Boxer

2012年12月15日

Boxer : Simon and Garfunkel




I am just a poor boy, though my story's seldom told
俺はただの貧乏人さ。身の上話なんか滅多にしないよ
I have squandered my resistance for a pocketful of mumbles, such are promises *1
俺は反抗心を無駄にまき散らした。ポケットに一杯の不平を呟くため。将来性とかそんな事さ
All lies and jests
みんな嘘と冗談だよ
Still a man hears what he wants to hear and disregards the rest
それでも人は聞きたいことだけ聞くもんだ。他のことは無視すればいいさ

When I left my home and my family
故郷と家族を捨てた時
I was no more than a boy in the company of strangers
見知らぬ者たちばかりの中では、俺はまだほんの子どもだった
In the quiet of the railway station running scared
駅の静けさが恐くて逃げ出し
Laying low, seeking out the poorer quarters
這いつくばって小銭を漁った
Where the ragged people go
ぼろをまとった連中が行く所
Looking for the places only they would know
連中だけが知ってる場所を探した

Asking only workman's wages, I come looking for a job, but I get no offers *2
日雇いで稼ごうと仕事を探しに行ったが、お声はかからない
Just a come-on from the whores on Seventh Avenue
ただ七番街の娼婦から呼ばれるだけ
I do declare, there were times when I was so lonesome, I took some comfort there *3
白状すると何度かしたことはあるさ。寂しかったからな。いくらか慰められたよ

Now the years are rolling by me
もうどのくらいの年月が巡っただろう
They are rocking evenly, I am older than I once was
時はゆらゆらと単調に揺れる。俺も昔よりは老いたが
But younger than I'll be and that's not unusual
未来の自分よりは若いんだし、別におかしな事じゃない
No, it isn't strange
不思議なことじゃない
After changes upon changes we are more or less the same *4
変化に変化を重ねても、俺たちはだいたい同じなんだ
After changes we are more or less the same
変化したって、あまり変わりはないんだ

Then I'm laying out my winter clothes and wishing I was gone, going home
冬服を広げながら、死ねたらいいのにと思う。家に帰ろう
Where the New York City winters aren't bleeding me
ニューヨークの冬のように俺から血を搾り取ったりしない所
Leading me, going home
呼んでる。家に帰ろう

In the clearing stands a boxer and a fighter by his trade *5
空き地に立つ一人のボクサー。闘いが彼の仕事だ
And he carries the reminders *6
手にはめたグローブが彼に思い出させる
of every glove that laid him down or cut him till he cried out
打ち倒され、切られ、泣き叫んだことを
In his anger and his shame, "I am leaving, I am leaving"
怒りと恥辱の中で「もうやめる。俺はやめる」と
But the fighter still remains
だが、闘いはなおも続いている


備考
  1. squander : 時間・金銭等を浪費する、まき散らす・追い散らす
    pocketful : ポケット一杯の、かなり、たくさん
    mumble : 不明瞭な言葉、口をあまり開けないでぶつぶつ(もごもご)言う声、つぶやき
  2. wage : 肉体労働者に対する賃金、給金
  3. declare : 宣言する、布告する、公表する、明言する、明らかにする
  4. more or less : 多かれ少なかれ、だいたい、ほぼ
  5. clearing : 空き地、開けた場所
  6. carry : 身につける、携帯する、手に持っている
    reminder : 思い出させる人、思い出させる物、思い出の品


 1970年のアルバム Bridge Over Troubled Water に収録。アルバムオリジナルには上の第4連の歌詞は歌われていません。もともとあった歌詞らしいですがどういういきさつかレコーディングの際に省かれたようです。ライブアルバムでは歌われているものがあります。
 初めからずっと一人称で語られ最後だけ三人称の視点になる構成が全体を引き締める効果を生んでいます。「ボクサー」は都会で苦闘する生活者の比喩であるともとれるし、また、現実に生活のために闘う男を描いているともとれると思います。この場合、「空き地」という言葉から、リングにあがる表舞台のボクサーではなく街の片隅でヤクザが仕切るような賭け試合の闘士をイメージしました。




コメント

    コメントの投稿

    (コメント編集・削除に必要)
    (管理者にだけ表示を許可する)

    トラックバック

    この記事のトラックバックURL
    http://kawasaki5600.blog64.fc2.com/tb.php/194-4587af7c
    この記事へのトラックバック


    最新記事