A Certain Romance : Arctic Monkeys

2017年02月15日




Well oh they might wear classic Reeboks or knackered Converse *1
あいつらが古臭いリーボックやくたびれたコンバースをはいていようと
Or tracky bottoms tucked in socks *2
ダサいジャージを靴下にたくし込んでいようと
But all of that's what the point is not
そんなことは問題じゃない

The points that's there ain't no romance around there
問題なのは、あそこにはロマンが無いってこと、
And there's the truth that they can't see
そして、あいつらに理解できない真実があるってことなんだ
They'd probably like to throw a punch at me
(こう言うと)あいつらに殴られるかもしれないが
And if you could only see them, then you would agree
実際にあいつらを見れば分かると思うよ
Agree that there ain't no romance around there
あそこにはロマンが無いってことがね

You know, oh it's a funny thing you know
おかしいだろ
We'll tell 'em if you like *3
その気があれば、あいつらに言ってみればいい
We'll tell 'em all tonight
今夜にでも
They'll never listen
でも、あいつらは耳を貸さないだろう
Because their minds are made up *4
なぜって、あいつらの品性は出来上がってるからな
And course it's all okay to carry on that way *5
もちろん我が道を行き続けてもらっても構わないんだが

And over there there's broken bones *6
あそこは壊れてしまってるんだ
There's only music, so that there's new ring tones *7
(あそこでは)音楽は新しい着メロのためにあるだけなんだ
And it don't take no Sherlock Holmes to see it's a little different around here
シャーロック・ホームズじゃなくても、こことは違うんだということはすぐに分かる

Don't get me wrong though, there's boys in bands *8
誤解の無いよう言うが、バンドをやってる奴だっているさ
And kids who like to scrap with pool cues in their hands *9
それに、ビリヤードのキューを振り回してけんかするガキだってね
And just cause he's had a couple o' cans *10
二缶飲んだからというだけで
He thinks it's alright to act like a dickhead *11
バカなことをやらかしてもいいと思ってるんだ

Don't you know, oh it's a funny thing you know
おかしなことだと思うだろ
We'll tell 'em if you like
そうしたいなら、あいつらに言ってやればいい
We'll tell 'em all tonight
今夜にでも
They'll never listen
あいつらは聞こうとしないだろうがね
Because their minds are made up
あいつらの知性は完成されてるから
And course it's all okay to carry on that way
まあ、ずっとこのままでもいいんだけど

But I said no!
だが、俺は嫌だ
Oh no!
嫌なんだ
Well you won't get me to go! *12
俺を行かせたくないんだな
Not anywhere, not anywhere.
どこにも
No, I won't go!
俺だって行きたくない
Oh no, no!
嫌なんだ

Well over there there's friends of mine
あそこにいるのは、俺の友達なんだ
What can I say, I've known 'em for a long long time
俺に何が言える。俺はあいつらをずっと昔から知ってるんだ
And they might overstep the line *13
あいつらは一線を越えてしまうかもしれない
But you just cannot get angry in the same way
でも、お前は(俺と)同じようには怒れないはずさ
No not in the same way
同じようには
So not in the same way
そう、同じようには
Oh no, oh no no
だめだ


備考
  1. knacker : 屠殺する、解体する、殺す、ばらす、疲れ切らせる
  2. tracky : trashy(くず、がらくた、くだらない、役立たず)で tacky(やぼな、品のない、みすぼらしい)。 または、tracksuit(運動着)っぽい、という意味もある。
  3. 'em = them
  4. mind : 知的な心、精神、知性、理性
  5. course = of course : もちろん、当然、なるほど、たしかに
  6. have a broken bone : 骨折している
  7. so that : 目的(~するため)、結果(そのため、それで) 等を表す。「音楽はある目的のためだけに存在する。それは、着メロとして存在するためである」という意味だろうか。
  8. get ~ wrong : ~を誤解する、間違える
  9. scrap with : けんかする、つかみ合う、殴り合う、言い争う
    ※辞書によると「けんかする」の scrap は自動詞で、scrap with [人] で「人とけんかする」とあるので、ここの訳は間違っているかもしれない。
  10. o' = of
  11. dickhead : ばか
  12. get ~ to … : ~に…させる
  13. overstep : 行き過ぎる、踏み越える、~の度を越す
    ※「一線を越える」は、犯罪を犯すという意味ではないだろうか。


 2006年発売のデビューアルバム Whatever People Say I Am, That's What I'm Not より。
 「あいつら」は「俺」の古くからの友達、「お前」は新しい友達あるいは彼女でしょうか。(ただ "you" は一般論として「誰でも」という感じかもしれません)。そして there は「あいつら」のいる所、here は今の「俺」がいる所であるというように、成長の過程でなぜか道が分かれてしまった悲しみが表されているように思えました。
 songmeanings.net という歌詞解釈を投稿し合うサイトがあります。そこでは「あいつら」を chav と解釈する人たち、また、「あそこ」をアメリカ文化またはそれにかぶれた連中のいる所と解釈する人たちが複数いました。chav が分からなかったので調べたところ、イギリスである種の特徴を持つ十代の少年少女を指す言葉らしいです。労働者階級の白人家庭に育ち、公営団地に住み、学歴が低く無職。ジャージにスニーカーで、キャップ、金の装身具、ヒップホップを好み、路上やファーストフード店、ショッピングセンターにたむろして、飲酒して騒ぐ…というような説明が各所にありました。日本風に言えば「ヤンキー」でしょうか。この解釈は当たっているのかもしれません。私はイギリスや彼らの出身地であるシェフィールドという都市についてほとんど知りませんし、彼らとは年齢もずいぶんと開いているので、この歌詞を感覚的に理解することはできません。
 しかし、この歌詞の主題は、chav やアメリカ文化についてではないであろうと思います。
 幼い頃には仲良く遊んでいた仲間達が、大きくなるに従い家庭環境その他諸々の事情によって物の考え方に隔たりが生じ離れ離れになっていくことの切なさを歌っているように思えます。
 また、「俺」が正しく「あいつら」が間違っていると書かれているものの、その根拠として romance という(私見では)陳腐な言葉を使っているあたりは、自分自身をも多少戯画化しているのではないかと思いました。ちなみに romance という英語の意味を私は実はよく知らないのですが、この歌詞では「ドキドキ、ワクワク、ハラハラさせるもの」というくらいの意味ではないかと思います。『少年ジャンプ』風に言えば「友情、努力、勝利」、あるいは「勇気、冒険」といったところでしょうか。子どもの頃俺たちはいつもロマンを追ってたじゃないか、今お前たちのやってることには心躍るものが何もないじゃないか、と歌っているようにも聞こえます。

※これは、2010年3月22日に掲載した記事の再掲です。歌詞中の "you" の意味についてコメントでご教示いただいていたのですが、コメントは再掲できません。コメントを下さった方々にはお詫び申し上げます。



コメント

    コメントの投稿

    (コメント編集・削除に必要)
    (管理者にだけ表示を許可する)

    トラックバック

    この記事のトラックバックURL
    http://kawasaki5600.blog64.fc2.com/tb.php/421-a228d2e4
    この記事へのトラックバック


    最新記事