1965 : Zella Day

2017年10月05日




You saw me spinning from the corner of your eye *1
視野の片隅に見えたのね。回ってる私が
You saw me spinnin' like it's 1965
まるで1965年みたいにくるくる回って踊る私が
You saw me spinnin' from the corner of your eye
視野の片隅に見えたのね

And you touched my neck
そして、あなたは私の首筋に触れた
You're a beauty baby child *2
「きれいだ。可愛い赤ちゃんみたいだ」
I never had nobody touch me like I'm glass
ガラスを扱うように優しく触れてくれた人は今までいなかった
You had me spinnin' in the midnight summer grass
あなたが私を踊らせる。真夜中の夏草の上
I never had nobody touch me like I'm glass
ガラスを扱うように大切に触れてくれた人は今までいなかった
With a moonburnt kiss *3
熱いけれど穏やかなキス

※ Can we go back to the world we had?
かつて私たちが持っていた世界に戻ることができるだろうか?
With a love so sweet it makes me sad
とても甘く心地良かった愛。それが、今私を悲しませる
Can we go back to the world we had?
かつて私たちが持っていた世界に戻ることができるだろうか?
It's the world we've been dreaming of
私たちがずっと夢見ていた、そして今でも夢見ている世界
Can we go back to the world we had?
かつて私たちが持っていた世界に戻ることができるだろうか?
Cut like diamonds, we were made to last
私たちはダイヤモンドのように研がれ丈夫で長持ちするように作られた
Can we go back to the world we had?
かつて私たちが持っていた世界に戻ることができるだろうか?
It's the world we've been dreaming of ※
私たちがずっと夢見ていた、そして今でも夢見ている世界

You heard me singing like a vision from the past *4
聞いたでしょ。過去からの幻影のように私が歌うのを
You heard me singing from a flower petal bath
聞いたでしょ。花びらの浮かぶ浴槽で私が歌うのを
You heard me singing like a vision from the past
聞いたでしょ。過去からの幻影のように私が歌うのを
And said from your lips, "It's the heaven that we're in"
その唇で言ったでしょ。「ここは天国だよ」って
I felt forever when I laid upon your chest
私は永遠を感じてたの。あなたの胸に寄り添っていた時
Forever when you said I look my best *5
「いちばんきれいだよ」と言ってくれた時
I felt forever when I laid upon your chest
私は永遠を感じてたの。あなたの胸に寄り添っていた時
In the August light...
8月の光の中で

※~※

I don't belong here
ここは私には合わない

You saw me spinning from the corner of your eye
視野の片隅に見えたのね。回ってる私が
You saw me spinning like it's 1965
まるで1965年みたいにくるくる回って踊る私が
You saw me spinning from the corner of your eye
視野の片隅に見えたのね
In the August light...
8月の光の中で

I don't belong here
ここは私の居場所じゃない

※~※


備考
  1. out of the corner of one's eye : 横目で、こっそりと
    ※ここでは look, watch ではなく see なので「横目でちらちら見る」というよりは「視野の片隅に見えた、偶然目に入った」という感じではないだろうか。
  2. ※この一行は動詞が現在形なので "you あなた" の台詞と解するのが自然だろう。
  3. moonburn : "sunburn 日焼け(する)" をもじった言い方。一般的な辞書には載っていない。格別に白い肌や繊細な肌などを表現する時に使われることがあるらしい。ここでは、恋愛の "熱さ" や "火照り" 等が "柔らか" であることを表現しているのではないだろうか。
  4. You heard me. : 聞こえただろう。分かってるだろ。言う通りにしろ。
    ※「過去からの幻影」は「くるくる回る」踊り方と同様に彼女の懐古趣味的な嗜好を表しているのだろう。
  5. look one's best : (人の身なりなどが)いちばん良く見える、最高の状態に見える


 2015年のデビューアルバム "Kicker" より。破綻しかけた恋愛関係を嘆くとともに、1960年代の社会風潮や文化、精神性などに憧れる懐古的な心情が表されているのだろうと思います。


Hypnotic

2016年11月05日

Hypnotic : Zella Day






I wanna be on the front line, knotted up suit ties *1
私は最前線にいたい。ネクタイをきっちり結んだビジネスマンみたいに
Talking like a headstrong mama *2
頑固なしゃべり方をするママみたいに
Got a picture in your wallet
あなたの財布には私の写真を入れて
Making me a habit, wearing your vintage t-shirt *3
ずっと着古してるTシャツみたいに、私をあなたの習慣にして
Tie ribbons on your top hat
あなたのシルクハットにリボンをつけて
Telling me I'm all that, just like the girls from your hometown *4
私を最高だと言って。故郷の女たちに言ってたように
Sweet blooded and I'm stranded *5
私の血は甘くなり、この身は座礁して動けない
See if I can stand it, shrinking in the shallow water *6
耐えられるかどうか確かめながら、浅瀬で身をすくめている

Magnetic everything about you *7
あなたのすべてが私を引きつける
You really got me, now *8
もう完全にあなたの勝ちよ

※ You do it to me so well
あなたはとても上手に私を扱う
Hypnotic taking over me *9
私を征服する催眠術が
Make me feel like someone else
私に、自分を他人であるかのように感じさせる
You got me talking in my sleep *10
あなたは、私に眠りの中でしゃべらせる
I don't wanna come back down *11
この夢見心地から降りたくない
I don't wanna touch the ground
地に触れて現実に戻りたくない
Pacific Ocean, dug so deep *12
大洋のように深く掘られ
Hypnotic taking over me ※
私は催眠術に征服される

White threads on my laces, stuck on the hinges *13
白い飾り紐が蝶番に引っ掛かり
Swinging the door to the backyard
裏庭へのドアを揺り動かしている
Cut splinters, walking tightropes *14
ずたずたに切り散らされた綱渡りの綱
Spun like a bandage touch on the outer surface *15
くるくると回される。ただ表面に触れるだけの包帯のように
Bright eyes of the solstice *16
きらきら光る瞳は極限まで開いている
wherever your mind is headed for a freight train city *17
どこにいてもあなたの心は貨物列車の町に向いている
Locked up till you're moonlit *18
あなたが月明かりに照らされるまで、ずっと閉じ込められている
Brushing my hair back, feeling your lips on my cold neck *19
髪を後ろに払われる。あなたの唇が冷たい首筋に触れる

Magnetic everything about you
あなたのすべてが私を引きつける
You really got me, now
もう完全にあなたの勝ちよ

[※~※]×2

Hypnotic taking over me
私は催眠術に征服される


備考
  1. front line : 戦争の前線、戦線。(ある分野や状況の)最前線、最先端、第一線
    knot : 結ぶ、結び目を作る。こぶにする、こぶを作る。もつれさす、髪を結い上げる
  2. headstrong : 強情な、頑固な。わがままな、自分勝手な。性急な、向こう見ずな
  3. vintage : 醸造年入りの(ワイン)。年代物の、古くて値打ちのある。~型、~年式。時代遅れの。同類中で最も優れた、最上の
  4. all that : 最高の
  5. blooded : 血の。純血の、血統のよい
    cold-blooded : 冷血の。冷酷な、冷淡な、冷静沈着な、寒さに敏感な、冷え性の
    warm-blooded : 温血の。熱血の、激しやすい、熱烈な
    strand : 座礁させる、魚等を浜に打ち上げる、立ち往生させる、取り残す、困らせる
  6. see if : ~かどうか確かめる、~どうかを見る、~かな?
    shrink : 縮む、縮まる、小さくなる、縮小する、尻込みする、ひるむ、避ける、後ずさりする
  7. magnetic : 磁石の、磁気の、磁気を帯びた。(金属等が)磁化され得る、磁石に引かれる。人を引き付ける、魅力のある
  8. You got me. : あなたは私を得た、捕まえた→やられた、一杯食わされた、一本取られた、参った、お前の勝ちだ
  9. hypnotic : 催眠剤、睡眠薬。催眠術にかかりやすい(かかった)人。催眠状態の、催眠術の、催眠術にかかりやすい(かかった)
    take over : ~を(…に)連れて行く、運んで行く。引き継ぐ、肩代わりする。奪う、(会社等を)乗っ取る。併合する、占領する。私物化・着服する
  10. get ~ [形容詞または doing] : [使役] ~を…の状態にする。~を動かす。
  11. come back down to earth : (夢見心地から)地に足を着ける、(浮かれた気分から)現実の(厳しい)世界へ戻る
  12. dig-dug-dug : 掘る、掘り返す。(手足等を物の中に)突っ込む、食い込ませる。掘り出す、掘り当てる、(努力して)見つけ出す。(資料等を)丹念に調べる
  13. stick-stuck-stuck : 突き刺す、刺し込む、はめ込む。留める、貼り付ける、くっつける。動けなくする、立ち往生させる。困らせる、まごつかせる
    be stuck on ~ : (人が)~に夢中になっている、惚れ込んでいる
  14. splinter : (木・骨・金属等の薄くとがった)裂片、裂けた一片、破片、とげ
  15. outer surface : 表面、外面
  16. solstice : 夏至・冬至の至点。絶頂点、分岐点、極点、重大局面
  17. freight : 普通貨物便(⇔express)、積荷、貨物、船荷。輸送、運輸。重荷、負担
  18. lock up : 鍵を掛ける、施錠する。閉じ込める、拘留する、しまい込む。戸締りをする。
    moonlit : 月明かりの、月に照らされた、月明の。安酒で酔った ※ "moonlight" より詩的・文語的。
    moonlight : 月光の、月光に照らされた、月明の。月夜に起こる、夜間の
  19. brush : ブラシをかける、はけでこする・掃く・磨く、軽くかすめる、(ブラシや手で)払いのける、ほこりを払う


 2015年のアルバム "Kicker" より。あるインタビューでゼラ・デイは次のように語っています。
「"Hypnotic" は、浅薄な人間関係で自分を見失うという歌なの。愛とは本当は何なのかと問うことによって幻想から覚めることができる。それは、私たちが自分と誰かの中にある "真正な何か" を見つけようともがいている、そういうことだと思う。ある意味では、浅薄な性的関係で催眠術をかけられているということかな。セックスは必ずしも愛を意味するわけじゃないのよ」
<http://www.hungertv.com/feature/the-interview-zella-day/>
 この歌詞の翻訳は私には無理のようです。上のインタビューである程度趣旨は分かったので、一応訳してはみましたが、意味不明な箇所が多々あります。韻文としてイメージが湧くような訳文を作ろうとしたのですが、英語自体のイメージを自分の頭の中で作ることが上手くできず、中途半端な訳文になってしまいました。間違いも多いように思いますので、訳文は参考程度にお読み下さい。

Compass

2016年03月10日

Compass : Zella Day




We can build a tree house in the pine trees
私たちは、松の木にツリーハウスを作ることができる
We can keep our secrets buried underneath *1
私たちは、私たちの秘密を心の奥底に埋めることができる
Wild flowers crashed between your fingers *2
野の花はあなたの指の間で音を立てて砕けたけれど
Clinging to the wild things that raised us *3
私たちを育てたあの自然が私たちから離れることはない

Compass points you home, calling out from the east *4
羅針盤はあなたを故郷へと向けさせる。東からの声が呼んでいる
Compass points you anywhere, closer to me
羅針盤はあなたをどこへでも向けさせる。もっと私の近くへ
If we make it out alive from the depths of the sea *5
もし私たちが深海から甦らせれば
Compass points you anywhere, closer to me
その羅針盤はあなたをどこへでも向けさせる。もっと私の近くへ
Where you are I will be
あなたのいる所に、私はいるだろう
Miles high, in the deep
空高く、海深く
Where you are I will be
あなたのいる所に、私はいるだろう
Anywhere in between *6
どこであろうと。私とあなたはつながっている

Take me to the garden of your ecstasy
連れて行って。あなたの忘我の園へ
Make myself a headband from your fallen leaves
あなたの落とした葉でヘアバンドを作ろう
Woven in the fabric of your tapestry *7
あなたの綴れ織りの布地に織り込まれたい
Cover me in honeysuckle memories
スイカズラの蜜のような思い出に包まれたい

Compass points you home, calling out from the east
羅針盤はあなたを故郷へと向けさせる。東からの声が呼んでいる
Compass points you anywhere, closer to me
羅針盤はあなたをどこへでも向けさせる。もっと私の近くへ
If we make it out alive from the depths of the sea
もし私たちが深海から甦らせれば
Compass points you anywhere, closer to me
その羅針盤はあなたをどこへでも向けさせる。もっと私の近くへ
Where you are I will be
あなたのいる所に、私はいるだろう
Miles high, in the deep
空高く、海深く
Where you are I will be
あなたのいる所に、私はいるだろう
Anywhere in between
どこであろうと。私とあなたはつながっている

I will take the pieces, put them back together
断片を拾って、きっちりと元に戻そう
Even when the grass isn't green enough
草木はかつてほどに青々としていないとしても
Taking all the branches, build ourselves a mansion
たくさんの枝を使って、私たちの豪邸を作ろう
Love you in the way that you needed love
あなたがかつて求めていたような仕方で、あなたを愛そう

Where you are I will be
あなたのいる所に、私はいるだろう
Miles high, in the deep
空高く、海深く
Where you are I will be
あなたのいる所に、私はいるだろう
Anywhere in between
どこであろうと。私とあなたはつながっている


備考
  1. underneath : [副] 下(部)に、下面(底面)に、心の底では、根は
  2. crash : 大きな音を立てて衝突する・ぶつかる。猛然と(騒々しく)進む。(飛行機が)不時着する、墜落する。ガチャンと砕ける・つぶれる。凄まじい音を立てる
    ※この crash はゼラ・デイが故郷を否定したことを暗喩するのだと思う。
  3. cling : 抱き締める、握り締める、しがみつく、ぴったり寄り添う。(濡れた物が)ぴったりくっつく。捨てきれない、執着・固執する、忠実である。しみついて取れない、付いて回る
  4. point : (~を~に)向ける、(~を~に)向かせる。指し示す、指摘する。点を打つ。指等で位置方角を示す、指差す
    call out : 大声で呼ぶ、叫ぶ
  5. the depths : 深い所、深み、深海。底無しの淵、深淵、奈落
    ※「甦らせる」は「一度捨ててしまった故郷への思い→故郷へ向かわせる羅針盤」を「甦らせる」ということだろうと思う。
  6. in between : 両者の間に、中間に、合間に。二つのものの間にあるため邪魔になって
    ※この between の示唆する「両者」は「私」と「あなた」だろうと判断し、それを元に意訳したが、間違っているかもしれない。
  7. weave-wove-woven : 糸を織る、紐等を編む、織って(編んで)作る
    fabric : 織物、編物、生地
    tapestry : つづれ織り


 2015年のデビューアルバム Kicker より。ゼラ・デイは1995年生まれのアメリカのシンガーソングライターです。彼女の育ったアリゾナ州ナヴァホ郡にある Pinetop-Lakeside は人口4000人の小さな町で、その美しい名の通り森と湖に囲まれた避暑地だそうです。2012年にレコーディングのためパイントップからロサンゼルスに移り住んだ彼女は、この歌についてインタビューで次のように語っています。

「"Compass" は故郷、故郷の町について書いたの。私はそこでとても孤独感・孤立感を抱きながら育った。そしてそこを出ることを待ち望んでいた。だからロサンゼルスに移ることは私にとってとても良いことだった。パイントップを思って寂しがることなんてないと思ってた。でも、自分でも驚いたことに、私はパイントップを離れてとても寂しく、懐かしく思った。これは、この感情を歌にしたものなの。私は少しずつ過去を振り返って、子供時代の良かったことを正しく評価しようとし始めている。そして、今の私はそこで過ごしていた頃よりも少しだけ成長したのかなと思っているの」
 http://www.coupdemainmagazine.com/interviews/interview-zella-day-her-upcoming-debut-album-kicker(翻訳は細部が間違っている可能性があるので、原文を読まれることをお奨めします)

 他のインタビュー(http://www.westcoastfix.com/2014/08/20/zella-day/)で彼女は、9歳の頃から両親の経営するコーヒーハウスでマイクを持って歌っていたこと、物心ついた時からミュージシャンたちに囲まれて育ったことなどを話しており、上のインタビューの「孤独感」が具体的にどのようなものかは分かりません。ただ、その別のインタビューでも都会に出たかったとも語っているので、おそらく同世代の子供が少ない、刺激がないなどの田舎育ちの人間に共通する心情なのかもしれません。

 このような経緯を知らずにこの歌を聞くと、故郷を歌っているとは分からないと思います。表面的に歌詞を見ると「あなた」を恋愛の対象ととらえるのが普通だと思います。この翻訳では、その点を微妙にごまかして訳していますが、いちおう「私」を故郷の町パイントップ、「あなた」を歌い手自身と考え、パイントップがゼラ・デイに語りかけているという設定を、ゼラ・デイ自身が歌っているという少々分かりにくい訳文になってしまいました。一部この両者が逆転しているように見える所もあり、実はこの二つを区別する必要もあまりなく、「私」と「あなた」と「私たち」はすべて一体のもの、同じものと考えても成り立つのかもしれません。



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