Troy

2009年08月01日

Troy : Sinéad O'Connor




I'll remember it
私は忘れない
And Dublin in a rainstorm *1
嵐のダブリンを
And sitting in the long grass in summer
夏草の中で座っていた
Keeping warm
暖かかった

I'll remember it
私は忘れない
Every restless night *2
眠れない夜を
We were so young then
私たちは幼かった
We thought that everything we could possibly do was right
私たちができることは何でも正しいと思っていた

Then we moved
引っ越した後
Stolen from our very eyes *3
私たちの目を盗んであなたはいなくなった
And I wondered where you went to
私はあなたの行方を思い悩んだ
Tell me when did the light die
火が消えたのは、いつだったの?

You will rise
あなたはよみがえる
You'll return
戻ってくる
The phoenix from the flame
炎から生まれる不死鳥のように
You will learn
あなたも分かるでしょう
You will rise
あなたはよみがえる
You'll return
戻ってくる
Being what you are
今のあなたのままで
There is no other Troy *4
トロイの他にはないの
For you to burn
あなたが焼くべき場所は

And I never meant to hurt you
私はあなたを傷つけるつもりはなかった
I swear I didn't mean those things I said
決してあんなことを言うつもりはなかった
I never meant to do that to you
あんなことをするつもりはなかった
Next time I'll keep my hands to myself instead
これからは、上げた手は自分に向ける

Oh, does she love you?
彼女はあなたを愛しているの?
What do you want to do?
あなたはどうしたいの?
Does she need you like I do?
彼女はあなたを必要としているの? 私のように
Do you love her?
あなたは彼女を愛しているの?
Is she good for you?
彼女はあなたにやさしい?
Does she hold you like I do?
彼女はあなたを抱きしめてくれる? 私のように

Do you want me?
私が必要?
Should I leave?
それともいなくなって欲しい?
I know you're always telling me that you love me
あなたはいつも言ってくれる。私を愛していると
Just sometimes I wonder
でも、時には不安になるの
If I should believe
信じてもいいのだろうかと
Oh, I love you
あなたを愛している
God, I love you
本当に愛している
I'd kill a dragon for you
竜ですら殺せる、あなたのためなら
I'll die
たとえ命を落しても

But I will rise
私はよみがえる
And I will return
戻ってくる
The Phoenix from the flame
炎から生まれる不死鳥のように
I have learned
私は分かったの
I will rise
私はよみがえる
And you'll see me return
あなたは再び私に会うでしょう
Being what I am
今のままの私に
There is no other Troy
トロイだけが
For me to burn
私が焼くべき場所なのよ

And you should've left the light on
あなたは、火を消さないでおくべきだったのに
You should've left the light on
あなたは火を消してしまった
Then I wouldn't have tried
だから、私はあきらめてしまったの
And you'd never have known
あなたは知らなかったはずよ

And I wouldn't have pulled you tighter
だから、私はあなたを強く引き留めなかった
No I wouldn't have pulled you close
あなたにすがりつかなかった
I wouldn't have screamed, "No I can't let you go"
泣き叫ばなかった「いや。あなたを行かせられない」
And the door wasn't closed
だから、ドアは閉めなかった
No I wouldn't have pulled you to me
私の元に引き寄せようとしなかった
No I wouldn't have kissed your face
あなたの顔にキスしなかった
You wouldn't have begged me to hold you *5
あなたも私に抱いてくれと言わなかった
If we hadn't been there in the first place
この苦しみが始まった場所にいなければよかった
Ah but I know you wanted me to be there oh oh
でも、あなたは私がそこにいることを望んだわね
Every look that you threw told me so
あなたの目がそう語っている

But you should've left the light on
あなたは、火を消すべきじゃなかった
You should've left the light on
消すべきじゃなかったの

And the flames burned away
炎は燃え尽きてしまったけれども
But you're still spitting fire *6
あなたは、まだ、火の粉を吐き続けている
Make no difference what you say *7
あなたの言葉は問題じゃない
You're still a liar
あなたは今でも嘘つきだから
You're still a liar
あなたは今でも嘘つきだから
You're still a lawyer
あなたは今でも法律家だから


備考
  1. rainstorm : 暴風雨
  2. restless : 落ち着かない、不安な、休ませない、眠れない、静止することのない、不断の
  3. steal-stole-stolen : 盗む、そっと行く、そっと立ち去る、知らぬ間に過ぎる
    very :(強調的に)ちょうど、まさに、~に他ならない
    under very your eyes : 君のすぐ目の前で
  4. Troy : ギリシャ神話のトロイア戦争でミケーネに滅ぼされる国トロイを指す。
  5. beg : 請い求める、頼む、懇願する
  6. spit : つば、食べ物、血、砲火などを吐き出す、火の粉などを噴き出す
  7. make a difference : 相違・効果・影響を生じる、重要である、差別をつける
    make no difference : 問題ではない

 
 アルバム The Lion and The Cobra (1987年) 所収。
 Being what you are. There is no other Troy for you to burn. と Being what I am. There is no other Troy for me to burn. の部分は、アイルランドの詩人ウィリアム・イェイツの No Second Troy という詩から採られているそうです。
 この詩は彼が生涯思い焦がれた女性モード・ゴーンを賛美したものだそうで、彼女をトロイア戦争の原因となった美女ヘレンにたとえています。
 シネイド・オコナーが引用した部分は、
  Why, what could she have done, being as she is? 
  なぜ彼女にこんなことができたのか、彼女の存在そのもののせいなのか?
  Was there another Troy for her to burn?
  彼女にはもう一つ焼くべきトロイがあったのか?
 という2行です。
 原詩を正しく理解する能力は私にはありませんので、あくまでも勘ですが、シネイド・オコナーの歌詞は原詩とは意味合いが違うように思えます。彼女の歌詞におけるトロイは、トロイの木馬に象徴されるように「私」が欺かれた場所、「私とあなた」が戻らなくてはならない場所、火をともし続けまた焼かれ続けなければならない場所、というように思えます。
 この歌は一見すると失恋の歌のように聞こえ、そう解釈しても大きな違和感はないでしょう。
 しかし、歌詞の最終行にある lawyer というのはシネイドの父親の職業です。これに「私たちの目を盗んで」などの細かい歌詞を合わせ考えると、父親に対する愛憎相半ばする歌なのではないかと思えます。シネイド・オコナーの略歴は Just Like U Said It Would B の記事の中で書きましたが、幼い頃両親が離婚し父親は他の女と再婚。母親に育てられていた彼女は母親からの虐待に苦しめられます。
 無邪気で幸せだった家族の生活。徐々に訪れる不安。父親の不在。別れの儀式。彼女にとってのトロイとは家族の原風景なのではないでしょうか。彼女の、愛に対する切望と執着がよく表わされた歌だと思います。


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