Riders on the Storm : The Doors

2016年11月22日




Riders on the storm *1
嵐に乗る者たち
Riders on the storm
嵐に乗る者たち
Into this house we're born
この家に私たちは生まれた
Into this world we're thrown
この世界に私たちは投げ出された
Like a dog without a bone *2
噛り付く骨を持たない犬のように
An actor out on loan *3
他の劇場に貸し出された俳優のように
Riders on the storm
嵐に乗る者たち

There's a killer on the road
道の上には殺人者がいる
His brain is squirmin' like a toad *4
その脳は蟇蛙のようにのたくっている
Take a long holiday
長い休みをとり
Let your children play
子供たちを遊ばせに行くお前
If you give this man a ride
もしもこの男を乗せてしまえば
Sweet family will die
大切な家族が死ぬ事になる
Killer on the road, yeah
路上の殺人者だ

Girl, you gotta love your man
女よ。お前の男を愛せ
Girl, you gotta love your man
女よ。お前の男を愛せ
Take him by the hand
彼の手を取り
Make him understand
理解させてやれ
The world on you depends *5
この世界は自分次第でどうにでもなるのだと
Our life will never end *6
人の生命は終わることがないのだと
Gotta love your man, yeah
お前の男を愛せ

Riders on the storm
嵐に乗る者たち
Riders on the storm
嵐に乗る者たち
Into this house we're born
この家に私たちは生まれた
Into this world we're thrown
この世界に私たちは投げ出された
Like a dog without a bone
噛り付く骨を持たない犬のように
An actor out on loan
他の劇場に貸し出された俳優のように
Riders on the storm
嵐に乗る者たち

Riders on the storm
嵐に乗る者たち


備考
  1. ride on : ~に乗る。"ride" は元々は「馬に乗る」の意。
    rider : 1. 馬やオートバイ、自転車等の操縦者。2. 乗り物一般の乗客。※自動車の運転者には通常 driver を使う。
    ※「嵐に乗る者」という表現は、「嵐にまたがる→嵐を操縦する」の語感から「不穏や災厄とともに生きざるを得ない、不穏や災厄をもたらすものとして存在するしかない」という感じがする。
  2. be like a dog with a bone : 一つの物事に固執してそれから離れようとしない、粘り強く(根気強く)しつこい(諦めようとしない)
    ※ "dog without a bone" は慣用句とまでは言えない比喩表現で、場合によりいくつかの意味が想像できる。例えば、目的の喪失、不完全さ、庇護者の不在=孤独、動機の不在、などだろうか?
  3. lone : 貸付金、融資、借金。貸与、貸付、一時的な使用許可。借用語、外来語。他社への一時的な勤務、出向
    out on loan : 貸し出し中の、貸し出されている
    ※この一行も比喩表現で、前行と同じように、確固とした目的が持てない、強い動機を保つものがない、目的や動機を探し求めている等の意味合いではないだろうか。
  4. squirm : 身をよじる、身悶えする、もじもじする、恥ずかしがる、決まり悪そうな顔をする、落ち着かない。のたくる、もがいて~に入る、もがいて~逃れる、体をくねらせる。
    toad : ヒキガエル(ガマガエル、イボガエル)。嫌な奴、いけ好かない人
  5. depend on ~ : ~を信頼する、当てにする。~に頼る、依存する。~によって決まる、~次第である
    ※正しい語順は "The world depends on you" だが次の文末の "end" と韻を踏ませるために "depends" を文末に置いたのだろう。
    ※この "you" は "Girl" ではなく "your man" を指しているように見える。
  6. ※ "Our" は「女と男」の二人を指すのだと思うが、訳しにくかったため「人間一般」とした。おそらく意味は大きくは変わらないと思う。


 1971年のアルバム "L.A. Woman" より。Wikipedia によれば、バンドメンバーのロビー・クリーガーが、この歌は1948年に作られた "(Ghost) Riders in the Sky" というカントリーソングの影響を受けていると語っているそうです。また、ジム・モリソンは、ヒッチハイクをかこつけて2ヵ月足らずで6人を殺し死刑になった殺人犯ビリー・クック(William Edward Cook Jr. 1928-1952)の事をインタビューで語っているそうです。
 歌詞の趣旨はあまりよく分かりません。意味もなくこの世に放り出され生まれてくる人間たち、意味もなく殺したり意味もなく殺されたりする人間たちを描きながらも、"愛" という概念だけは捨て去ることができず、そこからわずかでも生きる意味を見出したいという願望が表されているように感じました。
 参考までに、カントリーソングの歌詞も下に翻訳しておきます。なお、この歌の曲調は "When Johnny Comes Marching Home" という歌を元にしています。


Ghost Riders in the Sky : Burl Ives


Ghost Riders in the Sky : Johnny Cash

An old cowboy went riding out one dark and windy day
薄暗く風の強い日。一人の老いたカウボーイが馬に乗り出かけた
Upon a ridge he rested as he went along his way
途中、山の尾根で休んでいると
When all at once a mighty herd of red eyed cows he saw
突然、赤い目をした牛たちの力強い群れが見えた
A-plowing through the ragged skies and up the cloudy draw
荒れた空を雲間を耕すように進んでいる
Yippie yi yaaaay, Yippie yi ohhhhh
The ghost herd in the sky
空に群れをなす亡霊たち

Their brands were still on fire and their hooves were made of steel
その焼印にはまだ火がついている。その蹄は鋼で出来ている
Their horns were black and shiny and their hot breath he could feel
その角は黒く輝いていた。男には牛たちの熱い息が感じられた
A bolt of fear went through him as they thundered through the sky
その群れが空を轟かせ行き過ぎた時、雷のような恐怖が彼を突き抜けた
For he saw the Riders coming hard and he heard their mournful cry
凄い勢いで現れた馬上の者たちの姿と彼らの悲痛な叫び声に
Yippie yi yaaaay, Yippie yi ohhhhh
Ghost Riders in the sky
空を翔る馬上の亡霊たち

Their faces gaunt, their eyes were blurred, their shirts all soaked with sweat
痩せ衰えた顔、虚ろな眼差し、汗で濡れたシャツ
He's riding hard to catch that herd, but he ain't caught 'em yet
男は必死で群れを追ったが、追いつくことはできなかった
'Cause they've got to ride forever on that range up in the sky
彼らは、天空の放牧地を永遠に走り続ける運命にあった
On horses snorting fire
火を吹きながら鼻をならす馬の上で
As they ride on hear their cry
走らせるほどに悲鳴を上げる馬の上で
Yippie yi yaaaay, Yippie yi ohhhhh
Ghost Riders in the sky
空を翔る馬上の亡霊たち

As the riders loped on by him he heard one call his name
亡霊たちが彼の側を走り去る時、その一人が男の名を呼んだ
If you want to save your soul from Hell a-riding on our range
この地獄のような放牧地から逃れて、自分の魂を救いたいと思うのなら
Then cowboy change your ways today or with us you will ride
今日は道を変えろ。さもないと、俺たちと同じようになるぞ
Trying to catch the Devil's herd, across these endless skies
この悪魔の群れを追い続け、果てのない空を駆け続けることになる
Yippie yi yaaaay, Yippie yi ohhhhh
The ghost herd in the sky
空に群れをなす亡霊たち
Ghost Riders in the sky
空を翔る馬上の亡霊たち

Break On Through (To The Other Side)

2013年03月24日

Break On Through (To The Other Side) : The Doors




You know the day destroys the night
昼は夜を破壊するが
Night divides the day *1
夜も昼を分割する 
Tried to run
逃げようとしたのに
Tried to hide
隠れようとしたのに

Break on through to the other side *2
当たって砕けろ。そして突き抜けろ。どこか反対側の世界へ

We chased our pleasures here *3
ここで俺たちは快楽を追いかけた
Dug our treasures there
あそこで宝物を掘った
But can you still recall
だがお前は思い出せるか
The time we cried
俺たちが泣きわめいた頃を

Break on through to the other side
当たって砕けろ。そして突き抜けろ。どこか反対側の世界へ

Everybody loves my baby
みんな俺の彼女を愛してる
She gets high
彼女はラリってる

I found an island in your arms
お前の腕に島を見つけた
Country in your eyes
お前の目に国を見つけた
Arms that chain
腕。それは縛りつけ
Eyes that lie
目。それは嘘をつく

Break on through to the other side
当たって砕けろ。そして突き抜けろ。どこか反対側の世界へ
Break on through
打ち当たって、突き抜けろ

Made the scene *4
派手にやったのに
Week to week
毎週
Day to day
毎日
Hour to hour
毎時間
The gate is straight
門はまっすぐに立っている
Deep and wide
深く、広い

Break on through to the other side
当たって砕けろ。そして突き抜けろ。どこか反対側の世界へ
Break on through
打ち当たって、突き抜けろ


備考
  1. devide : 分ける、分割する、隔てる、分配する、時間配分する、人の仲を裂く
  2. break through : 突破する、突進する、打ち破る
    The waves broke on the shore. : 波が岸に砕けた。
    the other side : 反対側、死後の世界
  3. chase : 追いかける、追跡する、獲物を狩る、追い求める、追い回す
    pleasure : 喜び、楽しさ、愉快、快楽、娯楽
  4. make a scene : 派手にやらかす、華々しく現れる、醜態をさらす
    make the scene : 催し・行事に参加する(特定の場に居る・現れる)、状況を理解(意識)する、社交に活発である


 デビューアルバム The Doors (1967年)より。
 ドアーズは1960年代の麻薬やセックスを礼賛する文化を象徴するバンドの一つであり、この歌も退廃的で耽美的な雰囲気があります。ただ、拘束と虚偽に満ちた世界を打ち壊して違う世界あるいは死の世界へ行きたいという願望が述べられた歌詞には、退廃や諦めだけではなく現実の世界に対する批評性も感じます。

The End : The Doors

2012年08月17日




This is the end, Beautiful friend
終わりだ。美しい友よ
This is the end, My only friend, the end
これで終わりだ。ただ一人の友よ
Of our elaborate plans, the end *1
俺たちの入念な計画の終わりであり
Of everything that stands, the end
立ち尽くすすべてのものの終わりだ
No safety or surprise, the end
安全も驚きもない終わり
I'll never look into your eyes again
俺はもうお前の目を覗き込むことはない
Can you picture what will be, so limitless and free
思い描けるか? 限りのない自由の姿を
Desperately in need of some stranger's hand *2
見込みもなく見知らぬものの手を必要としながら
In a desperate land
絶望的な国で

Lost in a Roman wilderness of pain
ローマの痛みの荒野に迷い
And all the children are insane, all the children are insane
子どもたちはみな正気を失い、子どもたちはみな正気を失い
Waiting for the summer rain, yeah
夏の雨を待っている

There's danger on the edge of town
町のはずれは危険だ
Ride the King's highway, baby *3
王の道を行け
Weird scenes inside the gold mine *4
金鉱の中には奇妙な景色
Ride the highway west, baby
西へ向かえ
Ride the snake, ride the snake to the lake, the ancient lake, baby
蛇に乗れ。蛇に乗り湖を目指せ。古代の湖だ
The snake is long, seven miles
蛇は長く、7マイルもある
Ride the snake, he's old, and his skin is cold
蛇に乗れ。蛇は年老い、その肌は冷たい
The west is the best, the west is the best
西は最高だ、西は最高だ
Get here, and we'll do the rest
そこに着けば俺たちは安息を得られるだろう
The blue bus is callin' us, the blue bus is callin' us *5
青いバスが俺たちを呼んでいる、青いバスが俺たちを呼んでいる
Driver, where you taken' us
運転手よ。俺たちをどこへ連れて行く?

The killer awoke before dawn, he put his boots on
殺人者は夜明け前に目覚め、ブーツをはく
He took a face from the ancient gallery and he walked on down the hall
彼は古代の画廊から顔を一つもらい、廊下を歩いた
He went into the room where his sister lived, and, then he
妹の住む部屋へ行った。そして
Paid a visit to his brother, and then he *6
弟の所に立ち寄った。そして
He walked on down the hall, and
廊下を歩いた。そして
And he came to a door, and he looked inside
ある扉の前で中を覗き込んだ
Father, yes son, I want to kill you
「父さん」「何だ」「あなたを殺したい」
Mother, I want to, …!…!…!
「母さん。あなたが、欲しい」

C'mon baby, take a chance with us
おいで。俺たちと一緒にやってみよう
C'mon baby, take a chance with us
おいで。俺たちと一緒にやってみよう
C'mon baby, take a chance with us
おいで。俺たちと一緒にやってみよう
And meet me at the back of the blue bus
青いバスの後ろで会おう
Doin' a blue rock, on a blue bus
憂鬱なロックをやろう。青いバスに乗って
Doin' a blue rock, c'mon, yeah
憂鬱なロックをやろう。さあ

Fuck, fuck yeah, fuck, fuck, fuck fuck fuck yeah, Come on baby, fuck me baby, fuck yeah
やれ。やれ。俺をやれ
Hey, fuck fuck, fuck… yeah, Fuck me, yeah, Come on baby, fuck me baby
さあ、俺をやってくれ
Fuck fuck, whoah, whoah yeah, Yeah, fuck yeah, Come on, huh huh huh yeah, All right...
やれ。やれ。さあ、そうだ、ああ、それでいい

Kill, kill, kill, kill, kill, kill
殺せ、殺せ、殺せ

This is the end, beautiful friend
終わりだ、美しい友よ
This is the end, my only friend, the end
これで終わりだ、ただ一人の友よ
It hurts to set you free
終わりはお前を傷つける。お前を自由にするために
But you'll never follow me
でもお前は俺についてこれないだろう
The end of laughter and soft lies
笑いとやさしい嘘の終わり
The end of nights we tried to die
俺たちが死のうとした夜の終わり
This is the end
これで終わりだ


備考
  1. elaborate : 苦心して作り上げた、念入りな、精巧な、労を惜しまない、丹念な
  2. be in need of : (人・物が)~を必要としている
    desperate : 自暴自棄の、破れかぶれの、欲しくてたまらない、絶望的な、見込みのない、必死の
  3. King's highway : 王の道。エジプト北部からシナイ半島を東へ横断し、ヨルダン川を渡って北上、シリアのダマスカスへと抜ける古代の幹線道路。
  4. weird : 異様な、風変わりな、奇妙な、超自然な、不可思議な
  5. blue bus : オキシモルホンの錠剤の隠語。モルヒネの10倍の鎮痛・麻酔作用を持ち、依存性が高い。
  6. pay a visit : ちょっと訪れる


 デビューアルバム The Doors (1967年)より。この有名な曲は昔から数多くの解釈がなされており、今更私などが訳すのもおこがましいくらいです。なので、ここで改めて私見を述べようとは思いませんが、個人的には、死と再生、絶望の果ての希望、痛みを伴う成長などのイメージが浮かんだことだけを記しておきます。
 この歌はベトナムに従軍した若者たちが好んで聞いたという話をどこかで読んだことがあります。それで連想するのが映画『地獄の黙示録』(1979年、米国。フランシス・フォード・コッポラ監督)でこの曲が使われていたことです。私がこの歌を知ったのもこの映画を見た時でした。
 現実の戦争を何らかの作品の題材にすることはかなり危険なことではないかと思います。この映画の原案はコンラッドの『闇の奥』という小説ですが、ウィキペディアによるとコッポラ監督は他にもいろいろな文学作品を台詞や場面、設定などに取り入れたそうです。おそらく人間精神の深奥を狂気を軸として叙事詩的、神話的に描きたかったのではないかと思います。
 この映画は技術的・娯楽的にはとても優れた作品だと思いますが、致命的な欠点は見る者にベトナム戦争自体への関心を薄れさせることです。おそらくコッポラ監督自身もベトナムなどに大した関心はなかったのではないかとさえ思えます。現実の戦争、しかも現代の戦争を描くのならば、少なくとも戦争に対する自身の何らかの評価を込めるべきではないかと思います。表現の自由という観点からは芸術家がどのようなものを作ろうとそれ自体を非難することはできないでしょうが、あの時代に生きたアメリカ人としてベトナム戦争に対する評価をしないままでそれを題材にししかもテーマは戦争とはなんの関係もないというのは私には到底理解できない心情です。実はここにはコッポラやコンラッドらの西洋白人文明自体が持つ異文化に対する無意識的な蔑視、軽視が表れているのではないかと思います。
 戦争を題材にした映画で私が最も影響を受けたのは『ゆきゆきて、神軍』(1987年、原一男監督)です。奥崎謙三という稀有な人物のドキュメンタリーであるこの映画は、ニューギニア戦線の生き残りの彼が死んでいった仲間たちの弔いのために自分の後半生を捧げる様子を描いたものです。といっても彼の行動は、天皇にパチンコ玉を発射したり、朝日新聞社長襲撃計画を立てたり、元上官を殺害するシーンを撮ることを監督に要請したりと、常人にはついていけない狂気に満ちたものでした。これは彼の特異な非社会的人格によるものなのでしょうが、その特異性を生み出したものがかの戦争だったことは間違いありません。彼は犯罪者でありその行動は思想的に擁護できるものではありませんが、私のような戦争を知らない人間にとってとても衝撃的な映画でした。上官による部下の殺害や食人などが当事者の肉声で語られており、資料的価値も高いものだと思います。

   
   
   
   

 ドアーズの歌から離れ繰言を書いてしまいました。ご容赦ください。




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