Hopeless Wanderer

2013年01月14日

Hopeless Wanderer : Mumford & Sons




You heard my voice
俺の声を聞いてくれたのか
I came out of the woods by choice *1
俺は好んで森を出た
Shelter also gave their shade *2
木陰は俺を守ってくれたが
And in the dark I have no name
一方暗闇では俺は名を持たない

So leave that click in my head *3
だから自分の頭の思いつきなど放っておこう
And I will remember the words that you said
あなたの言葉を心に留めよう
Left a clouded mind and a heavy heart *4
曇り鈍った頭と重く沈んだ心を残されたが
But I was sure we could see a new start
俺たちはきっと新しい始まりを見ることができるだろう

So when your hopes are on fire *5
あなたの希望が火のように燃えている時でも
But you know your desire
あなたは理解している。あなたの欲望が
Don't hold a glass over the flame *6
炎の上でガラスを持つようなことはないし
Don't let your heart grow cold
あなたの心を冷やすこともないことを
I will call you by name
あなたの名を呼ぼう
I will share your road
あなたと同じ道を進もう

But hold me fast, Hold me fast
でもしっかりと掴んでおいてくれ
Cuz I'm a hopeless wanderer
俺は希望のない放浪者なのだから

I wrestled long with my youth
俺は長く自分の未熟さと戦ってきた
We tried so hard to live in the truth
俺たちは真実に生きようと頑張った
But do not tell me all is fine
俺たちが素晴らしいなんて言わないでくれ
When I lose my head, I lose my spine *7
俺は知力を失い気骨を失ったのだから

So leave that click in my head
つまらぬ思いつきなど放っておこう
And I won't remember the words that you said
あなたの言葉を忘れてしまおう
You brought me out from the cold *8
あなたは俺を冷えた孤立から連れ出してくれた
Now, how I long, how I long to grow old *9
今俺はどんなに願うことか。老成することを

So when your hopes are on fire
あなたの希望が火のように燃えている時でも
But you know your desire
あなたは理解している。あなたの欲望が
Don't hold a glass over the flame
炎の上でガラスを持つようなことはないし
Don't let your heart grow cold
あなたの心を冷やすこともないことを
I will call you by name
あなたの名を呼ぼう
I will share your road
あなたと同じ道を進もう

But hold me fast, Hold me fast
しっかりと掴んでくれ
Cuz I'm a hopeless wanderer
俺は希望のない放浪者なのだから

And I will learn, I will learn to love the skies I'm under
そして、自分が立つこの地の空を愛せるようになろう
The skies I'm under
どこであろうと自分が見上げる空を


備考
  1. by choice : 選ぶとすれば、好んで、特に
  2. also : さらに、そしてその上、また、~もまた、やはり、同様に、それでいて、その反面
  3. leave : 去る、退く、やめる、よす、そのままにしておく、放っておく、後に残す
    click : カチッという音、ひらめき
  4. clouded : あいまいな、混乱した、雲の(のようなもの)で覆われた、顔が曇っている
    heavy-hearted : 心の重い、憂鬱な、ふさぎ込んだ
  5. on fire : 火事に、燃えて、体が痛む・ひりひりする、熱心に、躍起に
  6. この前後の比喩(とくに火とガラス)がよく分からないが、欲望が希望を妨げることはないという意味だろうか。すなわち「希望は失くしてはならない。あなたの欲望は火にガラスをかざすような間違った行動はとらないし、希望の火を点すのに必要なものだ」と言っているように見える。hope が可能性を信じる希望=肯定的・善的な言葉で、desire が本能的な欲求・欲望=否定的・悪的な言葉だと思ったからだが、この前提が間違っていれば、この解釈も違うかもしれない。
  7. spine : 脊柱、背骨、気骨、根性
  8. come in from the cold : 孤立無援の生活から皆に迎えられる、新しく仲間になる
    left out in the cold : 無視(黙殺)されて、忘れられて
  9. long : 待ち望む、思い焦がれる、熱望する


 2012年のアルバム Babel より。
 旧約聖書『創世記』に由来するバベルの塔の話は、天に届く高い塔を建てようという人間の行為が神に挑戦する傲慢だとその怒りを買い挫折させられるというものが一般的な解釈だと思われます。混乱を意味するバベルはバビロンと同じであり、反聖書的な堕落した都市の象徴です。塔の建設を挫折させるためにとった神の方策は建設従事者たちの言語を混乱させることで、それ以来人間たちは違った言葉を話す民族として分裂し世界中へ散ったとされます。またこの話は壮大な神殿を造ったソロモン王への批判、あるいは偶像崇拝をもたらしたバビロニアの都市文化への批判などという説もあるそうです(http://www.asahi-net.or.jp/~ZM4M-OOTK/5babel.html)。個人的には、国を亡くした放浪民族であるイスラエル人の新バビロニア王国に対する単なる怨み節ではないかと思いますが、言語と民族が世界中に分裂した原因と設定されているところが興味深いです。言語は無理としても、人類が共通の価値基準を持つためには、人間を超える何らかの "神" 的なものに対する信仰あるいは帰依といったものが必要なのでしょうか。
 そのようなことを考えていると、この歌の歌詞が個人の思いを歌っているというより、人間一般のことを歌っているように思えてきました。森から出て「人間」となった我々は、それぞれの名を得たが、その代価として分裂し孤立し放浪することとなった。しかし、私はあなたと共に進むことによって、自分が立つこの地とこの空を愛せるようになりたい。かなり強引な解釈なので、本来はもっと個人的な、あるいはバンドとしての思いを述べた歌詞なのかもしれません。




コメント

  1. J | URL | -

    Re:Hopeless Wanderer

    素晴らしい訳ですね。
    本当に。

  2. Kalavinka | URL | IeOjDy9U

    J 様

    もっと正確で分かりやすい翻訳ができればと思うのですが、なかなか果たせません。
    お誉めいただき、ありがとうございます。とても励みになりました。

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