House of the Rising Sun

2009年03月15日

House of the Rising Sun : Joan Baez




There is a house in New Orleans, they call the rising sun
ニューオリンズに「朝日」と呼ばれる建物があるんだ
And it's been the ruin of many a poor girl *1
そこは昔から、哀れな女たちが破滅の末に行き着く吹き溜まりさ
And me, oh, God, I'm one
そして私も。ああ、神よ、私もその一人なんだ

If I had listened to what my mother said
もしあの時母さんの言うことを聞き入れていれば
I'd have been at home today
私は、あれからずっと、そして今でも実家にいるだろうね
But I was young and foolish, oh, God
でも、私は若く愚かだった。ああ、神よ
Let a rambler lead me astray *2
チンピラに誘われて悪い道に走ってしまった

Go tell my baby sisters
私の妹たちに教えてやってくれない?
Don't do what I have done
私みたいになるんじゃないって
But to shun that house in New Orleans, they call the rising sun *3
ニューオリンズの「朝日」という建物には近づくんじゃないって、ね

And going back to New Orleans
これからニューオリンズに戻るんだよ
My race is almost run *4
私の行く末ももう長くはないと思うけど
I'm going back to spend my life
残りの人生を過ごすために戻らなくちゃ
Beneath the rising sun
「朝日」のもとに


備考
  1. ruin : 荒れ果てた跡、廃墟、崩壊、荒廃、没落、堕落、破滅
  2. rambler : ぶらぶら歩く人、漫然と話す人
    rambling : ぶらぶら歩く、そぞろ歩きする、散漫な、放浪性の、とりとめのない
    astray : 道に迷って、誤った状態に、正しくない方向に
    go astray : 道に迷う、紛失する、惑う、堕落する
  3. But は、前行 Don't do の not と呼応している。
    shun : 避ける、遠ざける
  4. race : 競走、競争、競馬、時の経過、人生行路、経歴
    His race is nearly run. : 彼の寿命はほとんど尽きた。
  5. beneath : ~の真下に、<重み・支配・圧迫など>のもとに

 ジョーン・バエズ(Joan Chandos Baez)は1941年ニューヨーク州生まれ。歌手、作詞・作曲家として50年のキャリアを持ち、数多くの音楽家に影響を与え続ける人物です。
 この曲は、1960年に発売されたデビュー・アルバム Joan Baez に収録されています。



The House of the Rising Sun : Dolly Parton




There is a house in New Orleans down in the Vieux Carre *1
ニューオリンズのヴュカレにある建物は
A house they call the rising sun
「朝日」と呼ばれてるんだよ
Where love and money are made
愛とカネが生み出されるところさ

My daddy he was a gambler
お父さんは博打うちだった
Mama died when I was young
お母さんはあたしが若い頃に死んじゃった
And I've worked since then
それからあたしは働き出したんだ
To please the men at the house of the rising sun
「朝日」で男たちを楽しませるために

There is a house in New Orleans, they call the rising sun
ニューオリンズには「朝日」という建物があるんだ
It's been the ruin of many a poor girl
哀れな女たちが集まる廃墟さ
And oh God, you know I'm one
そして、そうだよ、あたしもその一人。

So mothers you go telling all your daughters
だから、あんたたち。帰って自分の娘に教えてあげな
Not to do what I've done
あたしみたいな女になるんじゃないって
To live a life of sin, shame and strife *2
罪と恥辱と争いの人生を送るんじゃないって
At the house of the rising sun
「朝日」みたいな所でね

There is a house down in New Orleans, they call the rising sun
ニューオリンズの「朝日」はね
It's been the ruin of many a good girl
いい女たちが集まる廃墟なんだ
And oh God, you know I'm one
ああ、神よ。そうさ、あたしもその一人
At the house of the rising sun
「朝日」にいるんだ


備考
  1. Vieux Carre : ルイジアナ州ニューオリンズ市の旧フランス人街の一画。フランス語で「古い街区」。ちなみにニューオリンズは、フランス語のヌーヴェル・オルレアンズが英語化した名前。
    down : 下に、南に
    downtown : 中心街、繁華街、商業地区
    uptown : 住宅地区、山の手
  2. shame : 恥ずかしい思い、羞恥心、恥、恥辱、不名誉
    strife : 争い、不和、敵対

 ドリー・パートン(Dolly Rebecca Parton)は1946年テネシー州生まれ。歌手、作詞・作曲家のほか、女優としても有名だそうです。
 この曲は、1980年発売のアルバム 9 to 5 and Odd Jobs に収録されています。



House of the Rising Sun : The Animals




There is a house in New Orleans, they call the rising sun
ニューオリンズに「朝日」と呼ばれる建物がある
And it's been the ruin of many a poor boy
哀れな男たちが集まる廃墟さ
And God I know I'm one
そうさ、俺もその中の一人さ

My mother was a tailor
おふくろは仕立て屋だったんだ
She sewed my new bluejeans
真新しいジーンズを縫ってくれたよ
My father was a gamblin' man
おやじは博打うちだった
Down in New Orleans
ニューオリンズの下町で

Now the only thing a gambler needs is a suitcase and trunk *1
博打うちに必要なものは、スーツケースとトランクだけ
And the only time he's satisfied is when he's on a drunk *1
気が晴れるのは、酒を飲んでる時だけさ

Oh mother tell your children
だから、あんたも自分の子どもたちによく教えてやるんだ
Not to do what I have done
俺のような人間になっちゃいけない
Spend your lives in sin and misery in the House of the Rising Sun *2
罪深くみじめな人生を「朝日」みたいな所で送ることになってしまうからな

Well, I got one foot on the platform, the other foot on the train
ああ、わかってる。片足はプラットフォーム、片足は列車のままだったな
I'm goin' back to New Orleans
もう、行くよ
To wear that ball and chain *3
また鉄球と鎖につながれるんだ

Well, there is a house in New Orleans, they call the rising sun
そう。ニューオリンズには「朝日」という建物がある
And it's been the ruin of many a poor boy *4
そこはずっと、哀れな男たちのいる廃墟なんだ
And God I know I'm one
そうさ、俺もその一人なのさ


備考
  1. この2行は、父親と自分の両方、または「博打うち」一般について言っているように見える。
  2. misery : [名] 精神的苦痛、悲嘆、みじめさ、窮状、困窮、不幸、災い
  3. ball and chain : 鎖に金属球をつけた足かせ
  4. poor : かわいそうな、哀れな、不幸な

 アニマルズは1963年に結成されたイギリスのロックバンドです。この曲はアメリカでのデビューアルバム The Animals (1964年)に収録されています。


       ……… ……… ……… ……… ………

 House of the Rising Sun (一般的な邦題は『朝日のあたる家』)は、古くからアメリカに伝わる民間伝承曲で、作者不明とされています。1933年以降、いろいろな人たちによってレコード化されているそうですが、伝承曲のために正式な歌詞というものがなく、レコーディングの度に微妙に違った歌詞になっているようです。
 ここに掲載した3つの中では、ジョーン・バエズの歌詞がもともと流通していたものにいちばん近いそうです。ジョーン・バエズとドリー・パートンは女からの視点、アニマルズは男からの視点で歌っています。
 House of the rising sun は、ジョーン・バエズとドリー・パートンの歌詞では娼館を指していると思われますが、アニマルズの歌詞では実は明確ではありません。私ははじめ監獄だと思っていたのですが、ネットで調べたところ欧米の人たちは監獄だと解釈する人は少なく、賭場を兼ねた娼館と解釈する人が多いようです。その場合、歌詞後半の ball and chain は文字通りの拘束具ではなく、精神的に拘束され抜け出せないものという比喩だとされます。そして、片足を列車にかけているという歌詞は、堕落した生活から立ち直らなければと思いながらも酒・博打・女の魅力に負けてしまうということの表現となっています。やはり、英語は難しいです。
 こうして3つ並べて聞くと、歌というのは解釈とアレンジ次第で大きく印象が変わるものだと感じます。ジョーン・バエズのは元々のフォーク調、ドリー・バートンはポップス調、アニマルズはロック調といえばいいのでしょうか。歌い手の嗜好や思想によってこうも変わるものかと感慨深いです。三者三様で、私はどれも好きなのですが、電子オルガンを使ったアニマルズの演奏はほんとうに格好いいと思います。




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