Bazaar : KSHMR & Marnik

2017年11月15日




Yaad Teri Aati Hai
遠くのあなたをいつも思っている


 2015年にインドのゴアで開催された EDM のイベント Sunburn Festival の公式讃歌です。上の歌詞はヒンドゥ語で意味が全く分からないのですが、YouTube のコメント欄に英語に訳してくれている人が何人かいました。人によってニュアンスが微妙に違いますが、次のような英訳です。I am missing you. Remembering you so much. I miss you so much. Remembrances of you come to me. Your memories are haunting me. ちなみに bazaar は「市場」を意味する英語です。
 インド系アメリカ人のカシミアが父祖の地を思う歌詞なのでしょうか。

Back To Me : KSHMR feat. Crossnaders & Micky Blue

2017年11月06日




※ Paint my roses red right before the end *1
私の薔薇を赤く塗る。お終いになってしまう前に
I will let the raindrops carry me *2
私は雨粒に流されよう
All we ever said, dancin' through my head
私たちがかつて口にした事。頭の中でぐるぐると舞い踊る
Wait until it all comes back to me *3
そのすべてを思い出すまで待って
Paint my roses red right before the end
私の薔薇を赤く塗る。お終いになってしまう前に
I will let the raindrops carry me
私は雨粒に流されよう
All we ever said, dancin' through my head
私たちがかつて口にした事。頭の中でぐるぐると舞い踊る
Wait until it all comes back to me
そのすべてを思い出すまで待って

All we ever said, we ever said
私たちがかつて口にしたすべての事

Back to me ※
それが私の元に戻るまで

※~※


備考
  1. ※ルイス・キャロル『不思議の国のアリス』第8章冒頭。アリスはトランプの庭師たちが白いバラを一生懸命赤く塗っているのを見る。赤いバラを植えるようにとのハートの女王の命令に間違って白いバラを植えてしまった庭師たちは、見つかって首をはねられる前になんとかごまかそうと必死でペンキで赤く塗っていたのだった…。
    ※上のエピソードから "paint the roses red" という言葉は「自分の間違いによって起きたまずい結果を必死になって糊塗すること」の隠喩として使われることがあるらしい。過ちによって起きてしまった事実、過去の歴史を変えることはできないが、それを隠蔽、改変し自分の都合よく見せかけることはできる、という感じだろうか。
     参考動画
     
    ※また、上記の説明がこの文の意味として適切だとすると、この一文は命令形ではなく文頭に付くべき "I" が省略されているのではないだろうか?
    right : [副詞] 正しく、公正・正当に、正確に。適当に、ふさわしく、都合よく。真っ直ぐに、まともに。全く、完全に、すっかり。すぐに、直ちに。きっかり、ちょうど
  2. carry : 運ぶ。保持する。支える。(風・水流などが物を)運ぶ、流す。
  3. come back to me : 私の元に戻る、思い出される


 2017年に発表されたシングル曲です。歌詞は抽象的でよく意味が分かりません。冒頭の動画に関しては、「私たち人間が犯してきた数々の過ちを元に戻すことや無かったことにすることはできない。そのすべてを思い出し、忘れずにいることが、せめて私たちがこれから同じ過ちを繰り返さないために必要なことである」と言っているように感じます。

Jammu : KSHMR

2017年10月08日



 <Sometimes the most courageous act is the one you don't do.>
 <時によっては、最も勇気ある行為は何もしないことである。>


 2015年に発表されたシングル曲です。歌詞を探してみたのですが残念ながら見つかりませんでした。何語かすら分かりません。ただ、この動画を紹介したかったので、動画の最後に掲げられた言葉を翻訳して、記事として掲載することにしました。
 アメリカ人のカシミアは本名を Niles Hollowell-Dhar といい、父親がインドからの移住者です。Kshmr というステージネームはインド北部の "Jammu and Kashumir ジャンムー・カシミール州" からとったものです。16世紀のムガル帝国第4代皇帝ジャハンギールがカシミール渓谷を「もし地上の天国というものがあるとしたら、それはここだ」と言ったと伝えられるほど景観の美しい地域だそうです。

 ジャンムー・カシミールの夏季州都シュリナガルのダル湖(by confused_me)
 シュリナガルのダル湖

 アザド・カシミールのニーラム渓谷(by mhaqnawaz)
 アザド・カシミールのニーラム渓谷


 カシミール地方は、国際政治的な理由から現在下の地図にあるように大きく4つに分けられています。南部のオレンジ色の部分がインドの領有するジャンムー・カシミール州、その北西に隣接する緑色の部分がパキスタンが実効支配しているアザド・カシミール、東部の縞々の部分が中国が実効支配しているアクサイチン(インド側の呼称はラダック地方の一部)、残りの北部の茶色い部分は同じくインドが実効支配しているシャクスガン渓谷です。
 そして、そのいずれも領有権をめぐって三つ巴の争いが続いている地域です。印パ戦争、中印戦争を経てもなお解決を見ないカシミール領有問題は三国が共に核兵器保有国ということもあり、その危機の高まりは世界情勢に波及する恐れがあります。一方で核兵器を持つゆえに全面戦争に陥らず、部分的な衝突や過激派を通じたテロリズムが長く続くという悲劇を招いています。

 Kashmir.jpg

 ジャンムー・カシミール州は住民のほとんどがイスラム教徒であり公用語はウルドゥ語、インドはヒンドゥ教徒が多く公用語がヒンディ語です。そのためインドからの分離独立を望む人々が多いようです。そして、それを暴力的に強行しようとするイスラム過激派組織もこの地域の内外に複数存在し、これまでテロにより多数の死者が出ています。
 インド政府の治安当局は警察や中央警察予備隊という準軍事組織、陸軍の治安部隊などを使って国内の治安維持を図っているのですが、この活動は軍事特別法、公共安全法という二つの法律に基づいて行なわれるため、法的な手続きを経ずに発砲や逮捕、拘束ができるようになっています。この法律はテロリストを取り締まるために強力な武器ではあるのですが、警察や軍隊の過剰な取り締まりや暴力を生んでいると住民からは強く批判されており、治安当局のこの過剰な暴力が過激派に入る若者を増やすという悪循環を指摘する声もあります。
 冒頭の動画は、何らかの事情で母親を殺された孤独なムスリムの少年が過激派組織に救われ、兵士として育てられる様子を描いています。大人になった彼はヒンドゥ教徒の乗るバスに乗り込み自爆テロを図ろうとしますが、後から乗ってきた母子を見て子供の頃の自分と母親を思い出すという展開になっています。
 最後に「おばあちゃんに 1940-2012」という言葉と写真が掲げられていますが、これはおそらくカシミアの祖母を指しているのでしょう。

 下の動画は毎年ベルギーで開催されている Tomorrowland という世界最大規模のEDMイベントの模様です。





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