Guerrilla Radio : Rage Against The Machine

2009年10月17日




Transmission third world war third round *1
第三次世界大戦は第3ラウンドに突入した
A decade of the weapon of sound above ground *2
この十年、音を武器に公然と闘ってきた
No shelter if you're lookin' for shade
隠れようとしても避難所はないぜ
I lick shots at the brutal charade *3
俺は、残忍でくだらない猿芝居を撃つ
As the polls close like a casket on truth devoured *4
投票所は棺のように閉じられ、真実は貪り食われる
A Silent play in the shadow of power *5
権力に寄り添った沈黙劇
A spectacle monopolized *6
ひとりよがりの見世物
The camera's eyes on choice disguised *7
カメラの被写体は意図的に選ばれる
Was it cast for the mass who burn and toil? *8
身を焼き必死に働く大衆に配信するのか?
Or for the vultures who thirst for blood and oil? *9
それとも血と石油を渇望する強欲冷酷なハゲワシどもへか?
Yes a spectacle monopolized
いずれにせよ、ひとりよがりの見世物に過ぎない
They hold the reins and stole your eyes *10
奴らは権力を握り、お前らの眼を奪ったのさ
Or the fistagons *11
酷暴総省
The bullets and bombs
銃弾と爆弾
Who stuff the banks *12
銀行にたらふく食わせる奴ら
Who staff the party ranks *13
党員を抱える奴ら
More for Gore or the son of a drug lord *14
ゴアだろうと麻薬王のガキだろうと
None of the above fuck it cut the cord *15
どれも糞だ、切り捨てろ

Lights out
灯を消せ
Guerrilla Radio Turn that shit up
ゲリラ・ラジオだ、音量を上げろ

Contact I highjacked the frequencies *16
電波は乗っ取った
Blockin' the beltway *17
環状線を封鎖した
Move on D.C.
首都を移動中
Way past the days of Bombin' M.C.'s *18
かつてはMCの派手な落書きがあった道を通る
Sound off Mumia guan be free *19
声を大にして言う。ムミアを解放せよ
Who gottem yo check the federal file *20
お前ら、政府文書を調べてみろ
All you pen devils know the trial was vile *21
ペンタゴンの悪魔たちだって裁判がでたらめだと知ってるはずだ
An army of pigs try to silence my style
豚どもの軍が俺の主張を黙らせようとするが
Off 'em all out that box
すべて暴露するぞ
It's my radio dial
これは俺の放送だ

Lights out
灯を消せ
Guerrilla Radio Turn that shit up
ゲリラ・ラジオだ、音量を上げろ

It has to start somewhere
どこかで始めなければならない
It has to start sometime
いつかは始めなければならない

What better place than here?
ここより他にいい場所があるか?
What better time than now?
今より他にいい時があるか?

All hell can't stop us now
もう誰も俺たちを止められない


備考
  1. transmission : 伝達、伝送、放送、送信、伝動装置、変速機
  2. decade : 十年間、十個からなる一組
    above-ground : 地上に、生きている、公然と、合法に
  3. lick : なめる、火炎がめらめらと走る、殴る、やっつける、負かす
    lick shots : 銃で撃つ
    charade : ジェスチャーゲーム、無意味な(くだらない、人を欺く・惑わす)行為
  4. poll : 選挙などの投票、投票数   
    polls : 投票所
    close on : 閉じ込める
    casket : 小箱、棺
    devour : 貪り食う、滅ぼす、飲み込む
  5. in the shadow of : ~のすぐ近くに、今にも~になろうとして
  6. spectacle : 光景、見世物、美観、壮観、見もの、哀れな光景
    monopolize : 独占する、独り占めにする
  7. disguise : 変装する、偽装する、偽る、事実を覆う、隠蔽する、意図・感情を隠す
  8. toil : 骨折って働く、苦役につく
  9. vulture : ハゲワシ、コンドルなど死肉食で狩りをしない大型猛禽類。人を食い物にする強欲冷酷な人。
    thirst : 渇望する
  10. rein : 手綱
    hold the reins : 政権などを握っている
  11. fistagon : fist(拳)と Pentagon(米国国防総省)を組み合わせた造語らしい。米国人が fist から何をイメージするのかはよく分からないが、暴力・冷酷の象徴だと考えて訳してみた。
  12. stuff : ~に詰め物をする、押し込む、詰め込む、たらふく食わせる
  13. staff : 職員を置く
    rank : 地位、階級、要職、列、軍隊
    the ranks : 下士官兵、一兵卒、庶民、一般人
  14. Gore : アル・ゴア。米国民主党の政治家。2000年の大統領選で共和党のジョージ・ブッシュに敗れた。
  15. above : 上述の
    cut the cord : 紐を切る、関係を切る、依存するのをやめる
  16. highjack : 輸送中の貨物を強奪する、飛行機を乗っ取る
    frequency : 頻繁、頻発、周波数、振動数
  17. beltway = belt highway : 都市周辺の環状(帯状)道路、環状線
  18. M.C. : ラッパー
    bombing : MCバトルで相手に言葉を浴びせ掛けること。あるいは、街頭での芸術的な落書き。記事下のジャケット写真参照。
  19. sound off : 大声で言う、勝手にまくしたてる
    Mumia : ムミア・アブ・ジャマール [Mumia Abu-Jamal 1954-]。黒人の政治活動家。警察官殺害容疑で死刑判決を受け、この歌が作られた当時は収監され法廷闘争中。その後、2001年に死刑判決は破棄されたが無罪は勝ち取られていない。
    guan = go on : 続ける、何か事が起きる。予想外の事に接した時、感嘆詞的にも用いる(まさか!ええっ?等)。
  20. gottem = got them : 感嘆詞・間投詞的な使われ方だと思う。
    federal : 連邦の、連邦政府の
  21. pen : 彼らの他の歌での歌詞から類推すると Pentagon のことと思われる。
    vile : 堕落した、下劣な、恥ずべき、不道徳な


 レイジ・アゲインスト・ザ・マシンは1990年に米国ロサンゼルスで結成されたロックバンドです。この歌は、1999年のアルバム The Battle of Los Angeles に収録されています。
 ボーカルのザック・デ・ラ・ロッチャ(1970年カリフォルニア・ロングビーチ生まれ)の父親は芸術家、母親は反戦活動家、ギターのトム・モレロ(1964年ニューヨーク・ハーレム生まれ)の父親は過激派出身でケニアの初代国連代表、母親は高校教師で公民権運動家だそうです。彼ら自身もまた政治色の強い音楽活動を展開し、ライブではアメリカ国旗を逆さまに吊るしたりゲバラの肖像画を掲げたりしています。
 *14 に民主党のアル・ゴア、共和党のジョージ・ブッシュに関する言及がありますが、トム・モレロは大学卒業後の二年間、カリフォルニアの民主党上院議員アラン・クランストンの秘書として働いています。NME.COM(英音楽雑誌)の記事によると、その仕事は二つの理由で希望や情熱を失わせるようなものだったそうです。一つは、彼が議員と一緒にいた時間の八割は議員が電話で金持ちたちに金の無心をしていたこと、そのために常に自分の主義を曲げざるを得なかったこと。彼は「ビジネスというのはすべて汚れているんだと理解した」と言っています。もう一つは、残りの時間は「隣にメキシコ人が引っ越してきて困る」というような「人種差別主義者」の苦情処理ばかりやっていたことです。彼はこうして「俺のやる仕事じゃない」と思ったようです。

  The Battle of Los Angeles

 公式動画の冒頭に現れる言葉 "everybody in denial" は「誰もが現実から目を背けている」という意味で、衣料品製造小売業の GAP が当時放映していたCMの言葉 "everybody in vests", "everybody in leather"(みんな~を着ている)等の言葉のパロディです。ミシンをかけているのは中米からの移民労働者であり、監督らしき男がポケットにおそらく金を入れ母親から子供を奪っているシーンは "搾取" や "苛酷な労働環境" などを象徴させているのでしょう。服飾産業の第三世界からの搾取に関しては同じアルバムの "Maria" という曲で具体的に歌われています。

  

 <関連記事>
   ☆ Maria : Rage Against The Machine



コメント

  1. human fly | URL | -

    Re: Guerrilla Radio

    素晴らしい訳詞だと思います。
    特に「酷暴総省」は素晴らしい!!

  2. kalavinka48 | URL | -

    human fly 様

    過分なお言葉に恐縮しています。
    英語力があまりないので内容は間違っているかもしれませんが、訳詞のイメージを感じ取っていただきとても嬉しいです。ありがとうございます。
    これからもまた、ご意見等お聞かせいただけると幸いです。

  3. 渡辺一連 | URL | -

    Guerrilla Radio

    今年に入り 徹底的に Rageを聴きなおしています。 もう少し早く歌詞を噛み締めて置くべきだったと反省しています。とても 素晴らしい訳だったので リンクさせて頂きました。有難うございました。      

  4. Kalavinka | URL | -

    渡辺一連 様

    丁重なコメント及びリンクありがとうございます。
    私はレイジの歌詞に負けない生き方を見出せず日々忸怩たる思いを重ねています。この歌を聞くたびに自らも世界も変えていかねばと思うのですが……。

  5. | URL | -

    Re:Guerrilla Radio

    オレ頭悪いっすけど、一発でかっこいい歌詞って分かります

  6. Kalavinka | URL | -

    匿名様

     コメントありがとうございます。
     私も、戦う覚悟が伝わってくるかっこいい歌詞だと思います。こういう見かけではない精神のかっこ良さや美しさに憧れます。

  7. watanabe | URL | -

    カッコ良く分かりやすい

    とても勉強になり、分かりやすい和訳だったので、コメントさせていただきました。

    ブログのタイトルも、なんか良いですね!

  8. Kalavinka | URL | -

    watanabe 様

     誉められると少し恥ずかしいですね。それに、誤訳もあるかもしれませんのでご注意下さい。でも、とても嬉しいです。
     ありがとうございました。

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