Violet Hill

2012年07月08日

Violet Hill : Coldplay



Was a long and dark December
長く暗い十二月
From the rooftops I remember *1
覚えている。屋根という屋根に
There was snow
雪があった
White snow
白い雪が

Clearly I remember
はっきりと覚えている
From the windows they were watching
窓という窓から奴らは見ていた
While we froze down below
俺たちが下で凍えている時に

When the future's architectured by a carnival of idiots on show *2
テレビの馬鹿騒ぎによって未来が構築される時は
You'd better lie low
低く伏せていた方がいい

If you love me
もし君が俺を愛するのなら
Won't you let me know?
俺にそうと告げてくれないか

Was a long and dark December
長く暗い十二月
When the banks became cathedrals and a fox became God *2
銀行が大聖堂となり狐が神となる時

Priests clutched onto bibles
司祭たちは聖書をつかもうと手を伸ばした
Hollowed out to fit their rifles
それは彼らの銃に合うように中がくり抜かれていた
And the cross was held aloft
十字架は空高くそびえていた

Bury me in armour
武装したままで埋めてくれ
When I'm dead and hit the ground
俺が死んで地に倒れた時には
My nerves are poles that unfroze *3
俺の神経が溶け出した電極になる時には

And If you love me
君が俺を愛しているのなら
Won't you let me know?
俺にそうと告げてくれないか

I don't want to be a soldier
俺はなりたくない
Who the captain of some sinking ship would stow, far below
沈み行く船の船長によって船底に詰め込まれるような兵士には

So if you love me
俺を愛しているのなら
Why'd you let me go?
なぜ俺を行かせようとする?

I took my love down to Violet Hill
俺は愛する人をスミレの丘に連れて行った
There we sat in snow
雪の中、二人で座っていた
All that time she was silent still
彼女はずっと無言だった

Said if you love me
俺を愛しているのなら
Won't you let me know?
そうだと告げてくれないか


備考
  1. shout … from the rooftops :(複数の屋上から叫ぶ→) …を世間に吹聴する
  2. show, fox : ローリングストーン誌のインタビューで「fox と carnival of idiots on show は Fox News に関係するのか」という質問に対して、クリス・マーティンは「仕事の上司とトラブルを抱えている友人がおり、多くの人が自分の気に入らない人から行動を強いられて生きているということを考えていた。その頃ビル・オライリーを見ていてそういう言葉を思いついた」と語っている。Fox News はアメリカの保守的・共和党寄りの放送局でビル・オライリーはニュース番組の人気キャスターである。ウィキペディアによれば、ゲストの発言をさえぎり自己の保守的な主張を押し通す歯に衣着せぬ発言が人気を呼んでいるらしい。クリス・マーティンはおそらくビル・オライリーに批判的なのであろう。
     http://www.myspace.com/scottysbrewhouse/blog/408410345
  3. pole は柱、棒、地球の極、物理学的極などの意味がある。unfroze が過去形なのが不明なのも含めよく分からないが、神経、電極、溶ける、の連想で訳した。


 2008年のアルバム Viva la Vida or Death and All His Friends より。おそらく、政治的経済的支配者や宗教的権威への批判、戦争への反対表明を意図して作られた歌詞だろうと思います。songmeanings.net では、革命の歌だとか、you は神で神との対話の歌だとか、南北戦争が関係しているとか、恋愛の歌だとか様々な解釈が投稿されており、そのいずれの意見でも深遠な歌詞だと高く評価されていました。
 しかし、私にはこの歌詞の良さがよく分かりません。簡単に言うと政治批判をするならもっとはっきりと言うべきではないかと思うからです。馬鹿が未来を構築する時代は低く伏せていろ、とはどういう意味なのでしょうか。我慢しろと言いたいのか、時期を待てと言いたいのかさっぱり分かりません。狐は狡猾な政治家を指すのか、低俗なマスコミを指すのか。沈み行く船とはイギリス国家なのか、ブッシュのアメリカなのか、といろいろなことを考えていると、結局この歌詞は何が言いたいのか分からなくなってきます。私の好きなブルース・スプリングスティーンやボブ・マーリー、シネイド・オコナーの歌詞にもよく分からない歌詞はたくさんありますが、彼らの書く歌からは切実さや止むに止まれぬ衝動といったようなものが伝わってきます。この歌詞からはそのようなものを感じることができません。私に芸術的なセンスが欠けているからでしょうか。いろいろな人の感想や意見を聞いてみたいものです。




コメント

  1. 植杉レイナ | URL | -

    Re: Violet Hill

    どの記事もたいへん努力なさっていて,頭が下がります。私はColdplay が大好きなので,あえて申し上げますが,この歌は,ラヴソングとおもいます。
    政治的または社会的メッセージを受け取るのは,聞いた人の勝手でしょうが,歌詞から滲み出てしまわざるを得ない歴史を,この素敵なバンドが生きているのだとおもいます。

  2. Kalavinka | URL | IeOjDy9U

    植杉レイナ 様

    お誉めの言葉ありがとうございます。
    私の翻訳は辞書とネット情報頼りで、後付の屁理屈っぽい解釈になりがちです。英語が感覚的に理解できないので、資料分析のような翻訳になってしまうのです。
    ですからこのようなご意見はとてもありがたいです。ラヴソングは苦手ですが、もう一度素直にこの歌を聞いてみようと思いました。

  3. 植杉レイナ | URL | -

    Re: Violet Hill

    お返事いただき,どうもありがとうございます。ウエッブでしか発表していないColdplayのビデオViolet Hill (Dancing Politicians)もありますので,工場日記さんの記事は,むしろ正解だろうなと思いながらも,先日はかなり大胆な感想を記入しました。正直言って,このバンドの歌詞は,凄いレベルだとは思っていません。Rockin’onの音楽情報サイトRo69の2011.10.24付記事では「ぼくたちの歌詞がちょっとクソなのは自分でもわかってるけど、(後略)」などのChris Martinの発言も散見されるのです。閉塞的な時代状況の中で,「ロックと呼ばれたくない」と言った彼の気分も,ネコが「私をネコと呼ぶな」というような愛しさかも。
    勝手な感想を長々述べ,ごめんなさい。内容のみならず,画面の美しいこのブログ,また訪問させて下さい。

  4. Kalavinka | URL | IeOjDy9U

    植杉レイナ 様

    世界的に「閉塞的な時代状況」にある今求められるのは全く新しくかつ具体的な未来像ではないかと思いますが、そう考えるとロックなどのレッテル貼りは無意味どころかマイナスの価値しかないのかな、とも思えます(コメントを誤読していたらすみません)。
    Ro69の記事、読んでみました。このようなブログをやっているのに音楽雑誌を読む習慣がなくバンドや歌手に関する知識に極めて疎いので、こういう情報は助かります。また私はこのアルバム以外の Coldplay は全く聞いたことがありません。デビューからの彼らを知っている方の意見や私の無知や思い込みによる勝手な解釈と異なる意見がコメント欄にあることで、ブログ全体のバランスがとれると思っています。
    これからもぜひいろいろなお考えをお聞かせいただけると幸いです。

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