気に入った洋楽の歌詞を和訳しています。

Radio Nowhere : Bruce Springsteen



I was trying to find my way home.
家へ帰る道を探していた
But all I heard was a drone. *1
でも、聞こえてくるのは単調な音楽ばかり
Bouncin' off a satellite. *2
人工衛星から飛んでくる音楽が
Crushing the last lone American night. *3
孤独なアメリカの夜を押しつぶす

This is radio nowhere. *4
こちらは居場所のないラジオ
Is there anybody alive out there? *5
そちらには誰か生きているか?

I was spinning around a dead dial.
役に立たないダイヤルを回しつづけた
Just another lost number in a file. *6
ろくでもない音楽ファイルがあるだけだ
Dancin' down a dark hole.
暗闇のなかであがいている
Just searching for a world with some soul.
魂のある世界を探しながら

This is radio nowhere.
こちらは時代遅れのラジオ
Is there anybody alive out there?
そちらでは誰か生きているのか?

I just want to hear some rhythm.
リズムが聞きたいだけなんだ

I want a thousand guitars.
俺が欲しいのは、千のギター
I want pounding drums.
俺が欲しいのは、轟くドラム
I want a million different voices speaking in tongues. *7
俺が欲しいのは、百万の生きた声

This is radio nowhere.
こちらはどこにもないラジオ
Is there anybody alive out there?
そっちには誰か生きてる奴はいないのか?

I was driving through the misty rain.
霧雨のなかを走り続けた
Yeah, searching for a mystery train. *8
そうさ、ミステリー・トレインを探したんだ
Bopping through the wild blue. *9
荒れた空の下を進んで行く
Trying to make a connection with you. *10
お前につなげようとしていた

This is radio nowhere.
こちらは今ここにあるラジオ
Is there anybody alive out there?
そちらは誰か生きているかい?

I just want to hear some rhythm.
俺はリズムが聞きたいんだ
I just want to feel your rhythm.
俺はお前のリズムを感じたいんだ


備考
  1. drone : 巣にいて働かないミツバチの雄バチ、他人の働きで生活する怠け者、ブーンと唸る音、持続低音、単調な話し方の人
  2. bounce off : 跳ね返る
  3. crush : 押しつぶす、砕く、壊滅させる
    lone : 孤独の、ただ一つの、寂しい
  4. nowhere : どこにも…ない、居場所のない、遅れた、受け入れられない、辺鄙なつまらない所
  5. out there : 向こうに、あそこに、そちらに ←→ in here : ここに、こっちに
  6. lost : 失った、迷った、滅びた、堕落した、(芸術等が)廃れた
  7. tongue : 舌、言葉、言語、民族語を持つ人民
  8. 「ミステリー・トレイン」はエルヴィス・プレスリーの代表曲の一つ。
  9. bop : バップで踊る、ゆっくりと進む
    wild : (風、夜などが)荒々しい、激しい、嵐の
    blue : 空、海、未知の彼方
    in the blue : 辺鄙な所に、未知の彼方に
    ※バップはビーバップのバップ、ブルーはブルースに通じる。
  10. この you は radio nowhere を指すと思われる


 ブルース・スプリングスティーンは、1949年、アメリカ、ニュージャージー州生まれ。掲載曲は、2007年のアルバム Magic に収録されています。
 詩の内容は、現代のアメリカに生きている人たちの抱く孤独感をモチーフにしているような気がします。昔のラジオが持っていたリスナーとDJとの一体感、温かみといったものに対する郷愁が感じられます。間奏に入るクラレンス・クレモンズのサックスが相変わらず格好いいです。
 歌詞を何回も読むうちに奇妙なことに気づきました。nowhere はおそらく no where がくっついた言葉なのでしょうが、now here と分けることもできます。no where だと「どこにもない」、now here だと「今ここにある」という意味になりそうで、正反対の言葉になります。「今ここにある」とともに「どこにもない」、なんだか弁証法で運動の本質を説明している感じです。翻訳の最後の方で勝手にこの反対の意味で訳してしまいました。和訳の内容を鵜呑みにしないようご注意願います。

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