Pagan Poetry

2015年11月27日

Pagan Poetry : Björk




Pedaling through the dark currents *1
暗い流れの中、ペダルを踏みながら
I find an accurate copy *2
私は精密な複写を見つける
A blueprint of the pleasure in me *3
私の中の快楽の青写真を

(Swirling black lilies totally ripe) *4
(渦を巻く黒い百合は完熟している)
A secret code carved, a secret code carved *5
秘密の暗号が刻まれている
(Swirling black lilies totally ripe)
(渦を巻く黒い百合は完熟している)

He offers a handshake
彼は握手の手を差し出す
Crooked five fingers *6
曲げられた五本の指
They form a pattern
それは一つの様式を形作るけれど
Yet to be matched
まだぴったりと合わない

On the surface simplicity
表面は単純
(Swirling black lilies totally ripe)
(渦を巻く黒い百合は完熟している)
But the darkest pit in me
でも私の中の暗黒の穴は
is pagan poetry
異教の詩のように美しい
(Swirling black lilies totally ripe)
(渦を巻く黒い百合は完熟している)
Pagan poetry
異教の詩のように

Morsecoding signals
モールス式の信号が
They pulsate and wake me up *7
脈動し、私を目覚めさす
From my hibernating *8
この冬眠から

On the surface simplicity
表面は単純
(Swirling black lilies totally ripe)
(渦を巻く黒い百合は完熟している)
But the darkest pit in me
でも私の中の暗黒の穴は
And is pagan poetry
異教の詩のように美しい
(Swirling black lilies totally ripe)
(渦を巻く黒い百合は完熟している)
Pagan poetry
異教の詩のように

????? *9
(Swirling black lilies totally ripe)
(渦を巻く黒い百合は完熟している)
?????

I love him, I love him
私は彼を愛している
I love him, I love him
私は彼を愛している
I love him, I love him
私は彼を愛している
I love him, I love him
私は彼を愛している
(She loves him, she loves him)
(彼女は彼を愛している)

This time
今度は
(She loves him, she loves him)
(彼女は彼を愛している)
I'm gonna keep it to myself *10
自分だけのものにしておこう
(She loves him, she loves him)
(彼女は彼を愛している)

This time
今度は
I'm gonna keep me all to myself
自分だけのものにしておこう
But he makes me want to hand myself over *11
でも、彼が私にさせる。自分自身を彼にゆだねるようにと
(She loves him, she loves him)
(彼女は彼を愛している)
And he makes me want to hand myself over
彼のせいで、私は自分自身を彼に引き渡してしまう
(She loves him, she loves him)
(彼女は彼を愛している)


備考
  1. pedal : (ミシン・自転車・ピアノ等の)ペダルを踏む、ペダルを踏んで演奏する、自転車をこぐ
  2. accurate : 間違いのない、正しい、精密な、正確な、周到な、間違いを犯さない
  3. blueprint : 青写真、詳細な計画、設計図
  4. swirl : ぐるぐる回る、渦を巻く、くらくらする、めまいがする。回転させる、かき混ぜる、渦を巻かせる
    ripe : 熟した、実った、食べ頃の、熟成した。唇が赤くふっくらした。円熟した、盛りの。機が熟した。化膿した、いやらしい、くさい
  5. code : 法典、基準、慣例、礼儀作法、信号法、暗号、記号
    carve : 刻む、刻んで作る、彫る、彫刻する
  6. crooked : 不正な、心の曲がった。曲がった、湾曲した、歪んだ。身体に欠陥のある
  7. pulsate : 脈打つ、鼓動する。振動する、震える。振動させる
  8. hibernate : 冬眠する、引き篭もる、活動していない、休止中である
  9. ※ "?????" の部分は歌詞が不明。おそらくハミングのようなもの。
  10. keep ~ to oneself : 秘密にしておく、胸に納めておく、自分のものにしておく、独り占めにしておく
  11. hand ~ over : ~を(人の)保管・管理・保護にゆだねる、~を(人に)手渡す・譲り渡す


   


 2001年のアルバム Vespertine より。
 pagan はキリスト教などアブラハムの宗教からみた異教を指し、仏教やヒンズー教などの確立した宗教の他、キリスト以前の原始的・土俗的な信仰から無宗教まで、あらゆる非一神教的思想に対する侮蔑感情を含んだ言葉です。日本もそうですが、世界中にある原始的な自然信仰では性や性器が崇拝の対象とされることがあります。また、上の公式動画に現れるピアスは、入れ墨や瘢痕文身などとともに古代から人間が行なってきた身体改造の一つですが、近代には未開・野蛮あるいは反社会的だとして一般的には嫌悪されてきたものです。
 このような観点からこの歌詞を見ると、性に非寛容なキリスト教的価値観や異物を排斥する近代的価値観を否定する思想が含まれているように思えます。また、愛することと愛されることの複雑さ、自己愛と他者への愛の対立や葛藤、あるいは痛みと快楽の同一性、美醜の同一性なども歌っているように感じます。

Going to Hell

2015年11月17日

Going to Hell : The Pretty Reckless




(The end is the end)
(終わりは終わり)
(Don't bless me father for I have sinned)
(神様。あなたの御加護はいらない。私は罪を犯したのだから)

Father did you miss me?
神様。私がいなくて寂しかった?
I've been locked up a while
しばらく閉じ込められていたの
I got caught for what I did but took it all in style
悪い事して捕まったの。でも、堂々として格好よかったよ
Laid to rest all my confessions I gave way back when *1
懺悔を放って寝かされてた。一時の退却ね
Now I'm versed in so much worse, so I am back again *2
今、私はもっと悪い詩として書き変えられた。そう、戻ってきたのよ
And he said
彼が言ったように

For the lines that I take, I'm going to hell
この道を選ぶ。だから、私は地獄へ行く
For the love that I make, I'm going to hell
この愛を営む。だから、私は地獄へ行く
(gettin heavy with the devil you can hear the wedding bells) *3
(悪魔と契りを交わしてる。婚礼の鐘が聞こえるでしょう)

Father did you miss me?
神様。私がいなくて寂しかった?
Don't ask me where I've been
どこに行ってたかなんて聞かないで
You know I know, yes I've been told, I redefine a sin *4
知ってるでしょう。私も知ってる。教えられたの。私は新たな罪の定義を作る
I don't know what's driving me to put this in my head
どうしてこんなことを思いつくのかは分からない
Maybe I wish I could die, maybe I am dead
多分私は死にたいんでしょう。多分もう死んでるのかもしれない
And he said
彼が言ったように

For the lives that I fake, I'm going to hell *5
人生を偽る。だから、私は地獄へ行く
For the vows that I break, I'm going to hell *6
誓いを破る。だから、私は地獄へ行く
For the ways that I hurt while I'm hiking up my skirt
私はスカートの裾を持ち上げながら人を傷つける。だから…
I am sitting on a throne, while they're buried in the dirt *7
私が玉座に座っているこの時、彼らは泥の中に埋められる。だから…
For the man that I hate, I'm going to hell
人を憎む。だから、私は地獄へ行く
(gettin heavy with the devil you can hear the wedding bells)
(悪魔と契りを交わしてる。婚礼の鐘が聞こえるでしょう)

Please forgive me father
どうか許して下さい。神様
I didn't mean to bother you *8
あなたに迷惑をかけるつもりはなかった
The devil's in me father
悪魔が私の中にいるの。神様
He's inside of everything I do
私の行いのすべての中には、悪魔がいるの

For the life that I take, I'm going to hell
命を奪う。だから、私は地獄へ行く
For the laws that I break, I'm going to hell
法を破る。だから、私は地獄へ行く
For the love that I hate, I'm going to hell
愛を憎む。だから、私は地獄へ行く
For the lies that I make, I'm going to hell
嘘を吐く。だから、私は地獄へ行く
For the way I condescend and never lend a hand *9
見下し恩着せがましくするのに、手は貸さない。だから…
My arrogance is making this head buried in the sand *10
傲慢が現実から目をそむけさせようとする。だから…
For the souls I forsake, I'm going to hell *11
魂を捨てる。だから、私は地獄へ行く
(gettin married to the devil you can hear the wedding bells)
(悪魔と結婚するのよ。婚礼の鐘が聞こえるでしょう)


備考
  1. be laid to rest : 休んでいる、埋葬されている
    give way : 道を譲る、壊れる、崩れ落ちる、屈する、負ける、降参する、譲歩する、故障する、自制力(忍耐)を失って~になる
  2. verse : ~を詩で表す、~を詩に作る、散文を韻文に作り変える
  3. get heavy with : 深い関係になる、性的関係を持つ
  4. redefine : 再定義する、見直しを迫る、再規定する
  5. fake : でっち上げる、偽造・模造する。欠点を隠す、見てくれをよくする、ふりをする、見せかける
  6. vow : 誓い、盟約、誓約、誓願
  7. throne : 玉座、王座。王位、王権。司教(主教)の座、神の座。座天使(天使9階級の第3位)
  8. bother : 悩ます、うるさがらせる、当惑・狼狽させる、迷惑・面倒をかける、ねだって困らせる
  9. condescend : (見下すような態度で)~する、恩着せがましく~する、高い所から見下す
  10. arrogance : 尊大、横柄、暴慢、おごり
    bury one's head in the sand : 危険を直視しようとしない、真相を確かめようとしない、現実を回避する。ダチョウは危険を感じると砂に頭を埋め脅威が目に入らないようにするという俗説から。
  11. forsake : 見捨てる、見放す。断念する、諦める


 2014年の同名のアルバムより。
 何度も繰り返される "I'm going to hell" のニュアンスが分からなかったので、ネットで調べてみました。"be going to" は大きく二つの用法があり、一つは単純未来で比較的目前に迫った未来を指す時に使われるようです。そして、もう一つは前もって決まっている予定などを表す場合で、これは当人の意志があるなしに関わらず使われるようです。その際、意志がある場合であってもそれは発話の時点で決意された意志ではなく、前もって決められていた意志という所に will との違いがあるようです。will の場合は、発話の時点で決めた意志、あるいは発話の時点で強く持続している意志という感じであり、"be going to" は「予め決まっている、あるいは決められている事」「以前から覚悟が出来ている事」などのニュアンスになるようです。
 上の歌詞では、前後の文脈から正確には判断し難いので、本人の意志があるのかどうかがはっきり分からず、あいまいな訳し方にしています。感覚的には「こういう自分だから地獄へ行くことになるだろう。そして、その覚悟は出来ている」という感じではないかと今の時点では思っています。
 また、father は大まかに父親、聖職者、神の三つの意味があります。上の訳文では「神」を使いましたが、この歌詞ではどれを採用しても成り立つような気がします。そして、二度歌われる "And he said" の he は指す言葉が特定されない場合は普通「神」を表すことが多いのでしょうが、father を「神」とした場合はこの歌詞の he は「悪魔」を指すのではないだろうかと思います。

Shell

2015年11月15日

Shell : Arrested Development




Just a shell until U decide to rebel
お前が抵抗することを決めないのなら、ただの貝殻にすぎない

Just a shell, just a shell, just a shell until u decide to rebel
ただの貝殻だ。貝殻だ。貝殻だ。抵抗することを決めるまでは
whether you're white or black your soul does not dwell *1
白人だろうと黒人だろうと、誰も皆、魂を失っている
inside your shell until you decide to rebel
その貝殻の中にあるはずの魂を。抵抗を決意しないからだ
worldly worldly people people allow your innersides *2
世俗の事しか頭にない人間は、自分の精神を
to intervene and circulate *3
何かの間に挟ませたり、何かの中をぐるぐる循環したりさせて(縛って)しまっている
open your eyes and open your ears
目を開けろ。塞いだ耳を開放しろ
wouldn't it be great
もしそうなれば、素晴らしいことじゃないか

Just a shell until U decide to rebel
お前が抵抗することを決めないのなら、ただの貝殻にすぎない

So what am I doin? Am I really rebellin? or am I just dwelling
だが俺は何をしているだろう? 本当に抵抗しているだろうか? ただ無為に生きているだけだろうか?
in the sin
罪の中で
in the sin
罪の中で
in the sin?
罪の中で
I made up my mind
俺は心を決める
I've seen the design of individualism
俺はこれまでずっと個人主義によって描かれた図案ばかり見てきた
and I don't want to be in it
もう、俺はその中にいたくない
The me generations a dis-ease *4
「ミージェネレーション」は「病気」だ
Just a shell until U decide to rebel
お前が抵抗することを決めないのなら、ただの貝殻にすぎない


備考
  1. dwell : 住む、居住する、暮らす。存在する、残っている、ある
  2. worldly : この世の、地上の、現世の。世慣れた、世知にたけた。俗っぽい、俗物の、俗界の
    allow A to do : Aが~することを許可する、許す。(うっかりして)Aが~するままにしておく
    <allow a cake to burn → ケーキをこがしてしまう>
    innner side : 内側
  3. intervene : 取りなす、調停する。(二つの物・事・時の間に)ある、起こる、現れる、介在する。(予想外のことが)邪魔に入る、干渉する、割り込む、介入する、口を出す
    circulate : 循環する、巡る。移動する、回って歩く。広がる、流布する、流通する、配布される
  4. me generation : 『ライトスタッフ』や『虚栄の篝火』で有名なアメリカの作家トム・ウルフが1970年代後半に造った言葉。社会に対する意識が薄く自分にしか関心がないという特徴を持つ世代を指す。
    disease : 病気、疾病、疾患。(精神・社会などの)不健全状態、病弊


 1994年のアルバム "Zingalamaduni" より。アルバム名はスワヒリ語で「文化の蜂の巣」を意味する言葉だそうです(機械翻訳では "beehive of culture" が "mzinga wa utamaduni" となりましたが…)。



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