Compass

2016年03月10日

Compass : Zella Day




We can build a tree house in the pine trees
私たちは、松の木にツリーハウスを作ることができる
We can keep our secrets buried underneath *1
私たちは、私たちの秘密を心の奥底に埋めることができる
Wild flowers crashed between your fingers *2
野の花はあなたの指の間で音を立てて砕けたけれど
Clinging to the wild things that raised us *3
私たちを育てたあの自然が私たちから離れることはない

Compass points you home, calling out from the east *4
羅針盤はあなたを故郷へと向けさせる。東からの声が呼んでいる
Compass points you anywhere, closer to me
羅針盤はあなたをどこへでも向けさせる。もっと私の近くへ
If we make it out alive from the depths of the sea *5
もし私たちが深海から甦らせれば
Compass points you anywhere, closer to me
その羅針盤はあなたをどこへでも向けさせる。もっと私の近くへ
Where you are I will be
あなたのいる所に、私はいるだろう
Miles high, in the deep
空高く、海深く
Where you are I will be
あなたのいる所に、私はいるだろう
Anywhere in between *6
どこであろうと。私とあなたはつながっている

Take me to the garden of your ecstasy
連れて行って。あなたの忘我の園へ
Make myself a headband from your fallen leaves
あなたの落とした葉でヘアバンドを作ろう
Woven in the fabric of your tapestry *7
あなたの綴れ織りの布地に織り込まれたい
Cover me in honeysuckle memories
スイカズラの蜜のような思い出に包まれたい

Compass points you home, calling out from the east
羅針盤はあなたを故郷へと向けさせる。東からの声が呼んでいる
Compass points you anywhere, closer to me
羅針盤はあなたをどこへでも向けさせる。もっと私の近くへ
If we make it out alive from the depths of the sea
もし私たちが深海から甦らせれば
Compass points you anywhere, closer to me
その羅針盤はあなたをどこへでも向けさせる。もっと私の近くへ
Where you are I will be
あなたのいる所に、私はいるだろう
Miles high, in the deep
空高く、海深く
Where you are I will be
あなたのいる所に、私はいるだろう
Anywhere in between
どこであろうと。私とあなたはつながっている

I will take the pieces, put them back together
断片を拾って、きっちりと元に戻そう
Even when the grass isn't green enough
草木はかつてほどに青々としていないとしても
Taking all the branches, build ourselves a mansion
たくさんの枝を使って、私たちの豪邸を作ろう
Love you in the way that you needed love
あなたがかつて求めていたような仕方で、あなたを愛そう

Where you are I will be
あなたのいる所に、私はいるだろう
Miles high, in the deep
空高く、海深く
Where you are I will be
あなたのいる所に、私はいるだろう
Anywhere in between
どこであろうと。私とあなたはつながっている


備考
  1. underneath : [副] 下(部)に、下面(底面)に、心の底では、根は
  2. crash : 大きな音を立てて衝突する・ぶつかる。猛然と(騒々しく)進む。(飛行機が)不時着する、墜落する。ガチャンと砕ける・つぶれる。凄まじい音を立てる
    ※この crash はゼラ・デイが故郷を否定したことを暗喩するのだと思う。
  3. cling : 抱き締める、握り締める、しがみつく、ぴったり寄り添う。(濡れた物が)ぴったりくっつく。捨てきれない、執着・固執する、忠実である。しみついて取れない、付いて回る
  4. point : (~を~に)向ける、(~を~に)向かせる。指し示す、指摘する。点を打つ。指等で位置方角を示す、指差す
    call out : 大声で呼ぶ、叫ぶ
  5. the depths : 深い所、深み、深海。底無しの淵、深淵、奈落
    ※「甦らせる」は「一度捨ててしまった故郷への思い→故郷へ向かわせる羅針盤」を「甦らせる」ということだろうと思う。
  6. in between : 両者の間に、中間に、合間に。二つのものの間にあるため邪魔になって
    ※この between の示唆する「両者」は「私」と「あなた」だろうと判断し、それを元に意訳したが、間違っているかもしれない。
  7. weave-wove-woven : 糸を織る、紐等を編む、織って(編んで)作る
    fabric : 織物、編物、生地
    tapestry : つづれ織り


 2015年のデビューアルバム Kicker より。ゼラ・デイは1995年生まれのアメリカのシンガーソングライターです。彼女の育ったアリゾナ州ナヴァホ郡にある Pinetop-Lakeside は人口4000人の小さな町で、その美しい名の通り森と湖に囲まれた避暑地だそうです。2012年にレコーディングのためパイントップからロサンゼルスに移り住んだ彼女は、この歌についてインタビューで次のように語っています。

「"Compass" は故郷、故郷の町について書いたの。私はそこでとても孤独感・孤立感を抱きながら育った。そしてそこを出ることを待ち望んでいた。だからロサンゼルスに移ることは私にとってとても良いことだった。パイントップを思って寂しがることなんてないと思ってた。でも、自分でも驚いたことに、私はパイントップを離れてとても寂しく、懐かしく思った。これは、この感情を歌にしたものなの。私は少しずつ過去を振り返って、子供時代の良かったことを正しく評価しようとし始めている。そして、今の私はそこで過ごしていた頃よりも少しだけ成長したのかなと思っているの」
 http://www.coupdemainmagazine.com/interviews/interview-zella-day-her-upcoming-debut-album-kicker(翻訳は細部が間違っている可能性があるので、原文を読まれることをお奨めします)

 他のインタビュー(http://www.westcoastfix.com/2014/08/20/zella-day/)で彼女は、9歳の頃から両親の経営するコーヒーハウスでマイクを持って歌っていたこと、物心ついた時からミュージシャンたちに囲まれて育ったことなどを話しており、上のインタビューの「孤独感」が具体的にどのようなものかは分かりません。ただ、その別のインタビューでも都会に出たかったとも語っているので、おそらく同世代の子供が少ない、刺激がないなどの田舎育ちの人間に共通する心情なのかもしれません。

 このような経緯を知らずにこの歌を聞くと、故郷を歌っているとは分からないと思います。表面的に歌詞を見ると「あなた」を恋愛の対象ととらえるのが普通だと思います。この翻訳では、その点を微妙にごまかして訳していますが、いちおう「私」を故郷の町パイントップ、「あなた」を歌い手自身と考え、パイントップがゼラ・デイに語りかけているという設定を、ゼラ・デイ自身が歌っているという少々分かりにくい訳文になってしまいました。一部この両者が逆転しているように見える所もあり、実はこの二つを区別する必要もあまりなく、「私」と「あなた」と「私たち」はすべて一体のもの、同じものと考えても成り立つのかもしれません。



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