気に入った洋楽の歌詞を和訳しています。

The Death Of Neoliberalism : Lowkey




Anytime you beg another man to set you free, you'll never be free. *1
他人に自分を自由にしてもらおうと希っていては決して自由になれないだろう
Freedom is something that you have to do for yourself.
自由は自分のために自分がしなければならないものだ

This is why I say it's the ballot or the bullet. *2
だから私は言う。投票か、あるいは弾丸かだと
It's liberty or it's death.
政治的解放か、あるいは死だ
It's freedom for everybody or freedom for nobody.
すべての人が自由であるか、あるいはすべての人が不自由であるかだ


※ Freedom
自由
Your public service died, death to World Bank and IMF; is it freedom? *3
公益事業は死んだ。世界銀行と国際通貨基金のせいだ。こんな世界は自由か?
The kleptocracy orchestrated, subjugate the corporate state that isn't freedom
泥棒政治が組織化している。不自由な企業国家を服従させろ。
Theresa's a terrorist, we could be standing at the precipice of freedom *4 ※
テリーザはテロリストだ。俺たちは自由の危機の瀬戸際に立とうとしているのかもしれない

Pontificate, Philosophise
司教のように尊大に話せ。哲学的に思索せよ
Cross the T's, dot the I's *5
細部に気を配り、注意深く記せ
I heard em' say the revolution won't be monetized
革命は金儲けにならないと言われる
But it could be wrapped up, packaged and commodified
だが、革命は包まれ、箱詰めされ、商品化され得るんだ
In this poisonous equation, I wonder what am I?
この毒塗れの方程式の中で、俺はどういう存在なんだろう?
Tax dodging tabloids, profit from these horrid lies
脱税ゴシップ新聞どもは忌々しい嘘で儲けている
Peddle patriotism but economically colonise
愛国心を売り歩きながら、その実、国の経済を植民地化している
Sycophants, grippin' flags, tell you that they're on your side
権力者の幇間どもが国旗を握って言う。「彼らはあなたたちの味方なのだ」と
Sell off your services abroad, who do they prioritise? *6
その "彼ら" が公共事業を外国企業に安売りしてるんだ。"彼ら" は誰を優先している?
Robin Hood in reverse, these robberies aren't secrets *7
ロビン・フッドと正反対さ。この "強盗" は密かにではなく公然と行なわれてるんだ
Bonuses for bankers and backhanders for arms dealers
銀行に優待を求め、武器商人に賄賂を求める
Can't cage the alternative that now exists with the skill of an alchemist *8
今ここにある "反体制" を檻に閉じ込めることはできない。"錬金術師" の技をもってしても
turn pain into empowerment
"痛み" を "力の源" へと変えろ
Inspired to be alive, in this powerful moment
生きる気力が湧いてくる。力にあふれたこの今という時に
No more will these cowards sell us out to their donors
この臆病者たちは、もうこれ以上俺たちを奴らの援助者に売り払うことはないだろう
We rose, like a giant awoken out of this coma
俺たちは立ち上がった。眠りから目覚めた巨人のように
Confront the culture of power with the power of culture!
"力の文化" に "文化の力" で立ち向かえ
We sing!
さあ、歌おう

※~※

History favours the trail blazers *9
歴史は新たな道の開拓者を好み
The taste for change is contagious
変化を求める嗜好は伝染しやすい
It's not strange these faceless takers are afraid of raising wages
顔のない権益取得者たちが賃上げを恐れるのは不思議じゃない
When the same major papers say that we should hate our neighbours *10
大新聞が相も変わらず「隣人を憎め」と書き立て
Then when the rage cascades
"怒り" が滝のように奔流する
These sadists claim that their blameless
サディストたちが「自分は清廉潔白だ」と主張するが
What is clear, some don't even pay taxes on their profits here
明らかなのは、ここには自らの利益に対する税金すら払わない者たちがいるという事だ
Wrote against the interests of Murdoch and Rothermere *11
俺はマードックやロザミアの利益に反する事を書いている
Not conspiracy theory, conspiracy actuality
これは "陰謀論" じゃない。実在の "陰謀" だ
Until now politics, merely a practicality
これまでは政治は単に実用的なものだった
They deify celebrity
奴らは単に大衆の関心を引く "有名人" を神格化する
What happens when no celebrities turn on you
仮に人々を引き付ける "有名人" がいなくなったとして、それでどうなる?
state plunders, not necessity
略奪する国家。そんなものはいらない
I don't condemn the deified
俺は、神格化された者たちを非難するつもりはないが
but mourn those whose brilliant as them who died, potential unrealised
潜在的な力を実現することなく死んでいった者たちの輝きと煌きを悼む
Atomisation had us, distant and deafened
俺たちは原子化・分断化された。離れ離れにされ、耳を聞こえなくされた
Now we're interconnected, independent but interdependent
だが、今俺たちは互いに連結している。それぞれが自主独立しながら、同時に相互依存する
We rose, like a giant awoken out of a coma
俺たちは立ち上がった。眠りから目覚めた巨人のように
Confront the culture of power with the power of culture!
"力の文化" に "文化の力" で立ち向かえ
We sing!
さあ、歌おう

※~※


備考
  1. ※この2行はマルコムXの1964年のインタビューでの言葉。
  2. ※この3行は同じくマルコムXの1964年4月12日のミシガン州デトロイトでの演説よりの引用。
  3. ※世界銀行、国際通貨基金ともに経済破綻した国や途上国を融資等により経済的に支援する目的で存在する機関であるが、米国の主導力が強く、被支援国の国民が必ずしも利益を得られない結果も生んでいる。その内容は、高い金利や公共事業の民営化及び経営の合理化の強制などが挙げられる。
  4. Theresa Mary May : 現イギリス首相、保守党党首。1956年イングランド生まれ。
  5. dot the i's and cross the t's : きちんと "i" に点を打ち "t" に横棒を引く。→細部にまで気を配る、注意を払う、手を抜かない。事細かに記す。注意深く完璧にやる。
  6. ※1979年に誕生したサッチャー政権は財政赤字削減の為、規制緩和、公共事業の民営化等による小さな政府を目指した。
  7. Robin Hood : 13世紀頃のイングランドの伝説上の人物。シャーウッドの森に住む義賊の首領、弓の名手で貴族や聖職者の富を奪い貧しい人々を助けるヒーローという設定が広く伝わっている。
  8. alternative : 別の可能性、取って代わるもの、代替手段。選択肢、選択の可能性、二者択一の状況。伝統や習慣に囚われないもの、反体制的・前衛的なもの、型にはまらないもの
  9. trailblazer : 未開地等の新しい道の発見者、ある分野の開拓者・先駆者
    blaze : 木・道・境界等に目印をつける、新しい方向・方法の先鞭をつける
  10. the same : 性質・状態等が同じ、元のまま、変わらない、同様の
  11. Murdoch : ルパート・マードック。1931年オーストラリア生まれのアメリカ人実業家。21世紀フォックス、ニューズ・コーポレーションを所有する世界的メディア王。
    Viscount Rothermere : ロザミア子爵。イギリスの子爵位で、ハームズワース家の人間によって継承され現在第四代である。代々の歴代当主は新聞事業を経営し続けている。


 2017年8月に発表。
 ネオリベラリズム=新自由主義とは、経済思想のひとつで、大雑把に言うと政府の市場介入を抑え小さな政府を目指し、個人の自由、市場原理の機能を最優先させる考え方のことです。アメリカのレーガン大統領、イギリスのサッチャー首相などはこのネオリベラリズムを最大限に発揮した政策を施行しました。日本でサッチャー政権と同じような規制緩和・自由化・民営化政策を強力に推し進めたのが2000年代初頭の小泉政権です。この新自由主義は、独特の経済政策思想を持つドイツは別ですが、アメリカ、イギリス、フランス等主要先進国の主流の経済思想であり、現代資本主義を牛耳っている考え方と言えるでしょう。
 曲名の「新自由主義の死」は、失業者の増加や所得格差の拡大をもたらしているこの思想が限界に達しつつあると主張しているのだろうと思います。私も今の日本の経済政策の元になっているこの新自由主義には反対です。例えばイギリスやフランスで行なわれた水道事業の民営化ひとつとってみても、その評価は人によって肯定否定様々な意見があるようですが、水道料金の値上がりや水質保持の不安等の問題を差し置いても、ライフラインを外国資本に抑えられるというのはとても危険なことではないかと思います。実は、日本でも一部の自治体には、ウォーターバロン(水男爵)と呼ばれる世界三大水道企業の一つヴェオリア・エンバイロメントが参入を始めているそうです。

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