Don't Give Up

2008年09月15日

Don't Give Up : Peter Gabriel






In this proud land we grew up strong we were wanted all along *1
この誇り高い国で、僕たちはいつも強くあれと望まれて育ったんだ
I was taught to fight, taught to win
闘うことを教えられ、勝つことを教えられた
I never thought I could fail
失敗することなど一度だって思ったことはないよ

No fight left or so it seems
でも、もう僕には戦いは残されていない、たぶん
I am a man whose dreams have all deserted *2
僕はすべての夢をなくした男さ
I've changed my face, I've changed my name
僕は顔を変えた。名前を変えた
But no one wants you when you lose *3
でも負けた人間を求める奴はいないよね

Don't give up. 'Cause you have friends
あきらめないで。あなたには友達がいるわ
Don't give up. You're not beaten yet *4
あきらめないで。あなたはまだ打ち負かされたわけじゃない
Don't give up. I know you can make it good
あきらめないで。あなたがうまくやれることは私が知ってる

Though I saw it all around *5
いたるところでそういうのを見たけれど
never thought I could be affected *6
自分もそうなるとは思いもしなかった
Thought that we'd be the last to go.
僕たちは最後までうまくやれると思っていた
It is so strange the way things turn *7
まさかこんなに状況がひっくり返るとは

Drove the night toward my home
故郷へと夜通し車を走らせた
The place that I was born, on the lakeside
生まれたところだよ。湖のすぐ近くなんだ
As daylight broke, I saw the earth
夜が明けると景色が見えた
The trees had burned down to the ground
木々がすっかり焼け落ちてしまっていた

Don't give up. You still have us
あきらめないで。あなたには私達がいるわ
Don't give up. We don't need much of anything
あきらめないで。たくさんのものは必要ないのよ
Don't give up. 'Cause somewhere there's a place where we belong
あきらめないで。どこかに私達が一緒にいれる場所がきっとあるから

Rest your head
身体を休めて
You worry too much
悩みすぎよ
It's going to be alright
きっとうまくいくから
When times get rough you can fall back on us *8
つらいことがあったら、私達に頼ればいいわ

Don't give up. Please don't give up
あきらめないで。どうか、あきらめないでね

Got to walk out of here *9
ここから出なくちゃ
I can't take anymore
もう耐えられない
Going to stand on that bridge
あの橋の上に立ってみよう
keep my eyes down below
そして下を見下ろすんだ
Whatever may come and whatever may go
何が来ようとも、何が去ろうとも
that river's flowing, that river's flowing
川は流れ続ける、川は流れ続ける

Moved on to another town
他の町へと移ってみた
Tried hard to settle down
一所に落ち着こうと頑張ってみた
For every job, so many men
どの仕事にも、たくさんの人間が就こうとしていた
So many men no one needs
そして、たくさんの人間が必要とされてなかった

Don't give up. 'Cause you have friends
あきらめないで。あなたには友達がいるから
Don't give up. You're not the only one
あきらめないで。あなたは決して一人じゃない
Don't give up. No reason to be ashamed
あきらめないで。恥じることは何もないのよ
Don't give up. You still have us
あきらめないで。あなたにはまだ私達がいる
Don't give up now. We're proud of who you are
さあ、あきらめないで。私達は今のままのあなたを誇りに思ってる
Don't give up. You know it's never been easy
あきらめないで。今までだって簡単じゃなかったでしょ
Don't give up. 'Cause I believe there's a place. There's a place where we belong
あきらめないで。なぜって、私は信じてるから。私達が一緒にいれる場所がきっとあることを


備考
  1. We grew strong that we wanted to be.
    (強く育てられた。強さは求められていたことだった。)
  2. desert : 放棄する、見放す、見捨てる、~から去る
  3. you はここでは特定の誰かを指しているわけではなく、一般的に「負け犬には誰も見向きもしない」と言っている。
  4. beat : 打つ、たたく、打ち負かす
  5. it が何を指しているかあいまいだが、文脈から「負けたり失敗したりした人間、あるいはその状況」だと思える。
  6. affect : 影響を及ぼす、作用する、病気や痛みが襲う、感動させる
  7. strange : 不思議な、奇妙な、思いもよらない
  8. rough : 粗い、ざらざらした、荒っぽい
    have a rough time : つらい目にあう
    fall back on : ~にたよる
  9. got to は I have got to の省略形か?


 この歌は1986年発売の So というアルバムに収録されています。一緒に歌っている女性はケイト・ブッシュです。1980年代サッチャー政権下のイギリス。経済が停滞し失業者が町にあふれていた様子を背景にしています。
 So は、ピーター・ガブリエルがプログレバンド、ジェネシスを1975年に脱退した後、ソロとして5枚目に発表したアルバムです。ジェネシスは彼の脱退後、フィル・コリンズがボーカルを務め、ポップなヒット曲を連発しました。一方、アフリカ音楽の導入に熱心だったピーター・ガブリエルの音楽はあまり一般受けするものではありませんでしたが、このアルバムはここで紹介した曲でわかるようにポップス性が高く、大ヒットとなりました。私もこのアルバムがいちばん好きです。
 この歌は昔から好きで、私自身ケイト・ブッシュの優しい声にずいぶん励まされた記憶もあり、感動的な歌詞だろうと思います。が、翻訳して改めて歌詞をよく読んでみると、何か違和感を感じました。それは、男女のかけあいのデュエットなのに会話がかみ合ってない、というよりもそもそもこの二人は会話をしていない、ということです。女はしきりに you, you と呼びかけ励ましているのに男はその声に一度も答えることなく、延々と愚痴をこぼしています。冒頭の下側のPVでは、そんなにくっつかなくてもと思うほど抱き合っているのに一度も互いに目を合わせることがありません。
 ピーター・ガブリエルの歌詞は凝ったものが多いので、この歌詞も彼の真意は別のところにあったのではないかとふと思いました。おそらくこのプライドの高い男は彼女のことをまったく理解できていない、もっと言えば男と女が分かり合えることはとても困難だ。このようなことを念頭に書いた歌詞だろうかと推測しましたが、ただの邪推かもしれません。



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