Over The Hills and Far Away : Gary Moore

2010年03月09日




They came for him one winter's night.
冬の夜、その男を求めて奴らはやってきた
Arrested, he was bound. *1
男は捕まり縄をかけられた
They said there'd been a robbery, his pistol had been found. *2
強盗があり、男の拳銃が見つかったと言う

They marched to the station house, he waited for the dawn. *3
警察へ連れられた男は、夜明けを待った
And as they led him to the dock, he knew that he'd been wrong. *4
被告席に立たされた時にようやく、自分(がしていたこと)はずっと間違っていたと悟った
"You stand accused of robbery," he heard the bailiff say. *5
「お前は強盗の容疑で起訴されている」と言う役人の声が聞こえた
He knew without an alibi tomorrow's light would mourn his freedom. *6
男には分かっていた。アリバイがなければ、自由は明日の光から弔われるだろうことを

Over the hills and far away, for ten long years he'll count the days.
丘を越え遥か遠く、十年の月日を男は数え続けることになるだろう
Over the mountains and the seas, a prisoner's life for him there'll be.
山を越え海を越えた彼方で、囚人としての人生を送ることになる

He knew that it would cost him dear, but yet he dare not say. *7
男はそれが極めて過酷なものだと知っていたが、それでも(真実を)言おうとしなかった
Where he had been that fateful night, a secret it must stay.
あの運命の夜を過ごした場所。それは守り抜かねばならぬ秘密だった
He had to fight back tears of rage. *8
怒りの涙を抑え込み
His heart beats like a drum.
心臓が早鐘のように鳴る
For with the wife of his best friend, he spent his final night of freedom.
自由だった最後の夜、男は、親友の妻とともにいたのだから

Over the hills and far away, he swears he will return one day.
丘を越え遥か遠く、男はいつの日か戻ると誓う
Far from the mountains and the seas, back in her arms he swears he'll be.
山を越え海を越えて、女の腕の中へ戻ると誓う
Over the hills and far away.
丘を越え遥か遠く

Over the hills and far away.
丘を越え、遥か遠く

Each night within his prison cell,
監房で夜毎に
he looks out through the bars.
鉄格子の外を見つめる
He reads the letters that she wrote.
女の手紙を読む
One day he'll know the taste of freedom.
いつの日か男は自由の味を知ることだろう

Over the hills and far away, she prays he will return one day.
丘を越え遥か遠く、女は男が戻る日を祈る
As sure as the rivers reach the seas, back in his arms again she'll be.
川が海へ達するほど確かに、女は男の腕の中へ戻るだろう

Over the hills and far away, he swears he will return one day.
丘を越え遥か遠く、男はいつの日か戻ると誓う
As sure as the river reach the seas, back in his arms is where she'll be.
川が海へと達するように、男の腕の中へと女はたどりつくだろう

Over the hills and far away, she prays he will return one day.
丘を越え遥か遠く、女は男が戻る日を祈る
As sure as the rivers reach the seas, back in her arms is where he'll be.
川が必ず海へと達するように、女の腕の中へと男はたどりつくだろう

Over the hills.
丘を越え、
Over the hills and far away.
丘を越え遥か遠く


備考
  1. bind - bound - bound : しばる
  2. robbery : 強盗、強奪、略奪
  3. station house : 警察本署
  4. dock : 刑事法廷の被告席
  5. stand : ある状態にある、~である、~の立場にある
    accuse : 告発する、告訴する、起訴する
    bailiff : sheriff の下役で、令状送達、差し押さえ、刑の執行などをおこなう執行吏
  6. alibi : 現場不在証明
    mourn : 嘆く、悲しむ、悼む、哀悼する、喪に服す、弔う
  7. cost : 貴重なものを失わせる、犠牲にさせる、苦痛を与える
    cost sb dear : sb(人)にとって高いものにつく、ひどい目にあわせる
    dare : あえて(思い切って、恐れずに、勇気を持って、生意気にも)~する
  8. fight back : 反撃する、やり返す、抵抗する、食い止める、感情・涙などを抑える、こらえる
    rage : 激怒、憤怒、激しさ、猛威、激情、熱狂、情熱


 ゲイリー・ムーアは1952年、北アイルランドのベルファスト生まれ。ロック、ブルースのボーカリスト、ギタリストとして活躍しています。この歌は1987年のアルバム Wild Frontier に収録されています。ギターの良さはもちろんですが、泥臭いメロディーと声が結構好きです。
 歌詞については、親友の妻と深い関係になったというのが鍵なので、十年たって出てきたところで「親友」はどうするんだと突っ込みたくもなります。また、強盗現場で男の拳銃が見つかったということから、この強盗は仕組まれたものでこの男は誰か(おそらく浮気に気づいた夫=親友)にはめられたのだと推測できます。こんな下世話な二時間ドラマみたいな物語を哀愁あるメロディーで情緒を込めて歌い上げられると、複雑な気分になります。許されざる悲恋を歌っているといえばそうなのでしょうが、この物語には何か他に隠された由来があるのかもしれません。
 このストーリーの設定は1959年に作られた The Long Black Veil というカントリーソングと似ています。この歌はいろいろな人がレコーディングしているのですが、私の知っているのはチーフタンズの同名のアルバムにあるミック・ジャガーが歌ったものです。The Long Black Veil では、男は殺人の罪で死刑となり女が黒いヴェールで墓を訪れるのですが、親友の妻との関係を秘匿するためにアリバイをあきらめるという設定が同じなのです。この二つの歌に関連があるのではないかと調べてみたのですが、何も見つかりませんでした。ゲイリー・ムーアが The Long Black Veil を知っていたかどうかも定かではありません。


 <関連記事>
   ☆ Wild Frontier : Gary Moore



コメント

  1. mat | URL | mQop/nM.

    Re:Over The Hills and Far Away

    最近、この曲が気に入って歌詞を覚えようとしています。概要が分からなかったのですが、管理人さんの訳で納得が行きました。The Long Black Veil も聞いてみます。有り難う御座いました。

  2. Kalavinka | URL | -

    mat 様

     コメントありがとうございます。
     歌詞はともかくとして私もこの歌のメロディが昔から好きです。The Long Black Veil はこれとは違った曲調ですが、ぜひ聞いてみてください。

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