Johnny, I hardly knew ye : Janis Ian

2008年10月13日




With your guns and drums and drums and guns, Her-roo, her-roo.
あなたの銃とあなたの太鼓で
With your guns and drums and drums and guns, Her-roo, her-roo.
あなたの銃とあなたの太鼓で
With your guns and drums and drums and guns,
あなたの銃とあなたの太鼓で
The enemy nearly slew ya. *1
敵はあなたを殺そうとした
Oh, my darlin' dear, you look so queer, *2
私の愛しい人。あなたはすっかり変わってしまった
Johnny, I hardly knew ya.
ジョニー、あなただと分からないわ

Where are your legs that used to run? Her-roo, her-roo.
いつも走り回っていたあなたの足はどこへ行ったの
Where are your legs that used to run? Her-roo, her-roo.
いつも走り回っていたあなたの足はどこへ行ったの
Where are your legs that used to run,
あなたの足はどこへ行ったの
When first you went to carry a gun? *3
入隊の時にはあんなに走って行ったじゃない
Now, I fear your dancing days are done. *4
もう、あなたとダンスをできる日は来ないのね
Johnny, I hardly knew ya.
ジョニー、あなただと分からないわ

Where are your arms that held me tight? Her-roo, her-roo.
私を強く抱きしめてくれたあなたの腕はどこへ行ったの
Where are your arms that held me tight? Her-roo, her-roo.
私を強く抱きしめてくれたあなたの腕はどこへ行ったの
Where are your arms that held me tight,
あなたの腕はどこへ行ったの
When first you went to join the fight?
入隊の時にはあんなに抱きしめてくれたじゃない
And we'll never, no more, share the night.
もう、夜を分かち合う事はできないのね
Johnny, I hardly knew ya.
ジョニー、あなただと分からないわ

They're rollin' out the drums again, Her-roo, her-roo.
彼らは、また太鼓の音を鳴り響かせてる
They're rollin' out the drums again, Her-roo, her-roo.
彼らは、また太鼓の音を鳴り響かせてる
They're rollin' out the drums again,
彼らは、また太鼓の音を鳴り響かせてる
They're stirrin' up the boys and men, *5
少年や男たちの闘争心を煽ってるのよ
And I fear we'll never see the end.
恐ろしい。こんなことが永遠に続くのかしら
Johnny, I hardly knew ya.
ジョニー、こんな姿になってしまって


備考
  1. slay-slew-slain : 殺害する
  2. queer : 妙な、風変わりな、頭のおかしい、身体の調子が悪い、役に立たない
  3. carry : 銃、剣を携える
  4. fear : 恐れる、怖がる、懸念する、危ぶむ、気遣う
  5. stir : 動かす、かき回す
    stir up : 闘争心をかきたてる、煽動する


 ジャニス・イアンは、1951年、ニューヨーク生まれ。1966年、15歳の時に自ら作った Society's Child (Baby I've Been Thinking) でレコードデビュー。日本ではテレビドラマ「岸辺のアルバム」の主題歌 Will you dance? のヒット曲で知られています。 ブログ掲載曲は、今年アメリカで発売されたベストアルバム Best of JANIS IAN : The Autobiography Collection に収録されています。
 Johnny, I hardly knew Ye はアイルランドの古い伝承歌で、歌詞もいくつかの違うバージョンが知られているようです。また、アイルランド系アメリカ人の Patrick Gilmore が南北戦争の頃に作詞して発表した When Johnny comes marching home というタイトルで多くの人々に知られるようになりました。
 ジャニス・イアンの歌っている歌はいわゆる反戦歌ですが、When Johnny の方はむしろ兵士の士気を高める戦意高揚の歌として使われることが多く軍のマーチングバンドでもよく演奏されます。映画「ダイハード3」でも挿入曲として使われていました。
 ついでなので、ちょっと戦意高揚っぽい When Johnny の歌詞も見ておきましょう。こちらは Dolly Parton という人が歌っています。ちなみに動画タイトルのゲティスバーグというのは南北戦争の主戦場だった所で、今は慰霊公園になっているそうです。


When Johnny Comes Marching Home : Dolly Parton




When Johnny comes marching home again, Hurrah! Hurrah!
ジョニーが凱旋するぞ。フレー、フレー
We'll give him a hearty welcome then, Hurrah! Hurrah!
心をこめて迎えよう。フレー、フレー
The men will cheer, the boys will shout
男たちは喝采し、子どもたちは叫ぶだろう
The ladies they will all turn out
女たちは皆集まってくるだろう
That joyful day when Johnny comes marching home
喜ばしい日だ。ジョニーが帰ってくるぞ
Get ready for the Jubilee, Hurrah! Hurrah!
祭りの準備をしろ。フレー、フレー
We'll celebrate the victory, Hurrah! Hurrah!
勝利を祝おう。フレー、フレー
We'll all join in the big parade
みんなでパレードに参加しよう
And let the soldier have his day
我らが兵士にいい目を見せてやれ
That joyful day when Johnny comes marching home
喜ばしい日だ。ジョニーが凱旋するぞ
America, America, when Johnny comes marching home
アメリカ、アメリカ。ジョニーが凱旋するぞ
We'll sound the horns and beat the drums
笛を吹き太鼓を叩こう
Salute them for a job well done
いい仕事をした彼らに敬礼せよ
That joyful day when Johnny comes marching home
喜ばしい日だ。ジョニーが凱旋するぞ

The old church bell will ring with joy, Hurrah! Hurrah!
古い教会の鐘が喜びに鳴る。フレー、フレー
To welcome home our girls and boys, Hurrah! Hurrah!
我々の娘たち、息子たちを迎えるために。フレー、フレー
'Cause Janey too has done her best
ジェニーも頑張ったからだ
She's fought as hard as all the rest
彼女も他の皆のように精一杯戦った
She'll march along when Johnny comes marching home
ジョニーが凱旋する時彼女も一緒に行進するだろう

When Johnny comes marching home again, Hurrah! Hurrah!
ジョニーが凱旋するぞ。フレー、フレー
We'll give him a hearty welcome then, Hurrah! Hurrah!
我々は心から歓迎しよう。フレー、フレー
The men will cheer, the boys will shout
男たちは歓声を挙げ、子どもたちは大声で叫ぶだろう
The ladies they will all turn out
女たちは皆集まってくる
That joyful day when Johnny comes marching home
ジョニーが凱旋する喜ばしい日には
Twill be so good to have 'em home
どんなにか素晴らしいことだろう。彼らが帰郷するなんて
They've been so far and gone so long
彼らはとても遠く、とても長く離れていた
What a joyful day when Johnny comes marching home
喜ばしい日だ。ジョニーが凱旋するぞ

America, America, when Johnny comes marching home
アメリカ、アメリカ。ジョニーが凱旋するぞ
America, America, when Janey comes marching home
アメリカ、アメリカ。ジェニーが凱旋するぞ
We'll sound the horns and beat the drums
笛を吹き、太鼓を叩こう
Salute them for a job well done
いい仕事をした彼らに敬礼しよう
That joyful day when Johnny comes marching home
ジョニーが凱旋する喜ばしい日に


 あの暗い歌詞をよくここまで能天気な歌詞に変えられたものですね。


2012.7.6 追記
 昨日いただいたコメントが気になって、パトリック・ギルモアのことを改めて調べてみました。Wikipedia によると、まず上記のドリー・パートンの歌う歌詞はオリジナルとは若干違いがありました。この歌にもいろいろな歌詞の亜種があるようです。また、ギルモアは南北戦争中(おそらく楽士として)北軍に従軍しています。そして、この歌は姉(妹)のために作った歌だそうです。彼女の婚約者もまた戦争に行っており、彼の無事な帰還を祈って作られたようです。
 このような事柄を改めて知ると、従軍も戦時も経験のない私が上記のような「能天気云々」の言葉を使うことはパトリック・ギルモアに対して敬意を欠く傲慢な態度だったと思います。この言葉は取り消しますが、自省のために記録として残しておきます。私の軽薄な叙述を戒めてくれたコメント投稿者の方に感謝します。


When Johnny Comes Marching Home : パトリック・ギルモアのオリジナル歌詞




When Johnny comes marching home again, Hurrah! Hurrah!
ジョニーが凱旋するぞ。フレー、フレー
We'll give him a hearty welcome then, Hurrah! Hurrah!
心をこめて迎えよう。フレー、フレー
The men will cheer and the boys will shout
男たちは喝采し子どもたちは叫ぶだろう
The ladies they will all turn out
女たちは皆集まってくるだろう
And we'll all feel gay, when Johnny comes marching home
我々は皆陽気になるだろう。ジョニーが凱旋すれば

The old church bell will peal with joy, Hurrah! Hurrah!
古い教会の鐘が喜びに鳴り響く。フレー、フレー
To welcome home our darling boy, Hurrah! Hurrah!
我々の愛しい息子を迎えるために。フレー、フレー
The village lads and lassies say
村じゅうの少年、少女が唱える
With roses they will strew the way,
バラの花を道にまきながら
And we'll all feel gay, when Johnny comes marching home
我々は皆陽気になるだろう。ジョニーが凱旋すれば

Get ready for the Jubilee, Hurrah! Hurrah!
祭りの準備をしろ。フレー、フレー
We'll give the hero three times three, Hurrah! Hurrah!
英雄に九度の祝声を。フレー、フレー
The laurel wreath is ready now
月桂樹の冠はもう出来ている
To place upon his loyal brow
愛国者の彼に戴かせるため
And we'll all feel gay, when Johnny comes marching home
我々は皆陽気になるだろう。ジョニーが凱旋すれば

Let love and friendship on that day, Hurrah! Hurrah!
その日のために愛と友情を。フレー、フレー
Their choicest pleasures then display, Hurrah! Hurrah!
その時には最上の娯楽を見せよう。フレー、フレー
And let each one perform some part,
みんながおのおのの役を演じ
To fill with joy the warrior's heart,
戦士たちを喜びで満たそう
And we'll all feel gay, when Johnny comes marching home
我々は皆陽気になるだろう。ジョニーが凱旋すれば


 しかし、それでも私はこの歌詞の思想には反対します。この歌には、南北戦争時から第二次大戦時に至るまで兵士の士気高揚のために演奏され歌われてきた歴史があります。下記の動画は第二次大戦中と戦後まもなく作られた映画(左は第一次大戦時の非戦場、右は第二次大戦時の捕虜収容所が舞台)ですが、これらに限らずアメリカで作られたこの頃の映画ではファシズムに対抗する民主主義・自由主義という絶対的な正義が楽観的に信じられていました。ところが、ベトナム戦争を描いた映画は正義の成立しない戦争に対する不信感と虚無感にあふれています。そのため第二次大戦映画のように When Johnny comes marching home を戦意高揚の象徴として使うことができなくなります。『七月四日に生まれて』という映画では使われていましたが、昔の映画とは使われる意味が全く異なっています。

 
      
 When Johnny comes marching home は作詞者の意図も含めてやはり軍歌であろうと思います。私は個人的には軍歌も戦争映画も好きですから、軍歌に込められた心情は否定しません。ただし、軍歌が歴史的に担った役割を思想として礼賛することには反対します。正義の戦争はありうると思いますが、それを判断するのが自分ではなく国家である場合、私は国家の命令で人を殺すことを拒否します。


2015.6.28 追記
 コメントでアメリカのアイリッシュパンクバンド、ドロップキックマーフィーズを教えて頂いたので動画を貼ってみます。コメント欄の URL はライブ動画ですが、下のはスタジオ録音の音源です。歌詞はジャニス・イアンのものより長く詳しいですが、彼らの創作ではなくほぼ伝承通りだろうと思います。次の二箇所、"with your drums and guns …" が "we had guns and drums …"、"enemy nearly slew ya " が "enemy never slew ya" となっているのは、彼らが何らかの意図で変えたのかもしれませんが、定かではありません。ちなみに、クラッシュの "English Civil War" の歌詞については別に記事を書いていますので、よければ下の関連記事からご覧下さい。

Johnny, I Hardly Knew Ya : Dropkick Murphys




When on the road to sweet Athy, Hurroo Hurroo
懐かしいアサイへの帰郷の道
When on the road to sweet Athy
懐かしいアサイへの帰郷の道
A stick in the hand, A drop in the eye
杖をつき、目に涙を浮かべる
A doleful damsel I heard cry
子供たちの泣き声を聞いていた
Johnny I hardly knew ya
ジョニー、あなただと分からなかった

Where are the eyes that looked so mild, Hurroo Hurroo
あなたのあの優しい目はどこへ行ってしまったの
Where are the eyes that looked so mild
あの優しい目はどこへ行ってしまったの
When my poor heart you first beguiled
寂しい私の心を夢中にさせた頃のあの優しい目は
Why did ya run from me and the child
どうして、私を子供たちを置いて行ってしまったの
Johnny I hardly knew ya
ジョニー、あなただと分からなかった

※ We had guns and drums and drums and guns, Hurroo Hurroo
私たちは銃と太鼓を取った
We had guns and drums and drums and guns
私たちは銃と太鼓を取った
The enemy never slew ya
敵はあなたを殺さなかった
Johnny I hardly knew ya ※
ジョニー、あなただと分からなかった

Where are the legs with which you run, Hurroo Hurroo
あんなに走り回っていたあなたの脚はどこへ行ってしまったの
Where are the legs with which you run
あの時はあんなに走って行ったじゃない
When first you went to carry a gun
初めて銃を取って入隊したあの時には
Indeed your dancing days are done
あなたとダンスできる日々はもう戻ってこないのね
Johnny I hardly knew ya
ジョニー、あなただと分からなかった

※~※

You hadn't an arm, you hadn't a leg, Hurroo Hurroo
あなたには腕がない、あなたには脚がない
You hadn't an arm, you hadn't a leg
腕がなく、脚がなく
You're a spinless, boneless, chickenless egg
回ることもできない、骨もない、中身のない卵ね
You'll Have to be put with the bowl to beg
お椀に施しを受ければならないのでしょうね
Johnny I hardly knew ya
ジョニー、あなただと分からなかった

※~※

I'm happy for to see ya home, Hurroo Hurroo
私は幸せよ。あなたとこの家でまた会うことができて
I'm happy for to see ya home
この家であなたを見ることができて幸せよ
From the isle of Ceylon
遥か遠くのセイロンの島から
Johnny I hardly knew ya
ジョニー、あなただと分からなかった

※~※


 <関連記事>
  ☆ Johnny I hardly knew Ye : Karan Casey
  ☆ Siuil A Run : KOKIA
  ☆ English Civil War : The Levellers



コメント

  1. | URL | -

    Re: Johnny, I Hardly Knew Ye

    When Johnny comes marching homeは多分、本当は原詩のJohnny, I hardly knew yeで戦死してしまったジョニーがもし生きて帰還したなら、、、という意味が込められているんだと思います。

  2. Kalavinka | URL | -

    匿名 様

    なるほど…、そうですね。When Johnny comes marching home はいわゆる軍歌なのでしょうが、人命を尊ぶ精神には Johnny, I hardly knew ye と共通するものを持っているように思えてきました。貴重なご意見、ありがとうございました。

  3. | URL | wyfAjrns

    Re: Johnny, I Hardly Knew Ye

    私は、When Johnny comes marching homeは反戦歌だと思っています。メロディが一緒なのですから、知る人が聞けばどんなに勇壮に歌っても原曲のJohnny, I hardly knew yeの持つ物悲しさに気づいてしまいます。そして、知らない人がよろこんで勇壮に歌えばそれは「滑稽」なのです。パトリック・ギルモアはそんな皮肉もこの曲に込めたのではないでしょうか?あくまで私の想像ですが…。

  4. Kalavinka | URL | IeOjDy9U

    匿名 様

    お返事が遅くなり申し訳ありません。
    パトリック・ギルモアの真意は正直なところよくは分かりません。ただ、兵士たちの無事を祈る心情と兵士たちの勇敢を称える心情は込められているのだろうと推測します。そして、私も When Johnny comes marching home が好戦的な歌詞だとは思いませんが Johnny, I hardly knew ye の持つ強い厭戦思想に比べると反戦の意図をそれほど強く感じ取れません。そのため、この歌を勇壮に歌う行為を滑稽だとも思いません。
    ただ、これも私の一主観ですので、人により様々な受け取り方はあってしかるべきだろうと思います。偏った解釈になりがちなブログです。このようなご意見は歓迎いたします。ありがとうございました。

  5. くま | URL | -

    Re:Johnny, I Hardly Knew Ye

    元々Clashのenglish civil warでこの曲を知りました。
    https://youtu.be/_QmQFbIbEpg

    現代でも歌い継がれています。
    Dropkick Murphys - Johnny, I Hardly Knew Ya - Live
    https://youtu.be/ecV_7MDw1tM

  6. Kalavinka | URL | -

    くま様

     コメントありがとうございます。
     どちらのバンドも格好いいですね。あらためていい曲なんだなあと実感しました。

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