King and Lionheart : Of Monsters and Men

2017年07月20日




Taking over this town they should worry *1
この町が奪われるのではと、みんな心配しているけれど
But these problems aside I think I taught you well
その問題はさておき、あなたにはしっかり教えたと思う
That we won't run, and we won't run, and we won't run
私たちは逃げ出さないということを

And in the winter night sky ships are sailing
冬の夜空を船が飛行している
Looking down on these bright blue city lights
青く輝くこの町の明かりを見下ろしている
And they won't wait, and they won't wait, and they won't wait
彼らは待ってはくれない
We're here to stay, we're here to stay, we're here to stay
私たちはここに留まっている

Howling ghosts – they reappear *2
唸り、喚く幽霊たちが、また現れる
In mountains that are stacked with fear *3
恐怖が積み重ねられてできた山々に
But you're a king and I'm a lionheart *4
でも、あなたは王で、私は勇者だ
A lionheart
勇者だ

His crown lit up the way as we moved slowly
彼の王冠が道を照らし、私たちはゆっくりと進んだ
Past the wondering eyes of the ones that were left behind *5
後に残る人たちの不思議そうな目の前を通り過ぎながら
Though far away, though far away, though far away
そうして遙か遠くまで来たけれども
We're still the same, we're still the same, we're still the same
私たちは以前と同じだ。ずっと変わらない

Howling ghosts – they reappear
唸り、喚く幽霊たちが、また現れる
In mountains that are stacked with fear
恐怖が積み重ねられてできた山々に
But you're a king and I'm a lionheart
でも、あなたは王で、私は勇者だ
And in the sea that's painted black
黒く塗られた海では
Creatures lurk below the deck *6
甲板の下には奇怪な生き物が潜んでいる
But you're a king and I'm a lionheart
でも、あなたは王で、私は勇者だ

And as the world comes to an end
この世界が終わりを迎える時にも
I'll be here to hold your hand
私はここで、あなたの手を握っているだろう
'Cause you're my king and I'm your lionheart
あなたは私の王で、私はあなたの勇者なのだから
A lionheart
あなたを守る勇者なのだから

Howling ghosts – they reappear
唸り、喚く幽霊たちが、また現れる
In mountains that are stacked with fear
恐怖が積み重ねられてできた山々に
But you're a king and I'm a lionheart
でも、あなたは王で、私は勇者だ
And in the sea that's painted black
黒く塗られた海では
Creatures lurk below the deck
甲板の下には奇怪な生き物が潜んでいる
But you're a king and I'm a lionheart
でも、あなたは王で、私は勇者だ
A lionheart
勇者だ


備考
  1. take over : 義務や責任等を引き継ぐ・引き受ける。権力等を力ずくで奪う。仕事等を代わってやる・引き受ける、会社等を乗っ取る、許可無く私物化・着服する、併合・占領する
  2. howl : 犬・狼が遠吠えする、風が唸る、ヒューヒュー鳴る。唸る、わめく、怒号する。浮かれ騒ぐ。不躾に大声で笑う
  3. stack : 山にして積む。積み上げる、積み重ねる、詰め込む
  4. lionheart : 勇猛果敢な人。12世紀のイングランド王リチャード1世(生涯のほとんどを戦争や冒険に費やした)。
  5. past : [前置詞] (時間を)過ぎて。(場所・位置を)過ぎた所に、(人・物のそばを)通り過ぎて。~を越えて、~以上
  6. lurk : (悪意を持って)潜む、隠れる、待ち伏せる。こそこそ歩き回る、うろつく


 2011年のデビューアルバム "My Head Is an Animal" より。作詞者の Nanna Bryndís Hilmarsdóttir は、離れて暮らす弟のために書いた歌だと語っているそうです。そうすると歌詞中の「あなた=王」が弟で「私=勇者」が Nanna ということになるのでしょう。ファンタジー的な世界観の歌詞は、細部はよく分かりませんが、何者かによって故郷を追われ放浪することになった王と勇者の物語が綴られているようです。
<http://wwm.productions/vid_kingandlionheart.php 参照>

Your Bones

2017年01月14日

Your Bones : Of Monsters and Men




In the spring we made a boat out of feathers, out of bones. *1
春になると僕たちは舟を作った。鳥の羽根と動物の骨で
We set fire to our homes, walking barefoot in the snow.
家に火をつけて、雪の中を裸足で歩き出した
Distant rhythm of the drum as we drifted towards the storm.
遠くで鳴る太鼓の調子が聞こえた。彷徨いながら嵐へと向かっていた
Baby lion lost his teeth, now they're swimming in the sea. *2
若獅子が牙を失った。今、その牙は海を漂っている

Troubled spirits on my chest where they laid to rest. *3
悩み苦しむ魂たちは、僕のこの胸で永遠の眠りについている
The birds all left, my tall friend, as your body hit the sand.
鳥たちは皆去ってしまった、背の高い友よ。君が砂に倒れた時に
Million stars up in the sky formed a tiger's eye
空にある無数の星は、虎の目の形をして
That looked down on my face, out of time and out of place. *4
僕の顔を見下ろしていた。時を超えて、場所を超えて

So hold on.
だから、その手を離さないで
Hold on to what we are, hold on to your heart. *5
僕たちが僕たちであることを忘れないで。君の心を手放さないで

Awaken by the sound of a screaming owl. *6
夜、フクロウの鳴き声に目覚め
Chasing leaves in the wind, going where we've never been.
風に舞う落ち葉を追いかけ、僕たちがまだ行った事のない所へ行こうとした
Said goodbye to you, my friend, as the fire spread.
だが、さよならを言う時だ。友よ。火が広がっている
All that's left are your bones that will soon sink like stones. *7
もう残っているのは君の骨だけだ。それもすぐ石のように沈むだろう

So hold on.
でも、その手を離さないで
Hold on to what we are, hold on to your heart.
僕たちが僕たちであることを忘れないで。君の心を手放さないで

So hold on.
その手を離さないで
Hold on to your heart.
君の心を手放さないで


備考
  1. ※冒頭の2行は、極北の移住民族が冬篭りをした土地を離れ狩りや採集のために旅に出る様子を表しているように見える。
    ※ "feathers, bones" はいずれも「死」を象徴する言葉で、冒頭のこの一節から全体の雰囲気を醸し出している。
  2. ※この一行は、仲間の一人が旅の途中事故や病気で死んだことを示唆するように思える。
  3. lay ~ to rest : ~を休ませる、~を眠らせる。~を埋葬する。~を沈静化させる、収める。~の片を付ける
  4. out of time : (期限に間に合わず)時間がない、遅れて。間違った時に、悪いタイミングで、時機を失して、時候(季節)はずれで、時世(時代・時期)を間違って。リズムが狂って、拍子はずれで
    out of place : 正しい(いつもの)場所にない。その場にそぐわない(不適当な・ふさわしくない)。場違いな。置き違えて
  5. hold on to : ~をつかんで(握って)離さない。~を持ち続ける、保持する。~にしがみつく、すがりつく。~を手放さない
    Hold on to your hat. : 驚くなよ。びっくりするなよ。覚悟して聞けよ。(これから言う事を聞いたショックで帽子を落とさないようしっかりおさえておけ、という意味)
  6. owl : フクロウ。夜行性の猛禽類。
    night owl : 夜型の人。夜更かしする人。※対照的な言葉として "early bird 朝型の人、早起きな人" がある。
    fly with the owls : 夜遊びする
  7. ※北欧の古のバイキングには、遺体や副葬品、殉死者を舟に載せ火をつけて海に流すという葬儀の方法があったと伝えられている。ただし、通常の火葬や土葬も行なわれていた記録もあり、現実にはどの程度行なわれていたのかは不明。


 2011年のデビューアルバム "My Head Is an Animal" より。おそらく、死んだ友を葬送し、その魂の不滅を祈るような歌詞なのではないかと思います。なお、冒頭の動画は公式のものではないので歌詞とは直接的な関係はありません。"失った命の再生, 超自然的存在との取引" というありがちな主題ではありますが、とてもよくできたアニメーションだと思います。

Empire : Of Monsters and Men

2016年11月30日




Feel the ocean as it breathes, shivering teeth
海の呼吸を感じる。寒さに歯が震える
See the mountains where they meet, smothering me *1
重なり合う山々が見える。息苦しいほどに僕を圧倒する
As the wind fends off the waves, I count down the days *2
風が波を払いのけてくれている間、僕は、後何日、後何日と数え、待っている
Heavy stones fear no weather *3
重い石はどんな荒天も恐れない

I find comfort in the sound and the shape of the heart *4
僕は、心の鼓動と形、"音" と "愛" に安らぎを見つけた
How it echoes through the chest from under the ground *5
ほら、それが地の下からこの胸の中へと大きくこだまする
As the hills turn into holes, I fill them with gold *6
この丘に穴が開くような天災が起きても、それを黄金で埋めてみせる
Heavy stones fear no weather
重い石はどんな荒天も恐れない

And from the rain, comes a river running wild that will create
その雨から川が生まれ、荒々しく氾濫するその流れこそがきっと創るでしょう
An empire for you *7
あなたのための "帝国" を
Illuminate! *8
そして、光に照らされるでしょう
There's a river running wild that will create
氾濫するその川こそがきっと創るでしょう
An empire for you, an empire for two
あなたのための "帝国" を
An empire for you, an empire for two
そして、二人のための "帝国" を

And I paint your body black, I hide in your hair *9
きみの体を黒く塗って、僕はきみの髪の中に隠れる
And you're staring back at me like I wasn't there
きみは振り返って僕を見ようとする。まるで僕がそこにいないかのように
As our bodies become stills, we welcome the fear *10
僕たちの体が静止画になる時、僕たちは恐怖を喜んで迎え入れる
Heavy stones fear no weather
重い石はどんな荒天も恐れない

And from the rain, comes a river running wild that will create
その雨から川が生まれ、荒々しく氾濫するその流れこそがきっと創るでしょう
An empire for you
あなたのための "帝国" を
Illuminate!
そして、光に照らされるでしょう
There's a river running wild that will create
氾濫するその川こそがきっと創るでしょう
An empire for you, an empire for two
あなたのための "帝国" を
An empire for you, an empire for two
そして、二人のための "帝国" を

And from the rain, comes a river running wild that will create
An empire for you
Illuminate!
There's a river running wild that will create
An empire for you, an empire for two
An empire for you, an empire for two


備考
  1. smother : 覆う、包む、たっぷりかける、こってり塗る。窒息させる、息苦しくさせる。(人をキス・親切・愛情等で)息もつけないようにする、圧倒する
  2. fend : かわす、しのぐ、受け流す。払いのける。抵抗する、防戦する。自力でやりくりする
  3. weather : 天気、天候、空模様。暴風雨、嵐、荒天。(運命の)移り変わり、変遷、浮沈
  4. comfort : 慰め、慰安、安心感。安楽、気楽、快適。
    ※ "the sound of the heart → 心音, 音楽"、"the shape of the heart → "♡, 愛" ではないかと思うが、正確には分からない。
  5. How ~. : (全文を強めて)なんて~だ、ああ~だ、等。
  6. 「黄金で埋める」で何を隠喩させようとしているのかは分からないが、意味としては「どんな困難にも挫けないというある種の強がり」を表しているのだろうと思う。
  7. empire : 帝国、皇帝・帝王の版図、皇帝の統治、最高(絶対)支配権
    ※「帝国」は、「自分がすべてを支配できる領域」、「命令や規制、攻撃等を受けることなく自由でいられる状況」などの比喩なのだろうか?
  8. illuminate : 照らす、明るくする。光明を投じる、解明する。灯火で飾る。啓蒙(啓発)する、教化する
  9. ※ここから3行の「体を黒く塗る」「隠れる」「(体が)見えない」「体が静止画になる」等の言葉は、二人の関係が身体的なものを超えて精神的に深いつながりを持つようになること、あるいは肉体の生死を越えた魂の不死性、永遠性などを表しているのではないだろうか。また、「髪に隠れる」「そこにいないかのように」という言葉は、「関係」そのものが消滅し二人が一体化することを示唆しているようにも思える。
  10. still : スチル写真。静止画。静物画。静寂、静けさ
    welcome : 歓迎する、喜んで迎える、(挑戦等に)応じる。(意見・批評等を)喜んで受ける、受け入れる


 2015年のアルバム "Beneath the Skin" より。
 第三連、五連のコーラス部分の文体を他と変えているのは、この部分が「僕」でも「きみ」でもない第三者の言葉だと解釈したからです。二人を高所から見守る守護神や天使等の超自然的な存在を想定した言葉のように思えました。その根拠は、三連が一、二連と同一人物の言葉だとすると *7 の "An empire for you" は、文脈から "An empire for me" とするのが自然であり、同様に三連終わりの "an empire for two" は "an empire for us" とするのが自然だと感じたからです。かなり曖昧で薄い根拠で、また "two" はたんに "you" と韻を踏むためなのかもしれず、この解釈に客観性はあまりありません。素直に全体を一人の人物の一人称ととらえた方が正しいのかもしれません。
 歌詞全体の意味としては、一つ目の解釈は、恐らく恋愛関係にあるであろう二人がさまざまな障壁を乗り越えようとしているというものです。第一連で生きる事に困難を抱える主人公が、第二連で愛する人と出会いその困難を乗り越える意志をさらに強くします。そして、第四連では二人の関係を肉体や現世を超えたものにすることによってその関係を永遠のものにしたいという心情が描かれます。
 もう一つの解釈は、冒頭の動画に引きずられたものですが、他とは違う性的な自己同一性を持つ主人公の苦悩だというものです。動画で若い主人公を演じているのはスウェーデン出身のファッションモデルで Erika Linder という女性です。中性的な魅力を持つ彼女は男装して男性用ファッションのモデルの仕事もするそうです。男と女に分裂した自分の性に苦悩する主人公が、自分を攻撃する社会環境に打ち勝ち、第四連で分裂した性を一体化させ、男か女になりきる、あるいは新しい性を獲得することに成功するという物語なのだろうかと思いました。
 動画の意味合いも上の二つの解釈によって二通りに解釈できるように思えます。一つ目の解釈によれば、この動画は年齢が離れ社会的に不自然だとみなされる恋愛関係を成就させようとする話になります。二つ目の解釈によれば、恋愛対象に見える老女は実は主人公の妄想です。男性の体と女性の心を持つ主人公が、このように普通の女性として生き年をとっていきたいという願望を心の中で実体化させたものなのではないでしょうか。動画の終わりに主人公が老女の服を着ている場面で、それが強く表れているように思えます。
 なかなか難しい歌詞と動画なので、この解釈ははずれているかもしれません。また、そもそもいろいろな解釈が可能なように書かれた歌詞なのかもしれません。



最新記事