With or Without You

2009年12月31日

With or Without You : U2




See the stone set in your eyes *1
君の瞳には石がはめられ
See the thorn twist in your side *2
君の身体には棘が巻かれているが
I wait for you
僕は君を待つ

Sleight of hand and twist of fate *3
策略か巡り合わせか
On a bed of nails she makes me wait *4
運命の女神は僕を針のむしろに座らせる
And I wait without you
そして僕は一人で待つ

With or without you
君といるのがいいのか、いない方がいいのか

Through the storm we reach the shore
嵐を抜け僕達は岸へとたどり着く
You give it all but I want more *5
君は精一杯やっているが、僕にはもの足りない
And I'm waiting for you
そして僕は君を待っている

With or without you
君といるのがいいのか、いない方がいいのか
I can't live
僕は生きて行けない
With or without you
君と一緒でも、一緒でなくても

And you give yourself away *6
君はすべてを投げ打って自身を差し出してくれたけれども

My hands are tied, My body bruised *7
僕の両手は縛られ、僕の身体は傷つけられている
She's got me with nothing to win *8
運命の女神は僕に、何一つ勝ち取るものも与えず
And nothing left to lose
失うものすら一つとして残してくれない

And you give yourself away
君がすべてを投げ打ってくれたのに

With or without you
君がいても、いなくても
I can't live
僕は生きて行けない
With or without you
君と一緒でも、一緒でなくても


備考
  1. set in : はめ込む、台につける、宝石をちりばめる
  2. thorn : 植物のとげ
    twist : 撚る、より合わせる、巻きつける、からませる
    side : 横腹、わき腹
  3. sleight of hand : 手先の早業。手品、奇術。ペテン、策略。
    twist : ねじれ、より、ゆがみ、ひねり。事件などの意外な展開。
    twist of fate : 思い通りにならない運命。運命のいたずら。めぐり合わせ。
  4. bed of nails = bed of thorns : 針のむしろ、つらい境遇
    she : Fate は時に擬人化され「運命の女神」という意味を持たせることもある
  5. give it all : 自分の持っているすべてを出し切る、全力を出し切る
  6. give oneself away : 正体を明かす、内心をさらけ出す、真実を話す、馬脚を現す、正体がばれる。隠そうとしていることが外に表れてしまう、あるいは表すことを意味する。
    give away : ただで与える、ただであげる、贈る、寄付する
  7. bruise : 打ち傷をつける、あざをつける、傷つける
  8. has got = got : ~を…の状態にする


 1987年のアルバム The Joshua Tree より。
 この歌詞は聞く人により様々な解釈ができるように作られています。ネットで調べたところ、おおまかに次のような解釈が成り立つようです。
1.アイルランド人の男とイギリス人の女の許されない恋愛。「瞳に石をはめられ」「身体に棘を巻かれている」のは彼女の意思ではなく、彼女を取り巻く状況を指します。そして、give yourself away は、それらをすべて捨ててでも彼女自身を彼に差し出そうとしている、と解釈できます。
2.男の愛情に応えてくれない女。「石のような瞳」「身体を守る棘」は彼女の意思によるものであり、give yourself away は、拒絶の意思を男にさらけ出すと解釈できます。この場合 *4 と *8 の she は you と同一人物ととらえた方が良さそうです。
3.ボノのバンド及びメンバーに対する葛藤。ボノはかなり敬虔なカトリック教徒であるらしく、U2 の活動と自らの信仰心について悩むことがあったそうです。with or without you は、信仰をとるかバンドをとるかという葛藤だと解釈できるのだそうです。
4.純粋に宗教的な歌だとする解釈。歌詞中の I と You は神とイエスであり、重層的に意味が込められているとの解釈です。
 掲載した和訳は上記の1.の解釈によるものです。アイルランド、イギリスにおいては現実に起こりうる状況だと思われます。日本人の私たちには分かりにくい感覚でしょうが、イースター蜂起血の日曜日事件IRA のテロリズムなどを知ると理解の一助にはなるかもしれません。
 改めて歌詞を見ると、はじめ「僕」は「君」がすべてを投げ打って自分の元に来ることを「待って」おり、彼女の努力も「物足りなく」感じています。しかし、ついに彼女がそうしたものの、自分を取り巻く状況も極めて厳しく "I give myself away" と言えない自分を責め、 苦悩しているのではないでしょうか。


 <関連記事>
   ☆ This is A Rebel Song : Sinéad O'Connor



コメント

  1. | URL | -

    Re:With or Without You

    良い歌詞だなー
    ありがとうございます。

  2. Kalavinka | URL | -

    匿名様

     こちらこそコメントを下さりありがとうございます。
     たしかに、深く考えて作られた歌詞だと思います。

  3. t0m0 | URL | -

    Re:With or Without You

    はじめまして こんばんは
    with or without youの詞について調べていたら、ここに辿り着きました。
    私自身も訳してみたものの、上手くは行きませんでした。
    (なんとなく抽象的になってしまい)
    素敵な翻訳と分かりやすい解説に感謝します。

  4. Kalavinka | URL | -

    t0m0 様

     こんばんは。親切なコメントをありがとうございます。
     私は学校英語しか知らずかなり想像で訳しているため、翻訳の正否には実は自信がありません。ですので、あまり記事内容を信用なさらないで下さい。 ブログを拝見しました。私の生硬で典型的な翻訳調の文よりも t0m0 さんの訳文の方が歌い手の心情を上手く表現できているように思いました。
     気が向いたらまたいらしていただけると幸いです。

  5. ゆい | URL | -

    Re:With or Without You

    はじめまして。こんばんは。

    この曲を宇多田ヒカルさんがカバーしているのを
    たまたまyou tubeで聞いてどんな意味の歌詞なんだろう?と興味を持ち
    色々探していたらココを発見しました!(^^)!

    かなり難解?な歌詞ですごく深いんですね。
    歌詞にも色々な解釈があるみたいで英語を勉強したくなりました。


    「君と一緒でも 一緒でなくても僕は生きていけない」
    難しく、切ない歌詞ですね。





  6. Kalavinka | URL | -

    ゆい様

     はじめまして。コメントありがとうございます。

     私はU2の彼らがアイルランド人だと強く意識して聞く癖があったためか、この歌を初めて聞いた時からずっと、何となく上記の1.の意味で聞いていました。ブログに掲載するに際して英単語を調べたりネットで情報収集したりして、初めていろいろな解釈があることを知り、驚くと同時にそれまでの自分の頭の固さにあきれました。

     コメントをいただいて改めてこの歌について考えてみました。重く切なく悲しい歌ではありますが、恋愛はそれを阻む障害が大きければ大きいほどその感情が強まるという観点からすれば、この歌はラブソングの王道なのかな、などとふと思いました。

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