The End : The Doors

2012年08月17日




This is the end, Beautiful friend
終わりだ。美しい友よ
This is the end, My only friend, the end
これで終わりだ。ただ一人の友よ
Of our elaborate plans, the end *1
俺たちの入念な計画の終わりであり
Of everything that stands, the end
立ち尽くすすべてのものの終わりだ
No safety or surprise, the end
安全も驚きもない終わり
I'll never look into your eyes again
俺はもうお前の目を覗き込むことはない
Can you picture what will be, so limitless and free
思い描けるか? 限りのない自由の姿を
Desperately in need of some stranger's hand *2
見込みもなく見知らぬものの手を必要としながら
In a desperate land
絶望的な国で

Lost in a Roman wilderness of pain
ローマの痛みの荒野に迷い
And all the children are insane, all the children are insane
子どもたちはみな正気を失い、子どもたちはみな正気を失い
Waiting for the summer rain, yeah
夏の雨を待っている

There's danger on the edge of town
町のはずれは危険だ
Ride the King's highway, baby *3
王の道を行け
Weird scenes inside the gold mine *4
金鉱の中には奇妙な景色
Ride the highway west, baby
西へ向かえ
Ride the snake, ride the snake to the lake, the ancient lake, baby
蛇に乗れ。蛇に乗り湖を目指せ。古代の湖だ
The snake is long, seven miles
蛇は長く、7マイルもある
Ride the snake, he's old, and his skin is cold
蛇に乗れ。蛇は年老い、その肌は冷たい
The west is the best, the west is the best
西は最高だ、西は最高だ
Get here, and we'll do the rest
そこに着けば俺たちは安息を得られるだろう
The blue bus is callin' us, the blue bus is callin' us *5
青いバスが俺たちを呼んでいる、青いバスが俺たちを呼んでいる
Driver, where you taken' us
運転手よ。俺たちをどこへ連れて行く?

The killer awoke before dawn, he put his boots on
殺人者は夜明け前に目覚め、ブーツをはく
He took a face from the ancient gallery and he walked on down the hall
彼は古代の画廊から顔を一つもらい、廊下を歩いた
He went into the room where his sister lived, and, then he
妹の住む部屋へ行った。そして
Paid a visit to his brother, and then he *6
弟の所に立ち寄った。そして
He walked on down the hall, and
廊下を歩いた。そして
And he came to a door, and he looked inside
ある扉の前で中を覗き込んだ
Father, yes son, I want to kill you
「父さん」「何だ」「あなたを殺したい」
Mother, I want to, …!…!…!
「母さん。あなたが、欲しい」

C'mon baby, take a chance with us
おいで。俺たちと一緒にやってみよう
C'mon baby, take a chance with us
おいで。俺たちと一緒にやってみよう
C'mon baby, take a chance with us
おいで。俺たちと一緒にやってみよう
And meet me at the back of the blue bus
青いバスの後ろで会おう
Doin' a blue rock, on a blue bus
憂鬱なロックをやろう。青いバスに乗って
Doin' a blue rock, c'mon, yeah
憂鬱なロックをやろう。さあ

Fuck, fuck yeah, fuck, fuck, fuck fuck fuck yeah, Come on baby, fuck me baby, fuck yeah
やれ。やれ。俺をやれ
Hey, fuck fuck, fuck… yeah, Fuck me, yeah, Come on baby, fuck me baby
さあ、俺をやってくれ
Fuck fuck, whoah, whoah yeah, Yeah, fuck yeah, Come on, huh huh huh yeah, All right...
やれ。やれ。さあ、そうだ、ああ、それでいい

Kill, kill, kill, kill, kill, kill
殺せ、殺せ、殺せ

This is the end, beautiful friend
終わりだ、美しい友よ
This is the end, my only friend, the end
これで終わりだ、ただ一人の友よ
It hurts to set you free
終わりはお前を傷つける。お前を自由にするために
But you'll never follow me
でもお前は俺についてこれないだろう
The end of laughter and soft lies
笑いとやさしい嘘の終わり
The end of nights we tried to die
俺たちが死のうとした夜の終わり
This is the end
これで終わりだ


備考
  1. elaborate : 苦心して作り上げた、念入りな、精巧な、労を惜しまない、丹念な
  2. be in need of : (人・物が)~を必要としている
    desperate : 自暴自棄の、破れかぶれの、欲しくてたまらない、絶望的な、見込みのない、必死の
  3. King's highway : 王の道。エジプト北部からシナイ半島を東へ横断し、ヨルダン川を渡って北上、シリアのダマスカスへと抜ける古代の幹線道路。
  4. weird : 異様な、風変わりな、奇妙な、超自然な、不可思議な
  5. blue bus : オキシモルホンの錠剤の隠語。モルヒネの10倍の鎮痛・麻酔作用を持ち、依存性が高い。
  6. pay a visit : ちょっと訪れる


 デビューアルバム The Doors (1967年)より。この有名な曲は昔から数多くの解釈がなされており、今更私などが訳すのもおこがましいくらいです。なので、ここで改めて私見を述べようとは思いませんが、個人的には、死と再生、絶望の果ての希望、痛みを伴う成長などのイメージが浮かんだことだけを記しておきます。
 この歌はベトナムに従軍した若者たちが好んで聞いたという話をどこかで読んだことがあります。それで連想するのが映画『地獄の黙示録』(1979年、米国。フランシス・フォード・コッポラ監督)でこの曲が使われていたことです。私がこの歌を知ったのもこの映画を見た時でした。
 現実の戦争を何らかの作品の題材にすることはかなり危険なことではないかと思います。この映画の原案はコンラッドの『闇の奥』という小説ですが、ウィキペディアによるとコッポラ監督は他にもいろいろな文学作品を台詞や場面、設定などに取り入れたそうです。おそらく人間精神の深奥を狂気を軸として叙事詩的、神話的に描きたかったのではないかと思います。
 この映画は技術的・娯楽的にはとても優れた作品だと思いますが、致命的な欠点は見る者にベトナム戦争自体への関心を薄れさせることです。おそらくコッポラ監督自身もベトナムなどに大した関心はなかったのではないかとさえ思えます。現実の戦争、しかも現代の戦争を描くのならば、少なくとも戦争に対する自身の何らかの評価を込めるべきではないかと思います。表現の自由という観点からは芸術家がどのようなものを作ろうとそれ自体を非難することはできないでしょうが、あの時代に生きたアメリカ人としてベトナム戦争に対する評価をしないままでそれを題材にししかもテーマは戦争とはなんの関係もないというのは私には到底理解できない心情です。実はここにはコッポラやコンラッドらの西洋白人文明自体が持つ異文化に対する無意識的な蔑視、軽視が表れているのではないかと思います。
 戦争を題材にした映画で私が最も影響を受けたのは『ゆきゆきて、神軍』(1987年、原一男監督)です。奥崎謙三という稀有な人物のドキュメンタリーであるこの映画は、ニューギニア戦線の生き残りの彼が死んでいった仲間たちの弔いのために自分の後半生を捧げる様子を描いたものです。といっても彼の行動は、天皇にパチンコ玉を発射したり、朝日新聞社長襲撃計画を立てたり、元上官を殺害するシーンを撮ることを監督に要請したりと、常人にはついていけない狂気に満ちたものでした。これは彼の特異な非社会的人格によるものなのでしょうが、その特異性を生み出したものがかの戦争だったことは間違いありません。彼は犯罪者でありその行動は思想的に擁護できるものではありませんが、私のような戦争を知らない人間にとってとても衝撃的な映画でした。上官による部下の殺害や食人などが当事者の肉声で語られており、資料的価値も高いものだと思います。

   
   
   
   

 ドアーズの歌から離れ繰言を書いてしまいました。ご容赦ください。




コメント

  1. 一連 | URL | -

    Re:The End

    何度読ませて頂いても
    素晴らしい 訳詩だと思います

    又 リンク先として 
    勝手で申し訳ありませんが 使わせて頂きました

    訳詩用の 選曲の感性にも
    感服しています

  2. Kalavinka | URL | -

    Re:The End

    返信が遅くなりすみません。事情がありブログをしばらく放置してしまいました。
    いつもコメントありがとうございます。

    選曲は自分の好みでやっているだけなので、おそらく一連さんと嗜好が重なる傾向があるのかもしれません。

  3. | URL | -

    Re:The End

    地獄の黙示録は反戦映画じゃなくドキュメンタリーだからあれでいいんじゃないかな。
    何が何でも戦争はイカンという姿勢もまた戦争を引き寄せる事は民主党と朝日新聞が証明してくれたし。

  4. Kalavinka | URL | -

    匿名様

     コメントありがとうございます。
     『地獄の黙示録』はドキュメンタリーではありませんが、たしかに反戦映画でも好戦映画でもありませんね。むしろ戦争と何の関係もない『闇の奥』の映画化に何故ベトナム戦争を舞台にしたのかふと気になって上のような記事を書いたのですが、私も何十年も前に一度見ただけなので、本当は批評できるほど内容を理解できているわけではありません。また、「戦争は悪だ」といい続けるだけで戦争がなくなるわけではないことは、私もその通りだと思います。

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