Elation

2016年11月27日

Elation : The Levellers *1




Oh, there was once a man who had lost his own smile
昔ある所に笑顔をなくしてしまった男がいた
And he wandered the country mile after mile *2
男は国じゅうを果てしなく彷徨ったが
Never quite knowing what he wanted to find *3
自分が何を見つけたいのかよく分からないままだった
For his heart, it lay heavy with the weight of his mind *4
男の心に対して、その「何か」が精神の重荷として圧し掛かっていた

And he looked at the land through the tears in his eyes *5
男は目に浮かぶ涙を通してこの国を見つめた
For he knew that there were those who would will her to die *6
ここには、彼女を死なせようとしたがる者たちがいるのを知ったからだ
And he wept for his mother as he lay at her feet
母のために泣いた。彼女の足元に横たわりながら
And he heard a voice singing him softly to sleep
声が聞こえた。彼を眠らせようとやさしく歌っていた

※ I'll be your queen, I'll be your mother, I'll be your mystical child *7
あなたの女王になりましょう。母になりましょう。霊的な子供になりましょう
Be your best friend, your lover, your wife for all time
いちばんの親友になりましょう。恋人になりましょう。生涯の妻になりましょう
Will there ever be another, in this life of mine *8
いつか違う生き方ができるだろうか。この私の人生で
Will there ever be another, like my mystical child ※
いつか変われるだろうか。私の霊的な子供のように

So he climbed a high hill and he looked out to sea
だから、男は小高い丘に登り、海を見渡した
And he heard a voice calling out softly to him
すると、彼に呼びかけるやさしい声が聞こえた
Open your heart, boy, for it needs to be free
心を開きなさい。自由になることを望むのならば
And the next time you're crying come running to me
そして、次にまた泣くような事があったなら、私の元に戻って来なさい

※~※

So he walked through the valleys, the trees and the fields
だから、男は谷を歩いた。林を歩いた。田園を歩いた
And he came to a river where she waited for him
そして、ある川にたどり着くと、そこに彼女が待っていた
And they looked at the water of life flowing by
二人で水を見つめた。人生のように流れ行く水を
And he heard a voice saying, you're not alone in the fight
そして、男には声が聞こえた。この闘いの中であなたは決して一人じゃない

※~※

Will there ever be another, like my mystical child
いつか変われるだろうか。私の霊的な子供のように


備考
  1. elation : 上機嫌、意気揚々、高揚感、意気盛ん、大得意
  2. ~ after ~ : ~の次も~、毎~。"time after time 何度も何度も", "day after day 来る日も来る日も、毎日"
  3. quite : 完全に、すっかり、まったく。実に、並はずれて。かなり、相当に ※ "not quite" は「部分否定」
  4. heart : 心臓、胸、心、胸の内、本心、情愛、元気・勇気
    mind : 心、精神、理性、正常な心、知性、考え方
    lie-lay-lain : 横たわる、もたれる。埋葬されている。(水平に)置かれている。(~の状態に)ある・置かれている、~のままである。重くのしかかる。
    ※「圧し掛かる」の "lie" は、この一行のような文の場合、"It lay heavy on his heart with the weight of his mind" と前置詞に "on" を使って「彼の心に圧し掛かっていた」とするのが普通だろうと思う。この歌詞では "for his heart" となっているので、この一行の訳文は間違っているかもしれない。
  5. ※ "land" は「陸地、土地、土壌、地所、地域・地方、領域、国・国土」と幅広い意味を持つが、ここではおそらく主人公が住む地域全体ひいては国全体、あるいは人間の住む世界全体と想像できる。
  6. will : [動詞] 望む、欲する、意図する。~を意志の力で成し遂げる。意志で決める、決意する
    will A to do : Aに~すると決心させる。Aに意志の力で~させようとする。(何とかして)Aに~させようとする
  7. mystical : 秘儀の、神秘主義の、霊的象徴の、神秘的な、魔術の、秘法の。曖昧な、不可思議な、謎の。霊感の、神のお告げによる。超常的な、超自然的な
    ※ "mystical child" はおそらく自然や地球、人智を超えた存在としての自然環境などをいみするのだろうと思う。ただし、適切な訳語を思いつかなかったので直訳している。
  8. another : もう一つの。違った、異なった、別の。~にそっくりの、匹敵する。


 1997年のアルバム "Mouth to Mouth" より。
 備考 *6 に唐突に現れる "her" は、おそらく "mother nature" をイメージしているのだろうと思います。*8 の "Will there ever be another, in this life of mine" は直訳すると「未来のいつかには、他のもの、今とは違うものが存在するようになるのだろうか。この私の人生において」となるのでしょう。全体の文脈からすると、人間たちが自然環境を破壊することなく、もっと違うやり方で共存する道を見出せるだろうかという問いなのだと思います。そして、ここで "life of mine" と「私たち」ではなく「私」という一人称を選んでいる所に自分の意見を表明する際のこの作詞者の流儀や矜持、あるいは自立的な思想を感じます。
 曲名の "elation" が何を意図しているのかはよく分かりません。何となく万物の霊長としての自覚を持つ人間一般を皮肉っているように思いますが、作詞者が自己を指しているようにも思えて、確信が持てません。下の賛美歌で使われているような意味合いで、神による天地創造をイメージしているものなのかもしれません。


Morning Has Broken : Orla Fallon




Morning has broken, like the first morning
朝が訪れた。最初の朝と同じように
Blackbird has spoken, like the first bird
黒いツグミが美しく鳴いた。最初の鳥と同じように
Praise for the singing, praise for the morning
この歌を讃えよう。この朝を讃えよう
Praise for the springing fresh from the word
讃えよう。神の言葉から生まれたこの朝の時間を

Sweet the rain's new fall, sunlit from heaven
降ったばかりの雨の滴を天の光が喜ばせる
Like the first dewfall, on the first grass
最初の霧の滴が、最初の草の葉につくのと同じように
Praise for the sweetness of the wet garden
讃えよう。濡れた庭園の美しさを
Sprung in completeness where his feet pass
主が通られた所に完璧に生じたものたちを

Mine is the sunlight, mine is the morning
この日の光は私のもの。この朝は私のもの
Born of the one light, Eden saw play
すべては一つの光から生まれた。エデンの園に見られた主の行いのように
Praise with elation, praise every morning
喜びを持って讃えよう。すべての朝を
God's re-creation of the new day
主は、新たな朝を日々創造されている

Beautiful Day

2016年04月24日

Beautiful Day : The Levellers feat. Imelda May




What a beautiful day
なんて美しい日だろう
Nothing is impossible in my all powerful mind
力に満ちたこの心の中では、不可能なものなど何もない

It was on the fifth of November, when time it went back *1
あれは11月5日。時は遡る
Some say that that's impossible, but you and I we never looked back
不可能だと言う者もいたが、俺とお前は後ろを振り向かなかった
And wasn't it incredible, so beautiful and above all *2
信じられないほどそれは美しく、この上なかった
Just to see the fuse get lit this time, to light a real bonfire for all time *3
ただ、見ていた。今度こそ導火線に火がついた。本物の篝火に永遠の火がついた
And what a beautiful day
なんて美しい日だろう
Nothing is impossible in my all powerful mind
力に満ちたこの心の中では、不可能なものなど何もない

I was drinking in my night club
ナイトクラブで飲んでいた
It felt good to be back
昔日を思うと気持ちがよかった
When Hepburn said, "I love you." and Flynn said, "Make mine a double, Jack." *4
ヘプバーンが「愛してるわ」と言い、フリンが「ダブルで頼むよ、ジャック」と言った
Was then we planned the revolution to make things better for all time
あの頃俺たちは革命を企んだ。より良き未来を作るために
And when Guevara said, "That's crazy." and ordered up a bottle of wine *5
同じ頃、ゲバラは「頭がおかしいんだよ」と言い、ワインを注文した

What a beautiful day
なんて美しい日だろう
Nothing is impossible in my all powerful mind
力に満ちたこの心の中では、不可能なものなど何もない

In there on the big screen, every night I've seen
この場所、この大きなスクリーンで、俺は毎晩見ていた
The way all things could be
画面の中ではあらゆることが可能だった
For me, for me, for me, for me
俺にとっては

The news broke after midnight, *6
真夜中にニュースが報じられる
That we pulled the temples down without a sound
俺たちは聖堂を引き倒した
But the generals they were hiding out *7
将軍たちは逃げ隠れた
The ministers, Well! They'd all gone to ground *8
大臣たちもみんなどこかの巣穴に逃げ込んだ
Wealth re-distribution became the new solution *9
富の再分配が新しい解決法になった
So I got a paper bag, but you got the one with all the holes *10
それで俺は買い物袋を手に入れた。だが、お前のそれは穴だらけだ

And what a beautiful day
なんて美しい日だろう
Nothing is impossible in my all powerful mind
力に満ちたこの心の中では、不可能なものなど何もない
What a beautiful day
なんて美しい日だろう
I'm the king of all time, it's a beautiful day
俺は永劫の王だ。なんて美しい日だろう

Nothing is impossible in my all powerful mind
力に満ちたこの心の中では、不可能なものなど何もない


備考
  1. the fifth of November : イングランド教会優遇策により弾圧されていたカトリック教徒が1605年11月5日に国会議事堂を爆破し国王と上院議員らを殺害する計画を立てていた。実行予定当日に計画は発覚し、実行責任者 Guy Fawkes 他、首謀者らは逮捕あるいは捜索時に殺害され、逮捕者もすべて処刑された。イングランドではこの日を「ガイ・フォークス・ナイト」として花火を打ち鳴らしガイ・フォークスの人形を篝火に投げ入れ焼き捨てる風習(祭り?)がある。ガイ・フォークスは、国王暗殺を企んだ犯罪者として嫌悪される一方で、人によっては反体制=民衆の味方の象徴として英雄視されることもあるらしい。
  2. above all : とりわけ、何よりも、なかんずく、何よりも、何にもまして、何をおいても
  3. fuse : 信管、導火線
    light-lit-lit : 火をつける、火をともす、点火する。明るくする、照らし出す
    get lit : 酒に酔う、麻薬でハイになる
    this time : この時、今度こそは、今回は
    bonfire : 大かがり火、焚き火
    ※ガイ・フォークス・ナイトは "Bonfire Night" とも呼ばれる。
    for all time : 永遠に、永久に、いつまでも
  4. Hepburn : キャサリン・ヘプバーン(1907-2003。米女優)?
    Flynn : エロール・フリン(1909-59。1930年代ハリウッド映画のアクション俳優)?
  5. Ernesto Rafael Guevara de la Serna : アルゼンチン生まれの革命家、政治家。キューバ革命の指導者。1928-67。
    That's crazy : 狂ってる、正気じゃない、おかしい、すごい、やばい、ありえない…等。文脈により善悪好悪両義に使われる。
  6. break : 話等が急に広まる・明らかになる、ニュースが突然報道される・発表される
  7. hide out : (犯人等が)潜伏する
  8. go to ground : (狐等が)穴・巣に逃げ込む、人目を避ける、身を隠す
  9. distribution : 分配、配布、配分、流通、販売
    solution : 解明、解決、解決された状態。解決法、解決策、解釈、解答。数学の解法、解。溶解、溶液、溶剤
  10. paper bag : 紙袋。店で商品を入れてくれる買い物袋
    ※この一行は、経済的平等、万人の幸福を目指してなされた革命が、結果的に平等を実現できなかったことを言っているように思える。




 冒頭のイメルダ・メイの歌う動画は2014年に発売されたシングル盤です。同年発売の "Levellers - Greatest Hits" にも収録されています。オリジナルは直上の動画にある曲で、彼らの1997年のアルバム "Mouth to Mouth" に収録されています。掲載した歌詞はイメルダ・メイが歌っているものですが、"I'm the king of all time" の部分が何箇所か省略されているくらいでオリジナルとほぼ同じだと思います。
 歌詞の意味は正確には分かりません。客観性のあまりない個人的な感想としては、何かの歴史的事実を元にした話ではなく、革命に憧れ実現した主人公がいつしか独善的な支配者になってしまうという架空の話なのではないかと思います。世の中の不平等や不合理に対する憤りと社会改革への志向を持つ作詞者の共産主義諸国の現実の革命の失敗に対する失望感が現れている歌詞なのではないでしょうか。理想的な社会の仕組みやそれを作り出だせる思想が見えて来ない事に対するいらだちや迷いなどの心情を感じます。

English Civil War

2015年06月01日

English Civil War : The Levellers (cover)




When Johnny comes marching home again, hurrah, tala
また、ジョニーが凱旋するぞ
He's coming by bus or underground, hurrah, tala *1
バスか地下鉄で帰って来るぞ
A woman's eye will shed a tear
ジョニーの彼女は涙を流すだろう
To see his face so beaten in fear
恐怖に打ちのめされた彼の顔を見て
And it was just 'round the corner in the English Civil War
このイギリスの内戦の片隅で起きたことさ

It was still at the stage of clubs and fists, hurrah, tala
棍棒と拳がものを言う舞台で起きたことさ
When that well know face got beaten to bits, hurrah, tala *2 
よく見知った顔が滅茶苦茶に殴られている時に
Your face was blue in the light of the screen *3
お前たちの顔は銀幕の光に青く照らされ
As watched the speech of an animal scream
獣の叫びのような演説に見入っていた
The new party army was marching right over our heads *4
新党の兵隊が俺たちの頭を踏みつけながら行進していた

There you are, ha, ha, I told you so, hurrah, tala
ここにいるお前たちに、俺はこれを話した
Says everybody that we know, hurrah, tala
みんな「自分は分かってる」と言う
But who hid a radio under the stairs?
だが、知っているか? かつて、ラジオを階段の下に隠した人たちがいたことを?
Who got caught out on their unawares? *5
かつて、気づかない、知らないことで窮地に陥った人たちがいたことを?
When that new party army came marching right over our heads
新党の兵隊が俺たちの頭を踏みつけながらまた戻って来たんだ

When Johnny comes marching home again, hurrah, tala
またジョニーが凱旋するぞ
Nobody understands it can happen again, hurrah, tala
誰も理解していない。また同じことが起きることを
The sun is shinning and the kids are shouting loud
日は輝き、子供たちははしゃぎ騒いでいる
But you gotta know it's shinning through a crack in the cloud
だが知っておけ。この輝きは雲の裂け目をくぐったものであることを
And the shadows keep falling, when Johnny comes marching home
夕闇は落ち続けるんだ。ジョニーが凱旋する時

Yeah Johnny
ああ、ジョニー
All the girls go
女たちが集まってくる
Get his coffin ready
棺桶を用意している
'Cause Johnny's coming home
ジョニーが帰って来るからだ


備考
  1. underground : 地下鉄(主にイギリスで使われる。アメリカでは subway)
  2. to bits : 粉々に、ずたずたに、すっかり、非常に、ひどく
  3. この行と次行は、ヒトラーやムッソリーニのようなファシストの演説の記録映像を指しているように思える。
  4. ※1960年代から「英国病」と呼ばれるほどの長期経済停滞を起こしていたイギリスでは、70年代になるとイギリス国民戦線等の極右政治団体が台頭し、有色人種や移民の排斥を訴える活動を盛んに行なうようになっていた。経済的危機=失業者の増加→仕事を奪う移民の排斥という構図は現代ヨーロッパでも全く同様である。
    right over : 「直上、真上」に「右翼」という意味を掛けているのだろう。
  5. be caught out : 不利な立場に置かれる、困る


 オリジナルは The Clash の1978年のアルバム "Give 'Em Enough Rope" に収録された曲です。レベラーズによるカバーはアルバム "Levellers"(初発1992年)の2007年の再発売盤に収録されています。
 この歌のメロディは、アメリカの南北戦争(The Civil War)時に作られ戦意高揚のために演奏されることの多い "When Johnny comes marching home" という歌のものです。そして、さらに遡ると元々はアイルランドの反戦歌 "Johnny, I hardly knew ye" に行き着きます。クラッシュの歌詞では、1970年代当時のイギリス社会の右傾化に反対し警鐘を鳴らそうという意図が感じられます。曲名の Civil War は英国内での極右と極左の闘争を表しているように見えますが、クラッシュの政治思想や当時のイギリスの国情を知らない私には正確な所は分かりません。
 ちなみに、通常 "English Civil War" という言葉は、1640年代の清教徒革命時に起きた国王派と議会派の戦争を指します。「レベラーズ」 というバンド名は、この時の議会派の分派であり、平等な政治体制、普通選挙の導入などを求めた左翼的政治党派 "levellers" (訳語は水平派または平等派)を由来とするそうです。


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