Óró sé do bheatha 'bhaile

2016年05月31日

Óró sé do bheatha 'bhaile : Sinéad O'Connor




※ Óró, sé do bheatha bhaile(Oh-ro, welcome home)
お帰りなさい
óró, sé do bheatha bhaile(Oh-ro, welcome home)
お帰りなさい
óró, sé do bheatha bhaile(Oh-ro, welcome home)
お帰りなさい
anois ar theacht an tsamhraidh.(Now that summer's coming!) ※
もうすぐ夏が来る

'Sé do bheatha, a bhean ba léanmhar(Hail, oh woman, who was so afflicted,) *1
苦しめられた彼女を声を上げて歓迎しよう
do bé ár gcreach tú bheith i ngéibhinn(It was our ruin that you were in chains,) *2
あなたが囚われたことは我らの破滅に等しかった
do dhúiche bhreá i seilbh meirleach(Our fine land in the possession of thieves...) *3
我らの美しい土地が盗人のものになった
's tú díolta leis na Gallaibh.(While you were sold to the foreigners!) *4
あなたが異国の者たちに従わされている間に

※~※

Tá Gráinne Mhaol ag teacht thar sáile(Gráinne Mhaol is coming over the sea,) *5
グラニュウェルが海を越えて戻って来る
óglaigh armtha léi mar gharda,(Armed warriors as her guard,)
彼女を護衛する武装兵は
Gaeil iad féin is ní Francaigh ná Spáinnigh(They are Gaels, not French nor Spanish...) *6
皆ゲール人だ。フランス人でもスペイン人でもない
's cuirfidh siad ruaig ar Ghallaibh.(and they will rout the foreigners!) *7
彼らが異国の者たちを完全に打ち負かすだろう

※~※

A bhuí le Rí na bhFeart go bhfeiceam(May it please the King of Miracles that we might see,) *8
どうか、神よ。我らに見せて下さい
muna mbeam beo ina dhiaidh ach seachtain(Although we may live but one week after,) *9
たとえ我らの命があと一週間しかないとしても
Gráinne Mhaol agus míle gaiscíoch(Gráinne Mhaol and a thousand warriors...)
グラニュウェルと千人の兵士たちが
ag fógairt fáin ar Ghallaibh.(Dispersing the foreigners!) *10
異国の者たちを雲散霧消させる様を

※~※

◎歌詞は Wikipedia より引用。原文はゲール語で右の括弧内はその英訳。和訳は括弧内の英文を翻訳した。

備考
  1. hail : 挨拶する、歓迎する、熱烈に是認する。喝采を送る。
    Hail to the king! : 国王万歳
    afflict : ひどく苦しめる、悩ます、さいなむ
  2. ruin : 遺跡、廃墟。崩壊・荒廃した物、状態。崩壊、没落、滅亡、衰亡、破滅。
    a person's ruin : 破壊・滅亡・没落・破滅させるもの(その原因)
    Alcohol was his ruin. : 彼は酒で身を滅ぼした
  3. be in the possession of ~ : (物が)~に所有されている
    be in possession of ~ : (人が)~を所有している
    thief : 泥棒、盗人
  4. sell : 売り込む、宣伝する。納得させる、受け入れさせる
    ※ここでの "were sold" は「売られた」では文脈が通じないと思い、"sell" を上のような意味だと判断して訳したが間違っているかもしれない。
  5. Gráinne Mhaol : Grace O'Malley(グレイス・オマリー, 1530-1603)の通り名。ゲール語の発音を英語表記すると "Granuaile"。元はアイルランドの一部族の族長の娘だったが、長じて海賊の首領になり「海賊女王」の異名を馳せるほど恐れられた。敵対するイギリスの女王エリザベス1世と一対一で交渉したことでも有名。
  6. Gael : ゲール人。中央アジアからヨーロッパへ渡来したケルト系民族。アイルランドやスコットランドに現存する。
  7. rout : 敗走させる、完全に打ち負かす、完敗させる、圧勝する、大勝する
  8. May it please you. : 御意にかないますように
    May it please your Majesty. : 御意にかないますように、恐れながら陛下に申し上げます
    the King of Miracles = Rí na bhFeart : ゲール語で "神" を表す言葉らしい。
  9. but : [副] ただ、ほんの、たった、つい。ただ~するだけ、少なくとも~、ともかく~
  10. disperse : 四方に散らす、散り散りにする。雲・霧を消散させる。


 2002年のアルバム "Sean-Nós Nua" より。アイルランドの伝承歌であるこの曲はその起源ははっきりとしていません。"Óró, sé do bheatha bhaile" のコーラス部分は、元々は花婿が花嫁を自分の家に迎え入れる "hauling home" という儀式で歌われていたという説があります。その後この曲にはさまざまな歌詞が付与されて歌われてきたようです。
 掲載した歌詞は、アイルランドの民族主義者でイースター蜂起の指導者の一人であるパトリック・ピアスが20世紀になって書いた比較的新しいものです。この歌詞の元になるものとして、イギリス名誉革命の反革命勢力であるジャコバイトを題材にしたバージョンの歌詞もあり、対イギリス抵抗歌として歌われていました。パトリック・ピアスは、その歌詞を一部使いながら、女海賊としてイギリス商船を恐れさせエリザベス女王と対等に渡り合ったグラニュウェルを主役にして、同じくイギリスに対する抵抗の歌にしています。『麦の穂をゆらす風』という映画でも印象的に使われていました。

   

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Take Me To Church : Sinéad O'Connor

2015年12月12日




I don't wanna love the way I loved before
昔のようなやり方で愛したくはない
I don't wanna love that way no more
もうあんな愛し方はいやだ
What have I been writing love songs for?
何のために私は愛の歌を書いてきたんだろう?
I don't wanna write them anymore
もう、あんなものを書きたくない
I don't wanna sing from where I sang before
昔歌っていた場所から歌い始めたいとは思わない
I don't wanna sing that way no more
もうあんな歌い方はしたくない
What have I been singing love songs for?
何のために私は愛の歌を歌ってきたんだろう?
I don't wanna sing them anymore
もうあんなものを歌いたくない
I don't wanna be that girl no more
もうあんな女になりたくない
I don't wanna cry no more
もう泣きたくない
I don't wanna die no more
もう死にたくない
So, cut me down from this here tree
だから私を切って落として。ここにあるこの柱から
Cut the rope from off of me
このロープを私から切り離して
Set me on the floor
私を床に座らせて
I'm the only one I should adore *1
私こそ、私が崇めるべき唯一のもの

※ Oh, take me to church
私を教会へ連れて行って
I've done so many bad things it hurts
私はたくさんの悪い行いをした。そして、傷つき傷つけた
Yeah, take me to church
私を教会へ連れて行って
But not the ones that hurt *2
だけど人を傷つけるような教会はだめ
'Cause that ain't the truth *3
そこには真実は存在しないから
And that's not what it's for *4
そして、それは真実のためにあるものではないから
Yeah, take me to church
私を教会へ連れて行って
Oh, take me to church
教会へ連れて行って
I've done so many bad things it hurts
私はたくさんの悪い行いをした。それは辛いことでもあった
Yeah, get me to church *5
私を教会へ連れて行って
But not the ones that hurt
だけど人を傷つけるような教会はだめ
'Cause that ain't the truth
そこには真実は存在しないから
And that's not what it's for ※
そして、それは真実のためにあるものではないから

I'm gonna sing. Songs of loving and forgiving
私はこれからも歌っていくだろう。愛することと許すことの歌を
Songs of eating and of drinking
食べることと飲むことの歌を
Songs of living. Songs of calling in the night *6
生きることの歌を。夜の召命の歌を
'Cause songs are like a bolt of light
なぜなら、歌は落雷の光のようなものだから
And love's the only love you should invite *7
そして、あなたが招き寄せるものだけが本当の愛だから
Songs of longings but fulfilled *8
切望の歌、ただし叶えられた望みの歌を
Songs that won't let you sit still
座り込んでいるあなたをほったらかしにしないような歌を
Songs that mend your broken bones
あなたの砕かれた骨を治す歌を
And don't leave you alone
あなたを一人きりで置き去りにしない歌を
So get me down from this here tree
だから、私をこの柱から降ろして
Take the rope from off of me
このロープを解いて
Set me on the floor
この床に立たせて
I'm the only one I should adore
私こそ、私が崇める唯一のもの

※~※


備考
  1. adore : 深く敬慕・敬愛する、熱愛する、崇拝する。大好きである。礼拝する
  2. "Do not take me to the ones that hurts." または "Take me not to the ones that hurts." なのだろうか。
  3. ここでは "ain't = has not" だろうと思う。
  4. "what it's for" のニュアンスが分からないので、想像で訳してある。
  5. get ~ to … : ~を…に到着させる、連れて行く
  6. calling : 呼ぶこと、呼び声。召集、呼び出し、召喚。訪問。天職、生業。神のお召し、召命
  7. invite : 招く、招待する。求める、請う。招来する、引き起こす。誘う、そそのかす、駆り立てる
  8. longing : あこがれ、熱望、切望
    fulfill : 計画・約束・予言等を実行する、果たす、実現する、成就する。夢をかなえる


 2014年のアルバム "I'm Not Bossy, I'm the Boss" より。シネイド・オコナーは1966年12月生まれですからアルバム発表時には48歳です。彼女の信仰心に敵対するカトリック教会への思い、また自らの過去の信仰や行いに対する自省や未来へ向けた覚悟などが歌われています。表現された言葉がどのような具体的な出来事を指すのかは分かりませんが、50年近い人生を経て初めて書けた歌詞なのだろうと思います。

Reason with Me

2015年01月26日

Reason with Me : Sinéad O'Connor




Hello, you don't know me *1
こんにちは。初めてお会いするね
But I stole your laptop and I took your TV
でも、(実は)私はあなたのパソコンを盗んだ。テレビも取った
I sold your Granny's rosary for 50p *2
あなたのおばあちゃんのロザリオも50ペンスで売り払った
And I even pulled an old hijack *3
昔だってひどい事をしていた
Said I had a hypodermic in me backpack *4
口では言ってた。背負い鞄には注射器が入ってるって
But I was only bluffing *5
でも、私はただ虚勢を張ってただけ

Oh, so long I've been a junkie *6
長い間麻薬中毒だった
I ought to wrap it up and mind my monkeys *7
私はこの過去を包み込んで整理し、騒ぎ立てる煩悩を抑えなくちゃならない
I really want to mend my ways *8
本当に生き方を改めたいと思う
I'm gonna call that number one of these days *9
最近ようやくこれがいちばん大切だと思えるようになった
It's not too late
遅すぎはしないでしょう

I'm the one who sits in the bathroom
私は浴室で一人座り込むような人間
I'm the one who doesn't know how to have fun
私は楽しみ方を知らない人間
I'm the one to smoke a mist all around me *10
私は自分の回りに霞をかけるような人間
Cause I don't like no one around me *11
だって、好きじゃない。自分の近くには誰もいらない
Cause if I love someone, I might lose someone
だって、もし誰かを愛したら誰かを失うかもしれない
If I love someone, I might lose someone
誰かを愛したら誰かを失うかもしれない

Oh, so long I've been a junkie
長い間麻薬中毒だった
I ought to wrap it up and mind my monkeys
私はこの過去を包み込んで整理し、騒ぎ立てる煩悩を抑えなくちゃならない
I really want to mend my ways
本当に生き方を改めたいと思う
I'm gonna call that number one of these days
最近ようやくこれがいちばん大切だと思えるようになった

I'm gonna reach a hand out to you
私は、あなたに手を伸ばそうとしている
Say "Would you pull me up? Now could you?" *12
言おうとしている。よかったら、もしできれば、私を叱ってくれませんか
I don't want to waste the life God gave me
私はもう、主が与えてくれたこの命を無駄にしたくない
And I don't think that it's too late to save me
そして、自分を救うのがもう手遅れだとは思わない
It's not too late
遅すぎはしない

Reason with me *13
私を教え諭してください
Let's reason together
お互いに教え諭しましょう


備考
  1. you don't know me : 「あなたは私を知らないが、私はあなたを知っている」と次行につながるニュアンスだろうか?
  2. granny : おばあちゃん
    rosary : カトリックで用いられる数珠状の祈りの用具。
    50p : 50ペンス白銅貨。100ペンスが1ポンドに当たる。現在の為替相場では1ポンド=176円。
  3. pull : 犯罪等をやってのける、詐欺等を行なう、人の驚くことをやってのける、悪事を働く・しでかす
    hijack : 移動中の乗り物を強奪する、移動中の乗り物から人や物を強奪する、ハイジャックのように物を盗む・着服・私物化する
  4. hypodermic : 皮下注射(器・薬)
  5. bluff : はったりで(虚勢を張って)人をだます、こけおどしで~させる、威嚇して~をやめさせる、はったりで~のふりをする
  6. junkie : 麻薬中毒(常習)者、やみつきの人、マニア、熱狂的なファン
  7. mind : 気をつける、注意する、世話をする、(疑問・否定文で)嫌だと思う・気にする・構う・迷惑に思う
    monkey mind : 心猿。欲情や煩悩が抑えられない心の様子を騒ぎ立てる猿にたとえた言葉
  8. mend one's way : 行いを改める、生き方(習慣)を変える
  9. call : 大声で言う、呼ぶ、電話する、名付ける、見なす・思う・考える、呼び名で呼ぶ
    nomber one : 一番、第一級、第一人者、自己・自分・自己の利益、最も大事なもの
  10. smoke : 煙を出す、喫煙する、煙らす、いぶらす
    mist : 霧、霞、靄(fog より薄く haze より濃い)。
  11. ※ここは「誰もいないのは好きじゃない=誰かがいるのが好き」という二重否定=肯定ではなく、二重否定=否定だろう。
  12. pull up : 間違ったことをしている人を制止する・考え直させる、引き抜く、引き寄せる、引き上げる、馬を止める
  13. reason with : 道理を説く、説得する、諭す、言い聞かせやめさせる


 2012年のアルバム "How About I Be Me (And You Be You)?" より。人は、泣いたり笑ったり、怒ったり喜んだり、孤独を恨んだり人付き合いに悩んだり、目的に向かって努力したり自暴自棄になったりしながら、数十年の短い一生を過ごします。そして、どんな境遇の人間も自分の人生を他人に代わってもらうことはできず、言い換えればどんな他人もその人の人生を楽しむあるいは味わうことはできません。そして、その人の人生は、他人には決して理解できないかけがえのない価値を持っています。「殺すな」という倫理は、このような意味でどんな民族や宗教においても最高の規範であるべきだと思います。



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