Paint It Black

2016年10月23日

Paint It Black : The Rolling Stones




I see a red door and I want it painted black *1
赤い扉を見ると黒く塗りたくなる
No colors any more, I want them to turn black
色などいらない。すべてを黒くしたい
I see the girls walk by, dressed in their summer clothes
女たちが夏服を着て歩いている
I have to turn my head until my darkness goes *2
つい顔を背けてしまう。心の暗闇が俺をそうさせる

I see a line of cars and they're all painted black *3
車の列が見える。どれも黒く塗られている
With flowers and my love, both never to come back *4
花と愛する人を乗せている。どちらも決して戻ってはこない
I see people turn their heads and quickly look away *5
人々は皆、こちらを振り向き、そしてすぐに目をそらす
Like a newborn baby, it just happens every day *6
人の誕生と同じように、毎日起きている事だというのに

I look inside myself and see my heart is black
自分の内側をのぞくと、黒い心が見える
I see my red door and I must have it painted black *7
(心を塞ぐ)自分の赤い扉。それも黒く塗らなければ
Maybe then I'll fade away and not have to face the facts
俺も消えてしまうかもしれない。そうすれば事実と向き合わずに済む
It's not easy facing up when your whole world is black
世界が真っ暗になった時それに正面から向き合うのは易しい事じゃない

No more will my green sea go turn a deeper blue *8
打ち上げられたこの波の塊は、海原で青く輝くことはもう二度とないだろう
I could not foresee this thing happening to you *9
こんなことが君に起きるなんて、俺は全く予見できなかった
If I look hard enough into the setting sun
この沈む太陽をじっと見つめ続ければ、(目が眩み)
My love will laugh with me before the morning comes
俺と一緒に笑う君が見えるだろう。朝が来るまでは

I see a red door and I want it painted black
赤い扉を見ると黒く塗りたくなる
No colors any more, I want them to turn black
色などいらない。すべてを黒くしたい
I see the girls walk by, dressed in their summer clothes
夏服を着た女が歩いている
I have to turn my head until my darkness goes
つい顔を背けてしまう。心の暗闇が俺をそうさせる

I wanna see it painted, painted black
俺は見たい。黒く塗られたものを
Black as night, black as coal
夜のように黒く、石炭のように黒く
I wanna see the sun blotted out from the sky *10
俺は見たい。太陽が空から消え去るのを
I wanna see it painted, painted, painted, painted black
俺は見たい。黒く塗られたものを


備考
  1. ※イングランド教会(英国聖公会)の扉は赤いらしく、人の死に宗教が無力であることへの絶望感などを隠喩するともとれるが、もっと単純に派手な色、明るい色を忌避する感情を表しているだけかもしれない。
  2. ※直訳すると「俺の暗闇がなくなるまでは、俺は顔を背けざるを得ない」となる。
  3. ※「黒い車」は霊柩車を連想させる。
  4. ※前行から "they're all painted black with flowers …" とつながっているように見える。
  5. ※歌詞には「こちらを」とは書いていないが、文脈から葬列の黒い車あるいはそれに乗る自分たちから目をそらすと言いたいのだろうと思う。
  6. ※ "it" はおそらく「人の死」を指している。
  7. ※前行からのつながりで、"my red door" は "inside myself" の出入り口である「扉」を表すように思える。その場合、悲しみや鬱屈を隠し見せかけの明るさを装っている様子を "red" で表しているのではないだろうか。
  8. green sea : 青波。船の舳先に飛び込んでくる大量の海水の塊
    ※ "green sea" が「濁った海」あるいは「暗い海」等の表現として使われる言葉かどうかが分からなかったので、上の辞書の訳語を援用した。意味としては "deeper blue" が美しく明るい過去、"green" が濁った暗い現在と未来を表すのだろうと思うが、掲載した訳文は英文のニュアンスを正しく表現していないかもしれない。
  9. foresee : 予感(予知)する、予見(予測)する、見越す
  10. blot : しみをつける、汚す。(景色等を)隠す、ぼんやりさせる
    blot out : 隠す、ぼんやりさせる。抹消する。拭い去る、完全に滅ぼす


 ザ・ローリング・ストーンズは1962年に結成されたイギリスのロックバンド。一度も解散することなく今でも第一線で活躍中です。この歌は、1966年にシングル発売、同年のアルバム "Aftermath" の北米盤に収録されています。
 愛する女に死なれた男の愛惜の思いを綴った歌詞なのでしょうが、アメリカ人の中にはこの歌をベトナム戦争とからめて解釈する人が時々いるようです。イギリス人であるキース・リチャーズやミック・ジャガーはアメリカ人ほどにはベトナム戦争に関心を持たなかったのではないかと思われるので、その解釈も少し深読みが過ぎるのではないか思います。しかし、後年スタンリー・キューブリック監督が映画『フルメタル・ジャケット』のエンディング曲にしたり、ベトナム戦争を舞台にしたテレビドラマでテーマ曲として使われたりしているので、この歌のイメージをベトナム戦争とつなげる人は多いようです。確かに「死から目をそらすな」、「見せかけの華やかさや虚栄などを黒く塗りつぶせ」というメッセージは1960年代後半の反体制の風潮に通じるものがあるのだろうとは思います。



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