等を)集合させる、呼び集める、召集する
    charm : 魅力、魔力、(女性の)容色・色香・愛嬌。お守り、魔除け、呪文、まじない。
  14. language : 国語、個別言語。(一般に)言語、言葉。伝達記号体系、記号言語。(音声・文字によらない)言葉、身ぶり・鳴き声等による伝達手段。言葉づかい、言い方、文体
  15. quake : 地震。震え、おののき、震動、揺れ
  16. convey : 運ぶ、搬送・運送する。伝達する、伝える、告げる。譲渡する
  17. make love to ~ : ~と性交する。~といちゃつく、抱擁する、接吻する。~に言い寄る、~をくどく
  18. foreign : 外国の、他国の、外国から来た、外国産の。異質の、外から侵入した
    foreign to ~ : 無関係の、無縁の、合わない、なじまない、見慣れない、耳慣れない、なじみのない


 2014年のデビューアルバム "Hozier" より。
 詩的な隠喩に満ちた歌詞で意味の分からないところが多いため、自分なりの解釈を込めた意訳はしませんでした。そのため、ほぼ直訳の分かりにくい訳文になってしまいました。表面的には、自由な価値観を持つ「彼女」は「私」の恋人であり、「私」をとりまく排他的な文化や価値感が二人の関係を阻害しているという趣旨ではないかと想像しています。その価値観とは具体的に言えば性愛を人間の原罪とみなすキリスト教思想、とくにアイルランド人であるホウジァの場合はローマカトリック教会の思想を指しているのでしょう。
 そして、歌詞中の「彼女」は異教(pagan) の女神を隠喩するようにも思え、歌詞全体を、キリスト教文化圏に住みながら異教に憧れる主人公の嘆きや疎外感として解釈することもできそうです。その場合、彼女と関係を持つことは異教の思想に共鳴することを意味します。"foreign" に「合わない、無縁の、なじめない」という意味があることから、曲名の "Foreigner's God" はユダヤ・キリスト・イスラム共通の唯一神を指しているように見えますが、「異国の神の名を叫ぶその声は悲痛な心の純粋な表れ」という歌詞からは肯定すべき「異国の神=異教の神」と解釈した方がいいような気もします。
 *3 の「とある嘘つき」や「雷鳴」など分からない隠喩が散見するので細部の解釈がし切れませんが、キリスト教思想に対する違和感や嫌悪感がこの歌詞の主題だろうとは思います。


 <関連記事>
   ☆ Take Me To Church : Hozier



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