Wreath : Perfume Genius

2017年11月03日




Burn off every trace
すべての痕跡を焼き払い
I wanna hover with no shape
姿形もなくして宙を舞いたい
I wanna feel the days go by
日々が過ぎるのを感じたい
Not stack up
一所に積み重なることなく

Running up that hill *1
あの丘に駆け上って
I'm gonna call out every name
すべての名前を呼び上げよう
Until the one I'm meant to take
私の運命の人が
Sends her dove *2
彼女の鳩を送ってくれるまで

I see the sun go down
夕日が見える
I see the sun come up
朝日が見える
I see a light beyond the frame
「枠」の遙か向こうに光が見える
I see the sun go down
沈む太陽が見える
I see the sun come up
また昇る太陽が見える
I see a wreath upon the grave
墓石にかけられた花冠が見える

Needless, free
必要が無い。制約が無い
No light, no sound
光が無い。音が無い
Gone and spent
過ぎ去り尽くされ
I'm high, I'm out
気分は最高。私は抜け出した

I see the sun go down
夕日が見える
I see the sun come up
朝日が見える
I'm moving just beyond the frame
この「枠」の向こうに進もう
I see the sun go down
沈む太陽が見える
I see the sun come up
また昇る太陽が見える
I see a wreath upon the grave
墓石にかけられた花冠が見える

Burn off every trace
すべての痕跡を焼き払い
I wanna hover with no shape
姿形もなくして宙を舞いたい
I wanna feel the days go by
日々が過ぎるのを感じたい
Not stack up
一所に積み重なることなく

Running up that hill
あの丘に駆け上って
I'm gonna peel off every weight
重みをすべて脱ぎ去ろう
Until my body gives away *3
この体が私を手放し
And shuts up
黙り込むまで

I see the sun go down
夕日が見える
I see the sun come up
朝日が見える
I'm moving just beyond the frame
この「枠」の向こうに進もう
I see the sun go down
沈む太陽が見える
I see the sun come up
また昇る太陽が見える
I see a wreath upon the grave
墓石にかけられた花冠が見える


備考
  1. ケイト・ブッシュの "Running Up That Hill" という曲は、男と女がその役割を交換することができるならもっと互いに理解し合えるのではないかという思いを歌っており、それを敷衍すると女である自分の殻を脱ぎ捨てたいという心情も込められている歌にも見える。
  2. dove : 鳩。純潔、柔和、愛情、平和、聖霊。
  3. ※マイク・ハドレアスは同性愛者であることで十代の頃から数々の迫害を受けており、また、クローン病という難病に罹っている。"my body" という言葉にはそうした自らの肉体に対する違和感が込められているように見える。彼自身はあるインタビューでこのことを「自分の体に "betray 裏切る・背く" されたように感じる」と語っている。


 2017年のアルバム "No Shape" より。パヒューム・ジーニアス(本名 Mike Hadreas)を知ったのは五年前でこのブログにコメントをいただいた方に教えてもらいました。その時には、暗く繊細で、壊れやすいガラス細工のような危うい印象を持ったことを覚えています。今年発表されたアルバムには、繊細さはそのままに洗練されたポップな明るさを得て、何かを突き抜けて転生したかのような美しい歌が並んでいます。
 曲名の wreath は肉体的な死を超えてなお存在する魂の美しさを象徴しているのでしょうか?

Dark Parts / Hood

2012年08月21日

Dark Parts : Perfume Genius




The hands of God were bigger than grandpa's eyes
神の手はおじいさんの目より大きいはずなのに
But still he broke the elastic on your waist *1
おじいさんはあなたの腰のベルトを引きちぎった
But he'll never break you, baby
でも、彼はあなたを傷つけることはないよ、母さん
But he'll never break you, baby
彼はもうあなたを傷つけることはないんだよ、母さん

The hands of God were bigger than grandpa's eyes
神の手はおじいさんの目よりも大きい
But he's long gone
おじいさんはとうにいなくなったのだから

The love you feel is strong
あなたの受ける愛は強い
The love you feel is stronger
何よりも強いのだから

I will take the dark part
僕が暗闇を引き受けるよ
Of your heart into my heart
あなたの心から僕の心へと
I will take the dark part
僕が暗闇を引き受けるよ
Of your heart into my heart
あなたの心から僕の心へと

備考
  1. elastic : [名] ゴムひも(糸・テープ)、靴下止め [形] ゴム製の、弾力のある、しなやかな
    ※この歌詞ではおそらくスカートやズボンのウェスト部分もしくはベルト類を指すのだと思う。


 Perfume Genius はアメリカの歌手 Mike Hadreas(マイク・ハドレアス)のステージ名です。彼のことはコメントをくださった植杉レイナさんに教わりました。
 この歌は彼が母親のために作った歌だそうです。The hands of God were bigger than grandpa's eyes の部分がうまく理解できませんが、彼女が父親から性的虐待を受けていたことをうかがわせる歌詞だろうと思います。とても美しく繊細な声と曲作りで、歌詞に見られる彼の優しくかつ強い精神と相まって、深く私の心に響きました。素晴らしい芸術家を紹介して下さった植杉さんに感謝します。



Hood : Perfume Genius




You would never call me baby
君は「可愛い」と呼んでくれなくなるだろう
If you knew me true
もし君が本当の僕を知ったなら
Oh, but I waited so long for your love
ああ、でも僕は君の愛を長く長く待ち望んだ
I am scared baby that I can't keep it up for long
僕は怖い。その長さに耐えられなくなることが

Boy I wish I grew up the second I first held you in my arms
僕は虚しく望む。初めて腕に君を抱いた瞬間を育て実らせられたらいいのに
Underneath this hood you kiss, I tick like a bomb
このフードの下で君がキスをし、僕の胸が時限爆弾のようにカチカチと鳴るんだ

You would never call me baby
君は「可愛い」と呼んでくれなくなるだろう
If you knew me true
もし君が本当の僕を知ったなら
Oh, but I waited so long for your love
ああ、でも僕は君の愛を長く長く待ち望んだ
I will fight baby not to do wrong
僕は戦おうと思う。間違いを犯さないように


 マイク・ハドレアスはゲイだそうです。私は同性愛について概略次のように考えています。同性愛は生物学的には倒錯であり一種の奇形である。ただし、そもそも人間自体が本能の壊れた生物であるので、種の保存という遺伝子的欲求のない性行為や性愛感情はある意味ではより人間らしい業だとも言える。そのため、同性愛は積極的に奨励されるべきではないが少なくとも社会的に公認されるべきである。
 ただし上記はあくまでも頭で考えたことで、生理的・感覚的には嫌悪感をもっており上の動画も気持ち悪いという感想しか持ち得ません。ところが、マイク・ハドレアスの歌声のはかなさや切実さはなぜか心に深く響いてきます。Hood は本当の自分を隠す覆いの隠喩なのでしょうか。異性間の恋愛を超えた、悲恋の究極を表すような響きが伝わって来る気がします。
 この2曲は Perfume Ginius の2枚目のアルバム Put Your Back N 2 It に収録されています。




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