The Kids Aren't Alright

2016年03月31日

The Kids Aren't Alright : The Offspring




When we were young the future was so bright
俺たちが幼かった頃、未来はとても輝いてた
The old neighborhood was so alive
隣近所も昔はとても生き生きしていた
And every kid on the whole damn street *1
この町のどこに住む子供たちもみんな
Was gonna make it big and not be beat *2
ビッグになろうと思ってた。ぐうたら者になろうなんて奴はいなかった

Now the neighborhood's cracked and torn *3
今じゃこの界隈はぼろぼろに壊れてる
The kids are grown up but their lives are worn *4
子供たちは成長はするが、その人生は擦り切れ疲れ切っている
How can one little street
こんな小さな町が、どうやって
Swallow so many lives?
こんなに多くの命を飲み込むんだ?

※ Chances thrown
チャンスは投げ捨てられる
Nothing's free *5
この世にタダで手に入る物など無いからだ
Longing for what used to be *6
大人になって初めて分かる。何も知らなかった子供の頃のすべてを思い焦がれる
Still it's hard
それなのに、それでも
Hard to see
どうしても理解できない
Fragile lives, shattered dreams *7 ※
人生は脆弱で、夢は初めから打ち砕かれていることを

Jamie had a chance, well she really did
ジェイミーはチャンスを掴んでいた。そこまでは本当だったのに
Instead she dropped out and had a couple of kids
彼女はそれを捨てて、高校を中退し、子供を二、三人産んだ
Mark still lives at home 'cause he's got no job
マークは今でも実家で暮らしている。仕事に就かないからだ
He just plays guitar and smokes a lot of pot
ただギターを弾き、マリファナを吸っているばかり

Jay committed suicide *8
ジェイは自殺した
Brandon OD'd and died *9
ブランドンは麻薬のやり過ぎで死んだ
What the hell is going on?
いったい何が起こってるんだ
The cruelest dream, reality *10
なんでこんなに残酷なんだ。夢も、現実も

[※~※]×2


備考
  1. damn : ひどい、忌々しい、忌まわしい。※ここではおそらく「強調」を表している。
  2. make it big : 事業等で大成功する
    beat : [形] 疲れきって、へとへとで、くたびれて、打ち負かされた、意気消沈した。[名] ろくでなし、浮浪者、のらくら者、居候
  3. crack : 鋭く鳴らす、鋭い音を立てて打つ。ひびを入れる、急激な音を立てて割る・砕く・つぶす
    tear-tore-torn : ずたずたに引き裂く・破る・ちぎる、もぎ取る、引きちぎる、むしり取る
  4. wear-wore-worn : 擦り切らす、擦り減らす、履き潰す。疲労させる、やつれさせる
  5. nothing is free : 無料の物など何もない
  6. long : 待ち望む、思い焦がれる、熱望する
    ※ここまでの3行は表現が曖昧なのでかなり想像で意訳している。世間知らずで無邪気だった子供が実社会の厳しさに打ち砕かれ、希望を失っていく過程を表しているのではないだろうか。
  7. fragile : 壊れ(砕け・折れ)やすい、もろい。実質のない、不十分な、薄弱な。華奢な、か細い、繊細な
    shatter : 打ち砕く、粉々に割る、壊滅させる、粉砕する。希望・幻想等を挫く。健康を害する。
  8. commit : 罪などを犯す、悪事を働く。委ねる、委任する。責任を持つ、約束する、誓う、明言する。全てを捧げる、全力を傾ける
  9. od = overdose : 麻薬を過剰摂取する、麻薬をやり過ぎて死ぬ
  10. cruel : 残酷な、残虐な、無慈悲な、非情な。厳しい、つらい、ひどい、苛酷な、悲惨な


 1998年のアルバム Americana(アメリカ民俗誌)より。

Pretty Fly(For A White Guy)

2016年01月21日

Pretty Fly(For A White Guy): The Offspring




Gunter glieben glauchen globen *1
グンター、グリーベン、グラウクン、グロウブン

(Give it to me, baby) Uh-huh Uh-huh!
(お願い、早くちょうだい!)うん、うん!
And all the girlies say I'm pretty fly for a white guy *2
女たちはみんな言うんだ。俺って、白人にしちゃイケてるって

Uno, dos, tres, cuatro, cinco, cinco, seis *3
ウノ、ドス、トレス、クアトロ、シンコ、シンコ、セイス

You know it's kind of hard just to get along today *4
今じゃ、毎日を上手くやっていくだけでも大変だよな
Our subject isn't cool, but he fakes it anyway *5
俺たちはだいたいイケてないんだけど、あいつはとにかくフリだけはするんだ
He may not have a clue and he may not have style *6
あいつは分かってないみたいだが、そもそも自分流の様式が身についてないんだ
But everything he lacks, well, he makes up in denial *7
すべてが欠けてるってのに、あいつは現実から目を背けて自分を作ろうとする

※ So don't debate, a player straight *8
能書きは言うな。出来る奴は真っ正直に行くもんだ
You know he really doesn't get it anyway
あいつはそういう事が全く分かってない
He's gonna play the field, and keep it real *9
何にでも手を出し過ぎるんだよ。格好つけんなっての
For you no way, for you no way
あり得ないって。無理だって
So if you don't rate, just overcompensate *10
もし受けなかったら、ただ多すぎる代償を払うだけだ
At least you'll know you can always go on Ricki Lake *11 ※
最低でも知ることになるぞ。自分がいつでもリッキーレイクショーに出れる変な奴だって
The world needs wannabes, so
世間は、馬鹿な真似したがりを必要としてるんだ
Hey, (hey, hey), do that brand new thing
だからさ。また新しいことをやってくれよ

(Give it to me, baby) Uh-huh Uh-huh!
(お願い、早くちょうだい!)うん、うん!
And all the girlies say I'm pretty fly (For a white guy)
女たちはみんな言うんだ。俺ってイケてるって(白人にしては、ね)

He needs some cool tunes, not just any will suffice *12
もっとイケてる曲を聞かなきゃ。何でもいいってわけじゃない
But they didn't have Ice Cube, so he bought Vanilla Ice *13
ところがアイス・キューブが売り切れで、あいつ、バニラ・アイスを買っちまった
Now cruising in his Pinto, he sees homies as he pass *14
ほら、あいつがぼろいピントで流してるぜ。通り過ぎながら黒人連中を見てる
But if he looks twice, they're gonna kick his lily ass *15
だが、もし二度見したら、百合みたいなケツを蹴飛ばされるぞ

※~※
The world loves wannabe's, so
世間は、馬鹿な真似したがりが大好きなんだ
Hey, (hey, hey), do that brand new thing
だからさ。また新しいことをやってくれよ

Now he's getting a tattoo, yeah, he's gettin' ink done
あいつ、今度はタトゥーだってさ。そう、墨を入れたんだって
He asked for a "13", but they drew a "31" *16
「13」って頼んだのに「31」って入れられてやんの
Friends say he's trying too hard and he's not quite hip
仲間は言ってるよ。一生懸命やってるが、あいつは全然イケてない
But in his own mind, he's the, he's the dopest trip *17
でも、あいつの頭の中じゃ、自分が最高にいかしてるんだ

(Give it to me, baby) Uh-huh Uh-huh!
(お願い、早くちょうだい!)うん、うん!

Uno, dos, tres, cuatro, cinco, cinco, seis
ウノ、ドス、トレス、クアトロ、シンコ、シンコ、セイス

※~※
The world needs wannabe's,
世間は、馬鹿な真似したがりを必要としてるんだ
Oh, the world loves wannabe's,
世間は、馬鹿な真似したがりが大好きなんだ
Let's get some more wannabe's
もっと馬鹿な奴らが出てくるといい
And (Hey! Hey!) do that brand new thing
だからさ。また新しいことをやってくれよ


備考
  1. ※ドイツ語風の意味のない発音。元はデフ・レパードの1983年の歌 "Rock of Ages" の冒頭で "One, two, three, four" の代わりに使われた言葉らしい。
  2. fly = cool : 素晴らしい、かっこいい、粋な
  3. ※スペイン語で「1, 2, 3, 4, 5, 5, 6」。
  4. get along : うまくやる、何とかやっていく、仲良くする
  5. subject : 主題、課題、話題、題材。教科、学科、科目。動機、原因、根拠。対象
    ※この subject は意味が分からないので、ここではごまかして訳してある。
  6. do not have a clue : さっぱり分からない、手がかりがない
  7. in denial : 否定して、現実を否定して(目を背けて)、現実から目をそらして
  8. player : A male who is skilled at manipulating ("playing") others, … (urbandictionary.com より)
  9. play the field : 大勢の人(特に異性)と交際する、いろいろな方面に手を出す、手広くやる、守備範囲が広い
    keep it real : 自分らしく人生を送る、自分らしい生き方をする。命令形で言う場合「格好つけるなよ。現実を見ろよ」という意味も込められる。
  10. overcompensate : 過分の報酬(代償)を払う
  11. Ricki Lake : アメリカの女優、テレビ司会者。1993年から始まった彼女の冠番組では、変な素人(黒人ラッパーを気取る滑稽な白人など)を登場させて笑いを取ることがよくあったらしい。
  12. suffice : 十分である、~に足りる、人を満足させる
  13. Ice Cube : 西海岸を代表するギャングスタ・ラッパー。
    Vanilla Ice : フロリダ州マイアミ出身の白人ミュージシャン、MC。デビュー時にはかなりの人気を博したが、経歴詐称や無許可サンプリングの訴訟問題などで人気が急落。この歌詞の主人公の象徴のような人物。
  14. Pinto : 欠陥車として有名なフォードの小型車。1980年に生産終了。開発段階で追突事故に対する脆弱性が発覚していたが、フォード社はその欠陥を修正するコストと事故発生時に支払う賠償金額を比較し、賠償金の方が安いという判断でそれを放置したまま生産販売した。市販後の1972年に起きた死亡事故の裁判により開発段階の経緯が明らかになり、フォード社は大きな経済的損失を被り、また社会的信用も落とした。
    homie = homey : 仲間、友達
  15. lily ass : a white, especially a rich white teenage boy who tries to pretend to be black (urbandictionary.com より)
  16. ※数字の「13」は背徳感が格好いいのだろうか。あるいは中米・北米で強大な勢力を持つ凶悪犯罪組織の一派 "M-13" を意識したものかもしれない。
  17. dope : 素晴らしい、格好いい、とても良い、いかした
    trip : 「薬物による幻覚体験」を指す言葉だが、人の狂ったような様子や逆に素晴らしく格好いい様子、そしてそういう人物そのものを指す場合もある。


 オフスプリングは、1984年に結成された米カリフォルニア州出身のパンクロックバンド。この歌は1998年のアルバム Americana に収録されています。
 wannabe は「何かに憧れ、それになりたいと真似をする人」を嘲笑的に呼ぶ言葉です。この歌詞では特に黒人のギャングやギャングスタ・ラッパーになろうとするが、やることなすことが的外れで滑稽な白人を指しています。この歌詞の wannabe は、Hip Hop の文化や thug の矜持などを深く理解しようともせず、単に「女に持てたい」という浅薄な理由で「格好いい」という外面だけを真似る様がみっともないと揶揄されています。
 そして、これはアメリカの白人の間では割とあることのようで、この頃の白人の若者が自分たちのアイデンティティを見失っていたことと関係しているように思えます。何が「自分らしくある」ことなのか分からないという精神的な状況は、この頃から現在に至るまでずっと続いているものなのではないでしょうか。そして、パンクロッカーであるオフスプリングにとって、若者の憧れる対象がロックではなくヒップホップであることは、単に笑えるというだけでなく、ロックがかつてのような存在感を失っていることに対する情けなさや苛立ちといった心情も湧くのではないかと思います。



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